表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
114/123

114話 天竜降臨


岩壁が開き、山頂へ続く光の道が現れる。

空へ伸びる神秘の階段。

レナが拳を上げる。


「やっと進める!」


フィリアがまとめる。


「本日の勝因:暴力ではなく園芸」


ノヴァは少し考えて呟く。


「……なぐるより、らく」


全員が拍手した。

山頂の雲の中から、巨大な影が降りてくる。

翼。

角。

黄金の鱗。

アルヴェリアが息を呑む。


『まさか……天龍種!?』


ノヴァの目が輝いた。


「いい」


精霊王ガイアロックの試練を突破し、光の階段が空へ伸びていた。

その先。

雲海を裂いて降りてくる巨大な影。

黄金の鱗。

天を覆う翼。

山脈のような角。

一振りの羽ばたきで雲が消し飛ぶ。

アルヴェリアが息を呑む。


『天龍種……しかも王格だ』


ゼルクが低く構える。


「強いぞ」


フィリアも杖を握る。


「高位生命体、確認」


レナは少し後ずさる。


「今回マジでやばいやつでは?」


そんな中。

ノヴァだけが目をきらきらさせていた。

降下してくる黄金龍を見上げ、頬が少し緩む。

そして、ぽつり。


「たのしそう」


沈黙。

レナが振り向く。


「感想それ!?」


ゼルクが笑った。


「戦闘狂の顔だな」


フィリアが訂正する。


「純粋な好奇心」


アルヴェリアは誇らしげでもあり、不安でもあった。


『血筋か……』


黄金龍が山頂台地へ着地する。

ずしん。

大地が鳴る。

雪が舞い、光が反射する。

その瞳は威厳に満ちていた。

龍は一行を見渡し、最後にノヴァへ視線を止める。


『小さき者よ』

『我を見て恐れぬか』


ノヴァ、即答。


「うん」


少し考えて付け足す。


「つよそうで、たのしそう」


黄金龍、沈黙。

やがて龍は低く笑った。


『……面白い』

『人も獣も我を見ると震える』

『だが貴様は遊び場を見る目をしている』


レナが小声で言う。


「否定できない」


ゼルクが頷く。


「まさにそうだ」


黄金龍が尾を軽く振る。

ただそれだけで暴風。

巨岩が空へ舞い上がる。

ノヴァはその岩を片手で受け止め、ぽいっと横へ置いた。

龍の目が細くなる。


『やはり只者ではない』


ノヴァは少し前へ出る。


「やる?」


レナが頭を抱えた。


「交渉ゼロ!」


黄金龍は胸を張る。


『我が名は天覇龍アウレクシオン』

『この山頂を守る者』

『登る資格ある者のみ通す』


フィリアが確認する。


「つまり勝てば通れる?」

『そう単純ではない』


全員、嫌な予感。

アウレクシオンはノヴァを見つめ、言い放つ。


『我を満足させよ』


レナが叫ぶ。


「またそれ!?」


ゼルクがため息。


「山の連中は抽象的だな」


龍は続ける。


『全力で来い』


空気が変わる。

ノヴァの目がさらに輝いた。


「……いい」


ノヴァは翼を広げる。

白金の羽が舞う。

風が止まり、空が静まる。

小さく笑って、言った。


「ほんとに、たのしそう」


アルヴェリアが苦笑する。


『完全に火がついたな』


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ