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それから…

○センゴク




正直に言おう。




ソウマの家を出てからすぐに“いつか”がいつなのかも俺はもう考えていなかった。


とりあえずサカキの漫画は俺のベッド脇にあるデスクに置いてある。


最初こそ寝る前や起きたときに目について意識はしていたものの、今やインテリアと同じ扱いだ。


最初からそこにあるもの、意識をすることもなくなっていたのだ。




だから俺はすっかりサカキの漫画のことを忘れて仕事に没頭していた。




「センゴクの兄貴、知っていますか?」


「あ?何が」


「リクの奴やらかしたらしいです」


俺は興味がなかった。


というよりもサカキの死以降、俺は仕事が増え弟分であるソテツの話を聞いているどころじゃなかったからだ。

だが、ソテツはにやにやした顔で俺に耳打ちをした。


「親父の金に手をつけたらしいです」


俺は思わず手を止めた。


「親父の金に?」


「へえ。なんかあいつやばいことに手を出していたみたいでそれを精算するのに大金が必要で遂に手を出しちまったらしいですよ」


俺は鼻で笑った。

「ヤクザがやることじゃあねえな」


「へえ。俺もそう思います。しかし、チャンスじゃねえですか?センゴクの兄貴」


「チャンス?」


「リクを可愛がっていたのはツバキの兄貴だ。ツバキの兄貴はきっと責任をとらされますよ。そうなればセンゴクの兄貴にとって」


「おい、ソテツ」

ソテツはびくっとして一瞬震えたかと思うと固まった。



そりゃそうだろう。

俺を切れさせたんだから。




「少し黙れ」



「へ、へえ。すみません」

ソテツは尻尾巻いて逃げるようにぴゅ~と事務所を出て行った。





俺は椅子の背もたれにもたれて息を吐いた。

ツバキも馬鹿な奴を気にかけたもんだな。

俺は携帯を開いてツバキに電話を掛けた。



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