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不良青年と対峙
真名が家を出てから一週間が経とうとしていた。彼は通常通り会社に出勤したが、マンションに帰り真名の姿がないことを確認すると、夕飯をすましてから車で2時間ほど街中を走るのを常とした。
今日も真名は帰って来なかった。彼は一人運転しながら真名のことを思った。窓からみえる人の影は酔客や若者で埋まっていた。一人一人の顔を確認して、真名ではないことに落胆した。一週間もどこに行ったのか。あの不良青年と一緒なのだろうか。
公園の横に車を停めて休憩していた彼は、煙草に一本火をつけた。窓の外に吐き出す煙は、夜の黒に飲み込まれていく。遠くからカップルが一組歩いてくるのが目に入った。彼がじっと目を凝らすと、金髪の青年の横にいたのは真名だった。一瞬自分目を疑った彼は、身体が硬直して動かなかった。これだけ探してみつからなかったのに、あっけなく姿をあらわした真名は楽しそうな笑顔をみせて歩いていた。
彼がゆっくり車から降りると、真名と青年に視線が合った。真名は驚いた様子でこちらをみたが、一瞬で顔が凍りついた。青年は真名の雰囲気を感じ取った後、こちらをみつめてニヤリと笑った。三人は公園の横道で対峙する格好となった。




