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蝶カッコいいパリス様VSよそ様のとこの修羅場

パリスがアイのいる方に戻りながら獲物を探していると人間の男がいた。

正直人間なんて低ランクのエサだが、これ以上待たせるとモーニングがブランチになってしまう。

だからパリスは硬化させた炎の翅で人間の首を切り裂いた。

切った先が燃えたので血が噴き出ることもなかった。

……これはいい。肉汁滴るステーキが提供できるとパリスは喜んだ。


人間は存在力(けいけんち)は全然くれないが、味と栄養素だけは結構いいのだ。

いかんせん歯ごたえは足りないがそれはしょうがないと諦めるしかなかった。

硬化して仮実体を持った身体で人間を持っていこうとして、

人間が恐らくアイの所に持っていくまでに消し炭になっていること気が付いて当初の予定通りアイを呼んでくることにした。


そんな時だった。



「別に交尾してあげてもよろしくてよ……メスの方から言わせないで頂戴。」




…凄いセリフが聴こえてきた。

パリスがそっちを見てみると寒気がするくらい美女なジャイアントヴェスパ系統のメスが、

これまたパリスを凌駕するイケメンのジャイアントヴェスパのオス蜂といちゃついていた。

(ちなみにパリスは自分よりイケメンなものがいるなど絶対に認めない。)


「えっ、…えと、いいのか?」


オス蜂の方は見た目はカッコいいのに鈍感なのかヘタレなのかしばらく固まっていた。

美女を前に他のオスがいい思いをするというのが気に喰わないパリスはどうしてやろうかと考えていたころ、


「お兄ちゃんは渡しませーん!!」


蜂種ジュエルワスプのこれまた綺麗系の美少女系の姫バチが飛んできて無謀にも先程の美女にぶつかってきた。



蜂族の内部事情的な話をすると、

最初のジャイアントヴェスパ系統のメスはスペルヴィア(母)の系譜を継ぐ超高位体エンプレスヴェスパで、

蜂族の中でも文句なしに最強クラスの一体であり、怒らせてはならない存在だ。

次にオス蜂を飛ばしてジュエルワスプの姫バチに関しては可愛いよりも綺麗系なのに、

そのフリーダム過ぎる生き方と度を超えたブラコンで台無しになっている残念な姫バチだ。

最後にオス蜂についてはジュエルワスプの血族に生まれたものの突然変異の先祖返りを起こしてジャイアントヴェスパになった存在であった。

親からは「メスに産まれてさえいれば…。」と大層もったいなさげに言われたらしい。

そんな彼は極北の永久海氷の地『氷結地獄』で一目ぼれをした。


いうなれば彼の方から迫ったにもかかわらず、

いざ相手が心を開いてきたら今度は放置、となんとも鬱陶しいイケメンであった。



そんな内部事情は知らないパリスであったが美女と美少女に取り合いされるオスを見て気持ちがいい筈は無かった。

だからそこに乗り込んで「オレの方がカッコいいぜ!!」と言いに行くのがいつものパリスであったが、


「……まぁアイちゃん待たせてるしな。」

いつもとは違う行動パターンをとってアイの所へ帰った。




結局朝食というにはかなり遅い時間になったがアイに謝った後、

パリスはアイと一緒に先程の人間の死体の所に行った。

だが近くで修羅場が勃発していたため巻き込まれてはたまらないと、

3匹が去るのを待っていたらいつの間にか夕方になっていた。


ちなみに次の日はそのお詫びに朝食にグリプトドンと同サイズのモンスター2匹を狩ってきたものの、

今度は多すぎて焼き尽くせば食事なパリスはともかくアイには食べきれなかった。

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