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蝶カッコいいパリス様が出てこない代わりにこの世界の話
この世界は公平ではあるだろうが平等ではない。
…えっ二つの違いが判らない?
判りやすく言えば消費税と所得税みたいなものだ。
強者からも弱者からも同様に税を摂り、強者と弱者の差をある程度そのまま平行させる消費税と、
強者から多く弱者からは少なく摂り二者の差を平均化する方向へ是正する働きを持つのが所得税だ。
強者が弱者を一方的に食いものにするこの世界は前者の理論で回っている。
ただ、それは悪いことではない。
なぜなら弱者も強くなれば喰らう側に回れるからだ。
奪う側、奪われる側、その差は力でしかない。
強くなる以外の選択肢を剥奪され弱きもののままで生き延びることが許されないこの世界では、
弱者のまま生きる怠惰な愚か者どもは駆逐する運命に晒される。
その強制的な選択肢の剥奪によって向上心が生まれやすい。
よって緩やかな腐敗は怒りにくく、この世界では絶えず奪う側に回ろうとする命たちによって洗練されていく。
それは通常、個の力であったりするのだが、蝶族内においてはその意味は多少変質する。
それが政治力だ。
多少の性能差は容姿とコミュ力で補える。
もし先程の理論を蝶族内に当てはめるなら、容姿やコミュ力も、また力の一つだということだ。




