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蝶カッコいいパリス様VSデスワサビ

よくあることだが、デート中に相手のとった行動が今迄のイメージを大いにぶち壊してしまうことはある。

そしてその内容は大体悪い方向だ。

例えばケチ、食べ方が汚い、主体性が無い。そんなとこだ。


再びデートを続けていた2匹にまたしても邪魔が入る。

というか客観的に見ればどちらかというと邪魔しにいってるのは2匹の方である。

相手から見れば2匹はふわふわと飛びながら迫りくる虐殺者だ。

それにやられまいと反撃するのを邪魔だというのは流石に酷過ぎる。


そんな今回の邪魔者という被害者が彼だ。



デスワサビ RANK C-



デスワサビはワサビ系の中級モンスターだ。

デスワサビの進化前のクレクレソンやスパイシーワサビと違いデスワサビは草というより木に近い。

倒すと非常に高品質の調味料や潤滑油を作り出すことができる。

何よりもその特徴はその味と匂いだ。

通常は毒こそ持っていないものの物凄い刺激成分をもったその身体は少なくない捕食者を躊躇させてしまうほどだ。

川辺や森などに生息しており、川辺にいるものの方がその成分は強いらしい。

しかし一部の捕食者には逆に好んで食うものもいる。


そしてユーミアはその一部の様だった。

先程浮かべた狂嗤を再び浮かべる。

パリスはやっぱり気のせいじゃなかったかと思うとともに、

こんな表情するって横に異性がいるって意識されてないよなと少し悲しくなる。


デスワサビが葉を大きくこすり合わせると周囲は特有の刺激臭に包まれる。

デスワサビが発する刺激臭に鳥が1羽空から落ちてきた。後で頂こうとパリスは思った。

今気が付いたのだが、パリスもどうやらこの刺激臭が大丈夫なクチであるらしい。

毒耐性が作用しているのか元の世界でワサビを好んでいたからなのかはわからないがパリスにも影響は無かった。

後はユーミアと一体の敵に並んで摂取するカップル飲みするだけか。そうパリスは考えた。



しかしワサビが苦手でなければ無力。そんな程度のモンスターが位置できるほどRANK C-という座は軽くない。

空気中に散在している刺激臭を発する揮発成分が突如発火し始めた。

昆虫族自体が火に弱いものも多いが、中でも蝶族は特にその傾向が強い。


パリスも近くで発火した余熱だけでその危険性を身を持って思い知る。

当たれば只では済まないと。




しかしそれは当たればの話だ。

デスワサビのランクがC-ならグラスウィングバタフライのランクはB-だ。

ランクが一つ違うということは早々無視できることではない。

比喩ではなく存在の格が違うのだ。

確かにランクが一つ違っても属性や個体の相性で覆せる範疇だ。

しかし仮にも蝶族は昆虫系上位種族の一角だ。

その中でも高能力個体のパリスとユーミアは直ぐに対策を認識した。


空気中に散らばった刺激臭が引火するまでによく見るとデスワサビのもつ幾つかの種袋から、

非常に小さい種が空中でぶつかり着火させているのが見て取れる。


デスワサビは炎自体を自在に操る敵ではない。あくまで揮発性ガスに火打石をぶつけて引火させてるに過ぎない。

なぜ一気に全てのガスが爆発しないのかまではパリスたちにはわからなかったが、

どうすればどうなるかがわかれば対策を練るには十分だ。


火打ち種が飛ぶ兆候があった時点で回避を初め、多少の発火はその爆風を利用して回避すれば被害は局限できる。

そして揮発性ガスを出し引火させるデスワサビの特性上絶対攻撃が不可能な範囲が存在する。






すなわち極至近距離だ。

緩やかに攻撃を躱しながら、その速度は低速ながらも確実に距離を詰めてくる2匹の蝶をデスワサビはどう感じたであろうか?

悪鬼や羅刹の類だろう。……羅刹といってもピピン板橋の本名の方ではない。


途中まではしっかり応戦していたデスワサビであったが一定以上の距離を詰められてからはその反撃は急に無くなった。

距離を詰めたユーミアは狂気の笑みを浮かべてそのストローでデスワサビの命を吸い尽くした。

デスワサビの汁がやたら気に入ってるのかデスワサビの命が枯れてもユーミアはその汁を吸っている。

もうデスワサビは干乾びきる直前だ。

デスワサビを枯らし切り満腹になったユーミアにパリスは言った。


「お腹もいっぱいになったことだし。笑顔の練習をしてみようか。」

人類のギルド内ランク別強さ基準。あくまで人類が考えた基準なので実在ランクとは多いに乖離あり。

低級

RANK F 頑張れば人類でも倒せるかも。平均的な成人男性がここに入る、勿論武器と工夫は大事だよ。


RANK E 上物の武具を持った鍛えた戦士なら倒せるかも。でも油断は禁物だよ。


中級

RANK D 倒せればもれなく一目置かれる戦士。もちろんそれ相応の武器を持たないとここまではこれません。


RANK C ここまで倒せるのは一握り。トップと呼んでもいいかな。


上級

RANK B 伝説級の武具を持った世界基準で有数の戦士なら倒せるかもしれない。


RANK A 斃せれば奇跡。


超上級

RANK S このランクのモンスターを倒せるのは神話の類。勇者が必要。


RANK SS もう人類に為すすべはない。魔王級と呼んでも十分。

広い意味ではAランクからでも魔王と呼ぶ場合もある。


魔王級

RANK SSS THE END


大魔王級

RANK EX そんなもの存在するの?

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