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再び真名を探しに
真名が家を出ていったその夜、清子はすぐに寝室に閉じこもってしまった。真名をすんなり家から出した清子に、彼は疑問を抱かざる得なかった。一人リビングに取り残された彼は、何をするでもなく部屋の虚空をみつめていた。真名はスマホを持っていない。もはや連絡を取ろうにもどうすることも出来ない。清子は一体何を考えているんだ?彼は真名の行く先が心配になり、身体をソワソワ揺らしていた。
時計の針が夜の10時を回った頃、彼は車のキーを取りに寝室に行った。寝室のドアを開けると、清子がベッドの上で目を静かに閉じていた。本気で眠っているのかどうか、彼には分からなかったが、なるべく起こさないように静かに部屋を移動した。車のキーを手にした彼は、部屋を出ていこうとした。その時、清子の声が静かに彼の耳に入った。
「真名を探しに行くの?無駄よ、あの娘は変わってしまった。もう終わり。何もかも取り返せない」
「・・・それでも探しに行くよ。」
彼はそう言ったきり部屋を出ると、玄関のドアを開けた。駐車場までの距離が嫌に長く感じられた。当てもなく真名を探しに行く時間を思い、彼は少し憂鬱になった。




