蝶カッコいいパリス様VS小姑の旦那
「回りくどい言い方はやめましょうかパリス君、その仮面を外しなさい。
貴方の選択肢は3つ。私に従うか、ここを出ていくか、ここで死ぬか。
――――さぁ、どれ?」
「えっオレ死ぬの?」
パリスはその言葉の意味を理解していないながらも死ぬという選択肢がなぜ入っているかにびっくりした。
ただそれだけなのだが賢すぎたリサリアには頭がいい筈な薄っぺらの思考は逆に読み切れなかった。
(従順に従うのも追放も御免だというわけね。)
「残念だわ。私としてはそれ以外のどちらかだと思っていたのだけど。
可愛い妹を未亡虫にするのは忍びないけど、仕方がないわよね。」
リサリアが軽く触角を振るとパリスの後ろから群れのリーダー、リサリアの伴侶が襲い掛かってきた。
しかしそれはこの場で最も小柄なユーミアによって止められる。
「姉さん、もうやめて。」
「ユーミア、あなたの為でもあるのよ。また用意してあげるから。もっと扱いやすくて強いオスを。」
「違う、それはボクの為なんかじゃない。」
「そう?私はそうは思わないわ?私の制御の中にいるものなら私は幸せにしてあげられるもの。」
一方パリスとリーダーも互いに翅を打ち付けていた。
グラスウィングバタフライの能力である光学操作による光線は互いに透過や反射で期すためあまり意味が無い。
よって同種間ではあまり使われにくい。そのため攻撃力の低い打撃戦の打ち合いになるのだ。
どちらかが途中であきらめるにはいいが最期まで戦う場合には敗者の死はなぶり殺しになる。
そして少なくともリーダーの意思は後者だった。
「君は危険すぎる。」
「…へぇ、オレが?……あぁそうかオレ様がイケメン過ぎて奥さん奪われないか不安なんだ。
しょうがないでしょ。オレ、イケメンだし。」
「はぐらかしているのか?」
「はぐらかした?…どこを?」
「……僕には君がそこまで危険には見えないが…。リサリアが言うのならそうなんだろうな。」
「何?僕の方がイケメンだから寝取られる心配はありませんってか?随分余裕だな。」
「…だが僕個人としても君は気に喰わない。君がリサリアの妹の婿だなどと吐き気がする。消えてもらおう。」
「へっ、上っ等!!」
場面は再びユーミア達姉妹に戻る。
「姉さんが愛してるのは、結局自分を取り巻く環境だけ。」
「そんなことを言う妹に育て上げたつもりは無かったわ。…あのオスに感化された?
―――消して正解ね。」
ここがユーミアの限界点だった。
「邪魔なものは排除する。自分の作った箱庭の中で幸せ?きっと姉さんは幸せだと思う。
だけど姉さんの幸せをボクに押し付けないで――――――
ボクは、ボクは姉さんの操り人形じゃない。」
「考え直して?ねっ?私はあなたのお姉さんよ?」
「もう一度言うの?…長々喋るのは好きじゃないんだ。」
「…………あなたは一番私にとって有用な存在だったけど、逆らうようならあなたも、
…………いらないわ。」
「姉さん…。」
「あなたはこのコミュニティーで最強と『言われていた』けどそれもすべて私の情報操作。
真の最強がだれか身を持って教えてあげるわ。」




