蝶カッコいいパリス様VS選択肢を突きつける小姑
「パリス君的にはユーミアちゃんのどこが好き?」
「可愛いところです。」
リサリアの問いにパリスは即答する。
(あくまで昼行燈をつらぬくつもりね。)
リサリアはパリスの隠さない笑顔とノータイムの返答に、
かえってリサリアは質問への返答を予め用意していたと認識する。
「そうよかった。じゃあこれからはユーミアちゃんと一緒に仔造り頑張ってね。」
「仔造りひゃっほーい」
「…仔造り。」
ユーミアはどこか照れたような不安なような感情だろう。
たとえ表面上は無表情であっても姉であるリサリアにはそれがわかる。
大体蝶族のコミュニティーは大体ペアが決まると脱退するものも多い。
あくまで成虫のコミュニティーは婚活会場だ。
ペアが決まれば後はおふたりでどうぞというのは蝶族も人もそう変わらない。
結婚してもコミュニティーにいられるが仔造りまで行くと流石にコミュニティーから脱退する。
ちなみにリサリア達のペアは婚活パーティーの幹事的なポジションなので例外として仔を造っても在籍できる。
つまり一つのコミュニティーの中で仔を造れるペアは1対だけなのだ。
リサリアは暫くの間有用な配下としてパリスを使いこの森の蝶族の危険となるものを排除させようと思っていたが、
パリスが自身の手に余るのではないかという想像と、
リサリア自身の想定の範囲内を超えるものを許容できないという賢すぎた故の弊害が、
少しでも早くパリスを追い出すことを推奨していた。
しかしパリスはリサリア自身が危険視するほどには有能なはずなのできっと妹も幸せになれるだろう。
そう判断しての一人前になった2匹を卒業させるという名目の追放だった。
「じゃあ出発のお祝いね。いつにするの?」
「えっオレ出ていくつもり在りませんよ?」
しかしパリスはせっかく自分を差別しないコミュニティーを手に入れたのに捨てるつもりは無い。
ついでに言えばパリスはハーレム願望が強く群れに残ったまま群れのめぼしい可愛いこちゃんを
底引き網でかっさらう様に根こそぎ手に入れるつもりだ。
ユーミアの脚を引っ張ったり貶めるような意地の悪い存在を全てリサリアが排除したために
リサリア自身によって作り出された環境がここにきてリサリアの首を絞めることになったのだが
常に笑顔で相手を疑いつづけるリサリアにはパリスの言葉が言葉通りに受け取れなかった。
つまり、
(群れを去るのは私たちってこと?…冗談。)
「回りくどい言い方はやめましょうかパリス君、その仮面を外しなさい。
貴方の選択肢は3つ。私に従うか、ここを出ていくか、ここで死ぬか。
――――さぁ、どれ?」




