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131話 メテオ・ノヴァ・改

ノヴァはその姿を見ると、少しだけ嬉しそうに歩き出した。


「いい」

「それなら、つかう」


レナが嫌な予感で震える。


「何を……?」


ノヴァは拳を胸の前で合わせる。

白金の光が集まり、空へ伸びていく。

翼が大きく広がる。

砂漠の空が昼のように明るくなった。

ノヴァは真顔で言った。


「メテオ・ノヴァ・改」


沈黙。

ゼルクの笑みが深くなる。


「懐かしい名だ」


アルヴェリアが目を細める。


『進化後仕様か……』


レナが後退する。


「”改”が一番怖いのよ!」


空に巨大な光輪が出現する。

その中心から、星のような白金球体が無数に生まれた。

一つ一つが流星。

だが以前より小さい。

その代わり、数が異常だった。

百。

千。

万。

億。

空が埋まる。

フィリアが即答。


「範囲殲滅型に調整済み」

『な、なんだそれはァァ!?』


門番は種子砲台を一斉発射。

毒種子、爆裂種子、拘束蔓。

無数の迎撃弾幕が空へ飛ぶ。

だが。

白金流星群は、すべてを飲み込みながら降下した。

どどどどどどどどどぉぉぉん!!!!

砂丘が波打つ。

空気が震える。

光の雨が戦場を覆う。

だが不思議と、仲間たちのいる場所だけは無傷だった。

レナが叫ぶ。


「ピンポイント制御!?」


フィリアが頷く。


「極精密」


煙が晴れる。

そこには巨大なクレーター。

中心で、グランウッドは枝をちりちりに焦がし、ぐるぐる目を回していた。

幹には綺麗に文字が焼き付いている。

“どいて”

ゼルクが腹を抱える。


「ははははは!! 芸術点まで高い!」


ノヴァは着地して首を傾げる。


「……やりすぎてない?」


レナが即答。


「かなりやってる!」


アルヴェリアは苦笑する。


『だが生きている。加減は完璧だ』


グランウッドはふらふらしながら枝を上げる。


『み……見事……通行、許可……』


そのままぱたんと倒れた。

ノヴァの目が輝く。


「もり、いける」


レナがため息をつく。


「結局行くのね……」


森の入口。

無数の木々がざわめく。

さらに奥から、巨大な眼が一つ、こちらを見ていた。

フィリアが静かに言う。


「歓迎されていない」


ノヴァは笑った。


「いい」


倒れた門番グランウッドの横を、一行は進んでいた。

焦げた幹にはまだ “どいて” の文字。

レナはそれを見てため息をつく。


「字面だけはかわいいのよね……」


ゼルクは笑いをこらえている。


「内容は全然かわいくないがな」


一歩足を踏み入れるたび、空気が変わる。

湿った土の匂い。

高く伸びる古木。

昼なのに薄暗い樹海。

無数の視線が木陰からこちらをうかがっていた。

フィリアが告げる。


「監視個体、多数」


レナが小声になる。


「今回はちゃんと危険そう……」


その時。

先頭を歩いていたノヴァが立ち止まった。

大木の幹に手を触れ、どこか遠くを見る。

珍しい顔だった。

アルヴェリアがやわらかく問う。


『どうした』


ノヴァは少しだけ笑う。


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