表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
136/144

136話 算数


ノヴァは勢いよく黒板の前へ出る。


「つぎ!」

「もっと、こい!」


レナが驚く。


「急にやる気になった!」


賢者も満足げに頷く。


『よろしい。では次だ』


黒板に新たな問題。


“8×8=?”


ノヴァ、固まる。

笑顔が消える。


「……しらない」


レナが崩れ落ちる。


「一問ごとリセットされるの!?」


ノヴァは拳を握る。


「でも、まけない」

「56、できた」

「つぎも、できる」


賢者が静かに頷く。


『その意志こそ学びの力だ』


ゼルクが笑う。


「戦闘より成長してるぞ」


ノヴァは黒板を睨む。


「8×8……」

「つよそう」


レナが吹き出す。


「数字を敵みたいに見るな!」


知識の間に、また新しい戦いが始まった。

黒板には無情に書かれている。


“8×8=?”


ノヴァはその前に立ち、じっと数字を見つめていた。


「8……8……」


数秒後。

目がぐるぐる回り始める。

レナが指差す。


「処理落ちしてる!」


フィリアが淡々と告げる。


「思考負荷、上昇」


ノヴァの頭の上から、ぷしゅぅ……と白い湯気が出た。

ゼルクが吹き出す。


「本当に煙が出るのか!」


アルヴェリアが心配そうに近づく。


『少し休ませるか?』


ノヴァはふらふらしながら首を横に振る。


「だいじょうぶ……」

「まだ、たたかえる……」


レナが笑う。


「完全に勉強を戦闘扱いしてる!」


ノヴァは黒板へ指を向ける。

ぷるぷる震えている。


「わ、わかった……」


賢者グラン・テスタが静かに頷く。


『申してみよ』


ノヴァは目を回したまま叫んだ。


「63………?」


沈黙。

風も止まる。

レナが顔を覆う。


「惜しいぃぃぃ!!」


黒板が赤く点滅。


『不正解』


ぶぶーっ。

どこからかラッパ音。

ノヴァ、膝から崩れ落ちる。


「つよい……」


フィリアが訂正する。


「数字です」


ノヴァは床に手をつきながら呟く。


「あと、ちょっとだった」


レナがうなずく。


「そう! あと1!」


ノヴァは顔を上げる。


「なら、ほぼかった?」


ゼルクが爆笑する。


「その理論は好きだ!」


賢者も口元を緩めた。


『努力点は与えよう』


賢者は杖で黒板を叩く。

かつん。


“ヒント:8が8こある”


ノヴァは真顔になる。


「8が……8こ……?」


また目がぐるぐる回り始めた。

レナが叫ぶ。


「ヒントでさらに混乱してる!」


その時、ノヴァは突然立ち上がった。


「わかった!」


全員、注目する。

ノヴァは拳を握りしめ、堂々と言った。


「8を、ぜんぶ、たおせばいい!」


レナが膝をつく。


「発想がずっと戦闘なのよ!!」


黒板の前で、ノヴァは目をぐるぐるさせながらも突然ぴたりと止まった。

頭の湯気も止まる。

静寂。

レナが息を呑む。


「……来る?」


フィリアが注視する。


「再計算中」


ゼルクは腕を組み、笑みを浮かべる。


「面白い答えを期待しよう」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ