担任からの電話
真名は帰宅後、早速自室に引きこもってしまった。取り残された彼と清子は、リビングで無言だった。二人で話し合うこともなく、当事者の真名がいなくては何を言うことも出来ない。その時、清子のスマホが当然鳴り出した。清子は画面をみてから慌てた様子になり、彼の顔をみつめ呟いた。
「学校からよ。どうしましょう。何て言えばいいかしら」
「何をって、あったままを喋るしかないじゃないか。あちらにだって警察から連絡がいってるはずだ」
「それもそうね」
清子の話によると今から担任が家に向かうとのことだった。彼はそれに少し胸を撫で下ろすと共に、嫌な予感もした。これで三人で話せる機会が出来たと同時に、担任の評価が厳しく下される恐れもあったからだ。清子は担任の訪問に準備をはじめた。彼はその様子を椅子に座りながらジッとみていた。
「あなた、先生が来るって真名に伝えて。私忙しいの」
彼は真名の部屋のドアをノックした。当然のごとく返事はない。今は緊急事態だ。返事がなくてもドアを開けることに躊躇している暇はない。普段なら、真名のプライベートを重んじる彼だったが、いきなりドアを開けた。真名はベッドの上で寝転んで天井をみつめていた。真名に担任の先生が来ることを伝えたが、終始無言で返事がなかった。彼はひとつため息をつき、ドアを閉めて部屋を出た。
真名は一体何を考えているのか。自分に落ち度があるなら治すことも厭わないつもりだ。とにかく話を聞いてみなければならない。落ち着いたら二人でドライブでも行こうか。彼は重い足取りでリビングに向かった。清子が台所でお茶を用意している音が耳に入ってきた。




