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蝶カッコいいパリス様VS仮面装着者ズ

実在する伝承、色欲暴虐の魔王(アエーシュマ)に対処すべく人々は『仮面の戦士』達をもって対抗することにした。

相変わらず美(少)女限定で『女神の御使い』様が守ってはくれるがそれは※但し美(少)女に限る、だ。

力ある仮面を造る条件は仮面ごとに様々であるが、人々はその技術を試行錯誤し探し当てた。

中には禁忌とされ後世では失われた技術もあったがこの時代の人々は生きるのに必死であり禁忌など気にしなかった。

――――――――――気にして生き延びることなどできなかった。


喜びの仮面



その効率的な生成方法は特殊な製法で作られた仮面を集落でも不幸なものを選抜し、集め、

仮初の希望を与えそののちにそれを隠し、

在りもしない希望を強く希求させることにより、その想いを儀式等により抽出し込めることが良いとされている。

力ある仮面の中では比較的造りやすい。

人道的な手段を取ろうと思えば貧乏な家にお守りとして飾るようにしておけば時間はかかるが力を持つ可能性がある。

ちなみに原材料に選抜されたものの血縁関係者の人皮を使うと効果が出やすい。


しかし比較的作りやすい反面、仮面の中でも飛びぬけて弱いわけではないが強さもそれなりである。





大体どの仮面でもそうだが、

仮面をつけることによって他の生物を認識、意思の疎通をすることができる。



現に今、魔王(アエーシュマ)を探しに来た仮面の戦士は煌びやかに輝く雄蝶と会話している。


<貴方はもしや女神の御使い様ではございませんでしょうか?…どうか私たちにお力をっ!!>


しかし女神の御使いは残酷に告げる。

<まぁ、女神の御使いとか勝手に呼ばれてるけどさ。

オレ様が助けるのは可愛い子限定なんだよね。

…解かる?野郎とかブスとかババアなんか知ったことじゃないっての。>


<っっ!! ……そこをなんとか。>


<ん~~じゃあさ、可愛い子いたら年に3人ずつオレ様に奉げろよ。

…ヒトに種付けできるかどうかわかんねーけどな。試したことないし。

……あっ、ハズレ連れて来たら皆殺しな?>


<お前…っ、魔王(アエーシュマ)かっ!!>


<お前らの都合で御使い様とか魔王(アエーシュマ)とか勝手だな。

どっちかっつーと勇者(ヒーロー)希望なんだけどさ。あっそれと――――>


仮面の戦士に任命された青年に対し魔王(アエーシュマ)は侮蔑するように憐れむように嗤う。

<前にもその仮面付けた奴等いたけどさ、どいつもこいつも全然愉しそうじゃねーな。

仮面は笑ってんのに、なんか私不幸ですー的なオーラが凄い。(笑)

…まっ、オレ様みたいにイケメンなら人生っつーか虫生イージーモードなんだけどな。

っま、仮面付けたほうがイケメンなお前らにはかんけーねー話だな。ってわけで死ね。>



仮面の戦士 喜びの仮面(5代目)   死亡。   死因 爆死





怒りの仮面



その効率的な生成方法は理不尽な弱者への暴力。

まず捨て駒を四人位用意する。

一人にその仮面を被せ、もう一人に仮面を被った者に暴力を振るわせる。

そのまま仮面を被ったものを殺す。この時なるべくじっくり行うのがポイント。

後、この時はまだ仮面に力が宿っていないので仮面には攻撃しないこと。強度不足で割れる。

次に仮面を別の者にかぶせてやっぱりいたぶる(笑)。死んだら3人目に仮面を被せる。

大体三人目くらいで仮面に力が宿り、暴力を振るってた奴を襲う。出来なかったら4人目で(笑)。

暴力を振るわれる側は力ないものを選ぶのが良いとされている。怒りは臆病さの裏返しだとかなんとか。

他の仮面同様人体を使うと為りやすい。

造り方は簡単だが戦闘性能は結構高め。奴隷とかを使って安価に作られる為、最も多い仮面。


<ちくしょうちくしょうっ人間を舐めるなぁっ!!>


身体が粘性の高い蒸気で構築された蛇モンスターミストスネークに襲い掛かる仮面の戦士に対しミストスネークは、

「シャー」<うっせー。>………パクッ。

……丸呑み。

近くで見ていたパリスは、

「あーあの仮面の奴ってだせーのが多いな。デザインはマシなのに。」

と言う他無かった。


仮面の戦士 怒りの仮面(35代目)   死亡。   死因 オレサマオマエマルノミ



嘆きの仮面



その効率的な生成方法は生きる活力が無いものを集めて無理矢理生かすこと。

野垂れ死に層になったもの達を居たせり尽くせリ孤児院や教会などに似た施設で集積保護する。

生きる意志をあまり強く持たせず、

「「あー俺不幸だわー(棒読み)」」

的な無気力人間を大量に集めて生きていくことはできる状況を作り出してやる。

アクセント程度に女性をゴミ屑たちの性欲発散の道具として放り込み、

ガチ物の嘆きを作ってやってもいい。そこのところは施設長の匙加減で。

諦めた時生き物は家畜に変わる。

そんな現状に満足した家畜たちの安寧と薄っぺらい絶望を人の大量の生血に溶け込ませ、

仮面の眼下に落とし続ける。

造り方の塩梅が難しい為、熟練の施設長が必要であるものの単純な戦闘能力は低いため生成順位は低め。

但し精神攻撃の影響を受けにくく、周囲の生命体の気力を奪うという利点を持つ。




嘆きの仮面の3代目の装着者は森の中で巨大で煌びやかな蝶に出会った。

いきなり使用した周囲の気力を奪う精神攻撃は蝶には全く効かず、逆にその翅の一線で仮面だけが真っ二つに割れた。

いや、厳密には仮面の装着者は変身前は服を着ていなかったため、変身とともに服を失った装着者はその裸体を晒すことになった。


仮面装着者は女性であった。痩せこけていて不健康そうな感じがするもののそれなりの容姿であった。

しかしその身体には幾つもの傷や焼き後、欲望の痕があった。

彼女は神官に命じられた恋人の男に施設に行くように言われ施設に行った際、行方不明になっていた女性である。

この女性の傷跡は施設の中に放り込まれた際にその施設に住む者達に凌辱の限りを受けた際に受けたものであった。

助けを呼んでも誰も助けてはくれず、いつまで続くかわからない男たちの欲望に女性が感じた絶望と諦めを核として仮面は為った。

女性の元に様々な諦めを吸収して力を得た仮面は浮遊して近づき、その手元にふわりと落ちた。

女性は自然にそうあるのが当たり前かのようにその仮面を装着した。

途端に緩やかで生ぬるい風が周囲を渦巻き、その醜い傷跡と欲望の痕を隠す様に衣服が生成された。

周囲に嘆きの力が浸透し本能から生きる事すら諦めた施設の者達は女性を除いて皆息絶えた。

女性は死に場所を探し森に足を踏み入れたが、近寄ってきたエオマイアなどは女性の足元に近づくとそれだけであっさり死んだ。

しかしその嘆きの力も上位昆虫族には全く通用しない。


仮面を割られそのまま捕食されるものかと思い生きることを諦めた目を閉じた女性であったが、

その死はいつになっても訪れない。

不審に思って目を開けるとやはり蝶は動いていない。

私を殺さないの?

そう女性は聞くが仮面が無い今その意思を伝える手段は無かった。


もしかしてこの蝶が女神の御使い様?

女性の頭にそうよぎった時蝶は肯定するかのように舞った。



そんな中に乱入者がやってきた。

乱入者である怒りの仮面装着者(36代目)はあっさり蝶のストローで首を引きちぎられて死んだ。

仮面の戦士 怒りの仮面(36代目)  死亡  死因 締死





千切れた仮面装着者の首と共に仮面が転がってきた。

女性が仮面を外すとその下にあったのは恋人であった女性を施設に連れて行った男であった。

その仮面を掴んだまま女性はその首を踏みつけた。


女性は蝶に一礼すると女性が当初いた集落に帰った。

神官が住まう建物の前で仮面をつけると女性は再び仮面の戦士になった。

しかしその仮面は嘆きではなく怒り。

神官やその取り巻きを嵐のようにあっという間に殺したが、女性のあまりの怒りの仮面の適性の無さと、

蝶のストローが掠ったために入った罅によって仮面は自壊した。

神官宅を襲撃した者についてはついぞ見つかることは無かったそうだ。



仮面装着者 嘆きの仮面(3代目) 死亡  死因 老衰(3人の子供と夫に見守られ天寿を全うした。)





一向に暴虐色欲の魔王(アエーシュマ)や妖酒の美姫、

世界を識る者などを初めとするその他の強力なモンスターに戦果が上がらないのを焦った人々は遂に最強の仮面を造ることにした。


媒体は死を振りまく蛾の髑髏のような翅。

集落の者全てを生贄にした結果生まれた最強の仮面。

集落の者だけでは足らず集落の者の怨念が集落が滅びた場所で二つの集落の戦争を引き起こしようやく生贄に達したという仮面。

死で造り死で加工し死で仕上げた命の仮面。

何かに憑かれたように職人が星への賛歌を印し仮面をつけたまま白骨化したのを次の日に職人の妻が見付けたという、

曰くつきどころではない仮面。

この星から害虫の遍くを滅ぼすために与えられた神器である仮面。

その仮面の名は―――――――――――










『破邪の仮面』

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