蝶カッコいいパリス様VS困惑する小姑
「おかえりなさいユーミアちゃん、それにパリスくん。その調子じゃあデートは『大成功』だったようね。」
「姉さん…。」
そう額面通りには受け取らないユーミアに対しパリスは、
「えぇ大成功でしたよ。お義姉さん。」
その言葉を額面通りに喜んだ。
逆にリサリアは困惑した。勿論笑顔の仮面は貼り付けたままでだ。
リサリアはパリスがただの有象無象なら馬鹿なオスがまた支配下に入ったとしただろう。
だが少なくとも身体の傷からユーミアとの戦闘があったはずだということは判る。
群れでも最強ということになっている妹を下すのは単純な個体能力では届かない。
グラスウィングバタフライの能力を幻惑のために引き出したユーミアの舞いはリサリア自身と同じように
全て幾つもの可能性の先の先を読んだ高度な心理戦だ。
もちろんパリスのポテンシャルからもしかしたらと思わなくもなかった。
だからデートに行かせたが実際期待よりも諦めの方が多かったことは否定しきれない。
だが期待もしていたのだ。それはパリスのチャラい部分が『仮面』であった場合だ。
リサリア同様仮面を被っただけの虚構の明るさを振る舞う冷徹な策士であった場合、
あとは個体能力差と運でユーミアを下す可能性は十分にあった。
それにユーミア自身もデート前の時点では気づいていなかっただろうが今までのオスたちに対してと反応が違った。
ユーミアの中の感情が好意なら無意識のうちにでも手を緩める可能性は十分にある。
そうなればパリスの勝率はさらに上昇するだろう。
(侮るわけにはいかないようね。私の制御下を超える存在なら危険すぎる。
……どうする私。)
この時、このようにリサリアはパリスの薄っぺらさを読み違えていた。




