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蝶カッコいいパリス様VSギガントバタフライ

『IRENE(イレーネ)』が去り、『IRENE(アイリーン)』が加わったパリスガールズコレクション、

略してパリコレだったが、

パリスはイレーネがいなくなったにも関わらず平常運航というか普通にアイリーンを受け入れているユーミアに、

若干違和感を覚えたり、なんか急に無気力というか燃え尽きたというか、普通の女の子になりました的になったアイリーンに、

寧ろ今までの虫生はなんだったの的な違和感を感じていた。

……まぁ別に可愛けりゃいいけど。


どちらかというとパリスの元からの在り方の方がだいぶ歪んでいる気がするというのが嫁2匹の見解だ。

正義の味方であろうとする某主人公のように、人として、というか虫として歪んでいる。

彼が彼の基準の中でカッコよくあること、可愛い女の子を手に入れる事が具現化しただけの存在がパリスだ。

下手をすると彼の中の『好き』という感情は自己顕示欲と性欲以上のものは存在しない。

誰かを『好き』になることはあっても、真の意味で『愛する』ということは彼には到底理解しえないのかもしれない。

寧ろ真の愛(笑)ってなに?モテない君が好きそうな言葉だよなぁ、おい。なんていいそうだ。


そんな彼は釣った魚にはあんまりエサをやらない主義でやっぱり妻2匹を置いて放浪することが多かった。




パリスが久しぶりに(元)ミザリオスのコミュニティーに脚を延ばした時のことだった。

パリス本来のコミュニティーの方にもあまり顔を出していなかったぐらいだ、

パリスにとってサブの位置であるこっちのコミュニティーには最初手に入れて以降ほぼ顔を出してなかったといっても過言ではない。

再度言うが、パリスは釣った魚には餌をやらない主義なのだ。だからだったのかもしれない。

パリスがサブコミュニティーに戻った時、コミュニティーのリーダーは別のオスに取って代わられていた。



ギガントバタフライ RANK A 個体名メネラオス


新たなコミュニティーリーダーは巨大な蝶であった。

「なんだぁ?お前。文句あんのかよ。」

「…というか文句しかねーな。」


「俺はなぁお前みたいにチャラチャラした奴が大っ嫌いなんだ。舐めてっとぶっ潰すぞ。」

「……お前もしかしてそんなチャラチャラした奴に苛められたり女取られた恨みでもあんの?」


「なぁっ!?……そういやなんか見覚えあんな……まさかパリスッ!?」

「そーそ、超イケメンのパリス様です。解かったら消えてくれる?」


「ぐぬぬぬぬ、お前だけはお前だけは…。」

「あっそういえばそこの君たち、なんで俺から乗り換えるようなまねした訳?」

メネラオスの方から向き直りパリスは近くにいた3匹の雌蝶に聞いた。



「いや、あの、これは…。」

「ずっと逢っていませんでしたのでおそらく不幸があったのではということになり…。」

「帰ってこなかった方にも責任はあるんじゃない?」



「そーいうことね。よく解かった。」


「ちょっちょっとまて俺の事無視してんじゃねーよ。」

「…オレさっき言ったよね。消えろって。今すげぇ機嫌わりぃんだけど。殺すよ?」


「消えるのはお前の方だろ。このコミュニティーは俺のもんだぞ。」

「キモメンでも巨大ならコミュニティーでハーレム作れる、なんてのはエロゲーの中だけにしとけよ。

……このコミュニティーは『本当』は誰のものなのか一匹一匹に聞いてみろよ?あっ!?」



2度目の裏切りに結構プッツン来て思わず前世ですらも関わることもなかった

メタな台詞でキレるパリスの言葉に押されたのか律儀にもメネラオスはコミュニティーのメンバーに一匹ずつ聞いていく。

「えっと、唯一のオスでリーダーは俺だよな。」


「……。」

「……。」

「…。」


それは無言という形の否定だった。


「畜生っ!!、なんなんだよお前はよ。いつもいつもオレのコミュニティーに現れては奪っていきやがって。

おれが(ジャイアントバタフライの)幼虫だったころも、ティケを手に入れようとしたときも、そして今も―――」

その続きもまだメネラオスは喋っていたようであったが、パリスは懐かしい幼馴染の名前に過去に思いを馳せる。


(あの時はまだ昆虫になったことが嫌で認めたくなかった。だから置いていくように別れたが。

今なら………。)


「――――って聞いてんのかぁっ!!お前っ!!」

「んっ?聞いてなかった。――――まぁどっちでもいい話でしょ。いいじゃん。」


「てんめぇっ!!」

メネラオスは他の蝶とは一線を画するその巨大な身体を使ってパリスに襲い掛かる。

蝶にしては力の強いギガントバタフライであれば本来蝶族は行わない脚による締め付けや、

翅による挟み込みででも防御力の低い同じ蝶族には十分有効打になる。

鋭さやカウンターではなく単純な力をぶつけるべくメネラオスはその脚でパリスに掴みかかろうとした――――



あくまで『しようとした』、止まりであった。

突如パリスの姿が完全に掻き消えた。

困惑し一瞬硬直したもののそれでも強引にパリスがいた位置に掴みにかかったメネラオスの脚のうち1本は、

残りすべての脚で掴みかかったパリスによって強引に後ろに捻り上げられ折られてしまった。


「ああ”あ”あ”あ”あ”っ!!」

「やめとけよ。本気でケンカしたらキモメンがイケメンに敵うはずないだろ。」


偶然にもメネラオスの脚の一本を後ろに捻り上げたパリスが言ったのは某寝取り男の代名詞的台詞であった。

ただ、違うのはパリスの辞書のどこにも不殺主義なんて言葉無ないということだ。


そのまま折れた脚を掴んだまま翅で斬り落とす。


「があ”あ”っ、お、おでの脚がぁ…。」

「返してほしいか?――――――――じゃ返してやるよ。」


パリスはメネラオスから切り離した脚に『可燃付加』を付与しメネラオスに放り投げた。

パニックになったメネラオスは思わず放り投げられた脚を残りの脚で受け止める。


「―――んな『ゴミ』燃やしちまえ。」


メネラオスが受け止めた瞬間、パリスのレーザーによって脚が発火し、残りの幾つかのの脚と癒着した。


「んっ?また脚が引っ付いたみたいじゃねーか。良かったな。」

もう大概に悪役が板についてきたというかヒーローに憧れているくせに生来の悪役気質なパリスは凄惨な笑みを浮かべる。

……これは見せしめなのだ。パリスが死んだという都合のいい妄想で他の男を受け入れたビッチ達への。

だからこそ残酷で冷酷で、容赦が無い。



「ぶっさいくな面整形してやんよ。」


パリスはそう言ってメネラオスの触覚を翅を水平に振り切り落とした。


「い”い”い”い”でぇ”ぇ”よ”よ”ょ”お”お”ぉ”。」


「何言ってんのかわかんねぇ(笑)。」


次いでパリスはメネラオスの脚に『可燃付加』した糸を巻きつけて『発火』させた。


「あ”あ”ぢぢぃ”ぃ”ぃ”い”い”っっ!!」


最後にパリスはメネラオスの背後に回ると縦に回転しその両翅でメネラオスの翅を付け根から斬り落とした。

空に浮く手段を無くしたメネラオスであったが地面に激突することは無かった。

なぜなら背後から6本の脚で支えられているからだ。


――――何に?―――――――――――当然パリスにである。

若干重そうではあるがそのままパリスはどんどん高度を上げていく。

「ひぃぃぃえぃぃぃぃいっっったったたすけ。」

「―――そういえばむかし幼虫の時はよく他の奴ら高いとこから突き落としてたな。

………あれっ?もしかしてお前あの時のデブ?」


「いっ、今更思い出したのかよ。あとデブとはなんだっ。」

「あ~重てぇ。乱暴な口の危機かたされるとつい足の力が緩んでしまいそうだ。(棒読み)」


「すみませんすみません。」

「……皆~?この様子見てどっちが真のリーダーか理解しなおせたよな?」


パリスの質問という形の命令にコミュニティーの者は一斉に肯定した。…せざるを得なかった。


「て、てめえ……。」

「あーおもてー。」


「すみません。すみません。」

「……ところでティケは今どうしてる?」


「あんな死神の事なんか知るかよ…。皆殺しの嵐を起こした化け物なんてよぉ…。」


その言葉を聞いたときパリスはその脚を離した。

「言葉には気ぃ付けろっつったのに。」


何秒かした後、地面には汚い色の花が咲いた。



メネラオスが墜落死した場所にゆっくりと、ゆっくりとパリスは舞い降りてコミュニティーの者達に告げた。

「――――――もう二度とこのオレを裏切ろうなんて考えんなよ?」

パリスは『巨大成長補正』を手に入れた。

効果:体が大きくなりやすくなります。

パリスは『攻撃力成長強化』を手に入れた。

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