蝶カッコいいパリス様VSへべれけな雄蝶
パリスは菌糸の森を飛行していた。
キノコたちは特に変な様子は見られないのだが、時折見つける動物や他の昆虫の様子がおかしい。
何処か虚ろな目をしていたり涎を垂らしながら蹲っていたり凶暴性を増している。
今現在パリスの眼下でもムササビが地面の上で膜を広げていたり、
オスの蝶が何度も木に体をぶつけたりしていた。
そのオスは硝子翅蝶で確かパリスのコミュニティー所属だったハズだ。
まぁ、オスの事なのでパリスがしっかり覚えているわけではないが。
とりあえず理由を確認する為、パリスはそのオスの蝶にコンタクトを取ってみることにした。
「お~いそこのモブ男、ちょっといいか?」
「り~んちゃ~ん、ぐへへまっててね~。」
「おいっ、聞いてんのかお前だよお前。お前如きにこの空舞うイケメンことパリス様が話しかけてやってんだよ。」
「つぎはやこうだけをもっていくからね~。」
「……ダメだ。話になりそうにもないな。呂律も思考もまわってねえ。」
もうこのオスは駄目だなと思いつつ先程のダメ男の発言に気になるところがあった。
リーン『ちゃん』?メス?もしやオレのお目当ての可愛い娘ちゃん?
「よ~し。よくやったぞ。ダメ男。お前の知ってるリーンちゃんのこと全部話すんだ。
話したら死んでもいいからしっかり話せ。」
「り~んちゃんは~かわいい~。」
「そうかそれはいい情報だ。」
「り~んちゃんは~かわいい~。」
「だいじなことだがそれはさっき聞いた。」
「り~んちゃんはぼくのかのじょ~。」
「お…い…、嘘…だろ?お前みたいな冴えないダメ男が…?可愛い彼女?」
「うへへ~。でもぷれぜんとが~たいへん~。」
「………あ~そ~ゆ~ことね。ただ貢がさせられてるだけじゃん。……で?どこにいんの?」
「しらない~。でもよるにぷれぜんともってむこうのでかいきのところにいったらたまにいる~。」
「良し判った。もうお前死んでもいいぞ。じゃあな。」
酔っ払いかノータリンみたいになったあのオスにきっと未来はないだろうがそんなことはパリスの頭に一欠けらも残っていなかった。
パリスはとりあえずプレゼントを探しに周囲を飛んでいた。
「まぁ一番のプレゼントはイケメンなオレ様自身だけどな。とりあえずツキヨダケなら問題ないか。」
再び辺りが暗くなった頃、パリスはツキヨダケを見つけ危なげなく屠った。
パリスが再びツキヨダケを倒し、せっかくだから少しぐらい自分も食おうとした時だった、
「流石ですね。よければご同伴させていただいてもよろしいですか?
…失礼しました。私はアイリーンといいます。良ければ『リーン』とお呼び下さい。」
そこにはコミュニティーのオスたちが噂し、ダメ男が身を滅ぼすのもうなづける怪しげな色香を放つ、
美しい雌の蝶がいた。
アイリーン・????? 種族 妖酒蝶属性空 闇 水 風 虫 弱点 火 電気 光
妖酒蝶 RANK A
黒色蝶系の変異亜種、酔酒蝶の進化系。
酔酒蝶 RANK B
濃密なフェロモンで他者を酩酊状態に陥れる。
より上位に進化することで効果と対象範囲が広がり、より相手を思い通りに動かせるようになる。




