蝶カッコいいパリス様VS歓迎する小姑
デートを終えて自分に興味のなかった女の子の好感度を上げるどころか嫁?にまでしてきたパリスは
ユーミアを連れてユーミアの姉のコミュニティーに帰ってきた。
高個体値だとは思っていたがまさかユーミアに殺されずに帰ってくるオスがいるとは思ってなかったリサリアは
内心驚きながらもその笑顔は崩さない。嬉しい誤算だった。
パリスが予想以上の高能力値個体であったと。
ユーミアと帰ってきたパリスに多少損傷が見られることをリサリアが認識していることが
パリスに認識されているだろうことを気付いてるにも関わらず、
リサリアは自然な態度を崩さない。
そもそもリサリアの中に罪悪感を感じる必要などないという認識がある。
リサリアの理論ではオスにとって、
妹がオスを殺して帰ってくる可能性を見過ごした己よりオスを殺そうとしたユーミアが恨まれることは自然であるし、
ユーミアに対しては、
なによりリサリアの行動は全てユーミアの為にしてあげたものなのだ。
感謝されこそすれその他の感情はないであろうと思っている。
リサリアはユーミアに一定以上の資質を持つオスを宛がってきたが今までその全ては『不幸な事故』で帰ってこなかった。
リサリアはそれを逆にリサリアとユーミア自身による2重チェックと考えればいいととらえてきた。
彼女にとって結婚とは愛でも何でもなく愛という仮面を被った二者間の契約に過ぎない。
群れのコミュニティ―リーダーである伴侶を選んだのは、
まず群れのコミュニティリーダーであったことが大きい。
そのことに付随する権力によりリサリア自身と妹の立ち位置が優位になるからだ。
もしかしたら彼もまた少なからずどこか蝶族特有の虚飾染みた世界に諦観を抱いていたことも要因であったかもしれない。
群れのリーダーであるリサリア夫妻には仮面の表面以上の愛情は存在していなかった。
少なくともリサリアはそう理解していた。
ユーミアにとってリサリアの世界が虚構であったように、リサリアにとって蝶の世界そのものが虚構だった。
もっと薄っぺらく生きていければそんな苦労はしなかったのかもしれない。
しかし彼女は賢すぎた。只のモンスターの知能から逸脱した彼女のそれは彼女を幸せにしたのか不幸にしたのか、
それは彼女自身にしかわからない。
だが恐らく彼女自身は満足しているのではないだろうか。
産まれもって上質の容姿と知能をもって産まれてきた自分に。
そんな彼女は帰ってきた2匹に声をかける。
「おかえりなさいユーミアちゃん、それにパリスくん。その調子じゃあデートは『大成功』だったようね。」




