蝶カッコいいパリス様VSシェイドバタフライ
最近ちょっと普通にいいやつになってきているので少々ゲス分を補給。
パリスは炙り殺したプレデタートリュフを捕食した後今度は身体を透明にして菌糸の森を飛行していた時、
姿を消してゆっくりと菌糸の森を飛んでいるとパリス以外の蝶を見つけた。
残念ながらパリスの好きな美女ではなくイケメンとは呼べないオスであったが、
なにかしらパリス好みのメスに繋がることもあるかと思い後を付けることにした。
後を付けられていたオスはパリスに気付くことなく自身のコミュニティーに帰ってきた。
そのオス、日影蝶のミザリオスはコミュニティーのリーダーをしていた。
理由としてはそのコミュニティー唯一のオスだったからだ。
その近くには別のコミュニティーもあったがそちらはグラスウィングバタフライ系統しか入れないうえに、
統率するもの達が優秀すぎて入り込む余地が無かったため、
この近傍で巨大で種族区分なく蝶系モンスターが入れるコミュニティーはたまたまミザリオスのコミュニティーだけであった。
当初は他にオスの蝶もいたが、度重なる病気や外敵による様々な『不幸』が原因で残されたオスがミザリオスだけになってしまった。
そのコミュニティーに入った雄は早死にする。
そんな噂を受けて新たに参加しようとする外部からのオスはやってこなくなった。
他の虫と比べ少々恋愛脳な蝶族が、唯一同じコミュニティーに残された異性の価値をどうとらえたか……、
その結果が今のミザリオスの立ち位置だった。
本来ならそんなにモテる要因があるわけでもなかったのだが、
幼馴染や姉的存在、妹のようになついてくるメスなどの3匹を中心にミザリオスのハーレムができていた。
しかしミザリオスは飛びぬけてルックスがいいわけでも、異常なまでに強いわけでもなく、
危険に敏感なわけでもなかった。
だからコミュニティーに帰るまで一度も自身をつけていたものに気付くことは無かった。
真正面から聞こえてきた声を聞くまでは…。
「へぇ~冴えないオスの後ろについてきたら結構イイ娘いるじゃないか。」
「いったい誰だ!?」
そう叫ぶミザリオスの前には何もおらず、このままでは彼はただの痛い奴になっていた。
だがパリスが姿を現したがためにそうはなりはしなかった。
「オレ?蝶イケメンなパリス様だ。……あ~お前は自己紹介しなくていいよ?興味ないから。」
「硝子翅蝶族!?…いやその進化系か。でも何でここに?」
「あ~誰が質問していいって言った?それより可愛い子連れてくからここのリーダーに宜しく。」
「何言ってんだよお前。」
「だからお前の質問に答える気ねーから。お前じゃ話にならないって。せめてリーダーでも連れて来たら?
助けて~って。」
「僕が…ィーダーだ。」
「えっ?なんだって?」
パリスは某イケメンなのに友達が少ない男のように聞き返した。
「だから僕がこのコミュニティーのリーダーだって言ってるんだっ!!」
「えっ?お前みたいなのが?……ウソだろ……マジかよ…。はははははわりぃわりぃ。じゃあこうしようか。
互いのコミュニティーをかけて決闘だ。勇敢なリーダー様は断らないよなぁ?」
「お前が硝子翅蝶族専用コミュニティーのリーダー?そんなのは嘘だ。
確かもっとしっかりしてそうなオスがリーダーだったハズだっ。」
「…兄貴のことか。…言っとくけど本当に今は俺がリーダーだぜ。」
ミザリオスはその言葉を聞いて考える。
(確か硝子翅蝶族専用コミュニティーには有名な美少女姉妹がいたはず。
しかし前リーダーが死んだということは姉もフリーに……。
そもそもコミュニティーのリーダーになった時点でその2匹も僕のものか……。
硝子翅族しか入れないコミュニティー上位のあの2匹とは絶対に接点が無いと思っていた。
これはチャンスだ。今まで幸運でここまでのし上がってきた僕だ。今回もきっと……)
「……いいね。のったよ。」
「そうか。よかったよかった。――――――そこの彼女たち、オレ様の応援よろしくっ!!」
「だって~どうする~?」
「う~んでもあのオスちょっとカッコいいよね。」
「確かにイケメン度高いかも。」
そう思わずパリスのイケメンにグッと来てしまったミザリオスのハーレム筆頭の3匹のメスにミザリオスが怒る。
「おいっこいつは敵だぞ。僕たちの。」
「あ~そうだっけ、ごめんごめん。」
「ごめんね~。」
「そんなに怒らなくてもいいじゃん」
しかし3匹のメスは久しぶりに見たミザリオス以外のオスに、しかもミザリオスより上のルックスであったパリスに興奮を隠せない。
ってゆ~か隠す気もなさそうだ。
「そ~だって。余裕が無い男はカッコ悪いぜ?」
「誰のせいだと思ってるんだ。」
「余裕が無いのはお前の性格じゃね?オレ様のせいにされても困るんだけど。」
「うるさいっ。とっととぶっ倒してやる。」
「そうだな。これ以上オスと話しても時間がもったいない。限りある生は女の子のためにこそ使うべきだ。
―――――――だろ?皆?」
いつの間にかパリスとミザリオスの周りにミザリオスのコミュニティーのほとんどが集まってきていた。
「ねぇ、あのオスなんかカッコよくない?」
「そーね。最近なんか生気のないようなふらふらしたオスが迷い込んできたりした程度だったからね。」
「あの売女の食い残しなんかは流石にゴメン。」
「あれで強かったら超カッコいいよね~。」
そんなギャラリーの声が聞こえたのかオス2匹は対極の表情で決闘を開始する。
「このうっとうしいチャラ男がぁっっ!!」
「女の子たち?オレ様のもっとカッコいいところ見せてやるよ。」
勝負はあきれるぐらいすぐについた。
ミザリオスは今まで他のオスたちを虫知れずこっそりと屠ってきたようにパリスも殺そうとしていたが、
闘う前の前口上はやたら長かったがミザリオスは強さにおいてもパリスを大きく下回っていたため戦いの終わりは早かった。
パリスのレーザー光線であっという間に撃ち落されてしまったのだ。
「さて…、オレの勝ちなわけだけど。」
「卑怯だ。決闘開始だって僕がまだいってないのにいきなり攻撃してくるなんて。
しかも飛び道具じゃないかっ!!こんなのは反則だ。
お前の反則負けだ。」
「そうですかそうですか――――――――――――
―――――んなもんしらねーよ。
負けた奴の言ってることなんて全部負け犬の遠吠えなんだよ。
弱い奴のいうことになんか耳を貸す価値もねえよ。」
そういってパリスは起き上がろうとするミザリオスを光で軽く炙る。
「あぢぢぢぢぢっぃぃぃっっ。
卑怯だ。こんなのおかしい。間違ってる。」
「何を基準にオレが間違ってるとかいうわけ?まぁいいや。
このコミュニティーの新リーダーとして命令してやる。
本日付けを持ってお前除籍な?もうここにはお前の席ねーから。」
「ふざけるな。ここのリーダーは僕だぞっ!!」
「え~約束したじゃ~ん。
まぁそれは彼女たちに聞いてみたらいいんじゃない?
結局女の子がいなきゃお前だけのコミュニティーなんていらねーし。」
パリスにそう言われたミザリオスは特に仲の良いと思っている3匹のメスに助け船を求めた。
「ねぇ、みんなもそう思う―――――」
「なにいってんの?今クビになった負け犬が。」
「遂にあなたが排除される番になったのね。私たちが誰も気づいてないと思ってた?」
「イケメンの方がいいに決まってるじゃない。」
出された助け舟はカチカチ山に出てくる泥の船より早く沈んだ。
「そんな、嘘だ。嘘だ。」
「もともと別のオスが好きだったけどアンタ以外死んじゃったし唯一のオスでリーダーだから好きなふりしてたけどもう終わり。
――――――あ~めんどくさかった。」
「他のオスの皆さんがいた時はしつこくついてきたあなたは正直邪魔だったの。」
「もっとイケメンで強い方がいいに決まってるじゃない?」
「だってさ?―――――まぁこの娘達はオレ様が変わりにたっぷり可愛がってやるから心配するなよ。
じゃあな。」
そういってパリスは再度ミザリオスをレーザーでいたぶる。
「この糞野郎ぶっ殺し――――あちぢぢぢぢぢぃぃっ焦げるっっ!!」
「口の利き方には気を付けな。3秒以内に消えろ。じゃないと殺すぞ。3…2…1あはははははホントに逃げやがった。
お前にはそんな惨めな生き方がお似合いだ。オレだったら絶対に自殺してるわ。
その惨めっぷりに免じて命だけは見逃してやるよ。」
忘れている人も多いと思うが、結構パリスはドゲスだったよねという話。
ちなみに決闘に決まり文句の宣言が必要だとか飛び道具がダメだとかそんなルールは無い。
ミザリオス=ミザリー(MISERY英語で惨めの意味)+オス(男)
会話できるモンスター。
昆虫系は基本昆虫系となら会話できますが他種族とは難しい。
例外として念話等の直接精神に作用するタイプの意思理解できる『氷結地獄の主』のようなパターンや、
特定の言語を理解、発声できる『天上の音色』のようなパターンがある。




