蝶カッコいいパリス様VSゴブリン
ファンタジー的な世界の有名な雑魚キャラとしてゴブリンというものがある。
勿論この世界にも存在するが、大体の人が想像する緑色の亜人ではない。
ってゆーか緑色の哺乳類なんかそういねーよ。
…まぁそんな話は置いておいて、この世界のゴブリンについて話そうと思う。
この世界のゴブリンの肌の色は大体その地域に住んでいる人間の肌の色に似ている。
但し人間と大きく違う要素は、
まず背が低め、その地域の人間と比べると顔が平たい。極端な吊り目というかギョロ目。
長い舌を大体伸ばして涎を垂らしてある、顔が横に長い。あと老人のような顔つきで容姿が醜い。
ということである。
……もしかして――――とか考えちゃだめだ。
ゴブリンは一般的な人間と比べると力が強めである。
これは主に能や細胞のリミッターが外れているからで筋力自体はそう強いわけではない。
なので鍛え上げたものであれば負けはしない。というかそのようなものには寄ってこない。
理由に関しては後程説明する。
また、人間に他の生物と比べ遺伝子が近めの為か、
別の理由があるのか人間に対する生殖能力が備わっており、主に力の弱い女性が狙われる。
その上妊娠率や出産までの速度、一度に双子以上で生まれる率は人間よりも高い。
だが寿命は短いようだ。
また、知能が低く自らの欲望を遂行するための倫理観や誇り、他者への配慮などの妨げが凡そ存在しない。
他者に危害を加えることには抵抗が無いが自身の生存や欲望を脅かすものには過剰に反応する。
しかし知性が低いとはいえ、人間に近いからか人間より野生の本能が高いためか、
自分より強い相手を判断することには敏感であり、屈強な男にはほぼ寄ってこない。
これが一般的にこの世界で知られているゴブリンの常識だ。
だがこのゴブリンの真に恐ろしいところは、人間と祖先が同じであるということである。
人間の祖先たちが遺伝子や染色体など先天的な異常により、精神的、知能的、肉体的に異質、
又は欠陥があるものをまとめて隔離した集団が長い年月の果てに独立種となったのがゴブリンという説がある。
ある意味では彼らは人なのかもしれないが、その自己中心的な狂暴性と低い知能、
あまりにモンスター染みた野生と人類に対する強力な害意、そして醜い容姿から、
各国の時の権力者や地域の自発性により、人権を剥奪されている。
一時期、共通の祖先という点から、彼らに人権を与えるという活動をした慈善家団体がいたが、
リーダーの女性がゴブリンに誘拐され妊娠した挙句精神崩壊した姿で見つかったためその話は潰えた。
ちなみに女性は生まれてきたゴブリンが人間たちに害を及ぼさぬよう、
腹の中の脆弱な生命を強制的に殺処分する方法で殺した際、元からの衰弱にダメージが重なり死亡した。
結局その慈善家団体のメンバーは人類に害を及ぼす計画を進めていたとして死刑になったので、
未来は結局変わらなかっただろうが。
ついでにゴブリンが発生しそうな場所で人類ではあるものの、
醜い男が勘違いされて斬り殺されたという笑い話は結構ある。
それにちなんでか、この世界でゴブリン顔というのは不細工という意味の慣用句となっている。
話がゴブリンの話一色になってしまったがこのお話の主人公、もとい主虫公は我らがイケメン、パリス様だ。
近くに不細工なオスがいると、
近づいて引き立て役にしてメスからの自身の人気を稼ぐ性質を持つ一部のグッピー並に、
いや、それ以上に性格は悪いが、見た目だけはそこそこ以上な炎の身体を持った蝶のオスだ。
まぁ何でゴブリンの話をしたかと言えば何のことは無い。
今回の敵がゴブリンだったという話。いつも通りの展開に、というかサブタイトルで内容がわかっているだろう。
『美少女の守護者』を自認し、一部の人類から『処女の守護女神の御使い』と認識されているパリスは、
大量のゴブリンに連れ去られていく10名を超える女性や少女を見つけ、
ゴブリンどもを焼きつくことで助け出した。
余り容姿が綺麗でない女性には適当になったのか、一人結構火傷している女性もいたが、
それは本人以外誰も気にしていなかった。
その中に不意を突かれたのかなんだかわからないが負傷した騎士か戦士かなんだかそれっぽい女性がいた。
ゴブリンなんかには絶対負けない。とか何とか言っていたのだろうか?
多分そんなフラグを立てたんだと思う。というかレベルや装備が高そうなのにゴブリン如きに負けるとは何とも情けない。
その女性が持っていた武具がかなりのものなのは人間の社会で暮らしているわけでもないパリスにも解かった。
きっとプライドも高いのだろう。ちょっかいを抱いてもいいが仮面を付けてない人間との意思疎通の手段は無い。
かえって怒らせて戦闘にでもなれば面倒なことになる。
だからパリスは特に何かちょっかいを出すわけでもなく最寄りの人間の集落の方を翅で指して帰りを促した。
このことで帰ってきた女性の内9名がこの話を大きく広げ、
再び『女神の御使い』が活動を始めたといううわさが広がった。
しかしこのことが後々パリスにとっての厄災を招くことになるとはパリスは思いもしなかった。




