蝶カッコいいパリス様VS不思議系ボクっ娘
長いこと空を飛んでいるとパリスは凄い可愛い蝶を発見した。
しかもただ可愛いだけではない。パリスと同じグラスウィングバタフライだ。
パリスは喜んだ。可愛い娘見っけ的な感情以外にも、
きっとあの娘ならオレを拒絶しない。
きっとそこにはそんな赦しを求めるような気持ちもあったのだろう。
だから最初はイケメンスマイルを張り付けて凄く控えめな紳士的に行った。
「やぁ今日はいい天気だね。」
「………曇りだけど。」
渾身のイケメン挨拶があっさり切り返された。なのでいつも通りにいくことにした。
「きっとオレのイケメンさに太陽が照れてしまったのさ。」
「…………恥ずかしく…ない?」
そういう行為や発現の恥ずかしさは行動自体よりも周りの受け取り方によるところも大きい。
「…………素で返されると…少し。」
「よかった…恥を感じる心は…あるみたいで。」
パリスは思った。この不思議ちゃん系女子は強敵だ。ついでに悪い意味で正直だ。
他の虫なら照れたりあっさりニコポだったりするのにこの不思議ちゃんは一筋縄じゃいかないな、と。
「じゃあね、ばいばい。」
「ちょちょちょっと待ってくれ。」
「ボク、帰るから。」
「ボクっ娘?なにそれあざといだろ。……それとも実はホントにオス!?」
「メス。…オスに、見えた?」
「あ~よかった。」
「じゃあ、ばいばい。」
「えっもう帰っちゃうの?」
「帰る。」
「もう少しだけ待ってくれって。」
「……じゃあキミもくればいい。…同種だから、大丈夫。」
「同種…?」
「透明な、翅。」
「…………みんな俺たちと同じ?」
「…同じ。だからキミも来てもいい。」
「マジで!?」
パリスはきっとそこでなら価値観のすり替えで不当に貶められることなく
自分のイケメンっぷりが発揮できると思い、かなり嬉しかった。
「……ところで名前聞いてなかったよな。オレはパリス。」
「そう。」
「うん、それで君の名前は?」
「………ユーミア。」
きっとこの娘は周りからKYと思われてるだろうな。会話力低そうだし。
………でも可愛いから許す。明るいブスより地味な美人。コレは男ならわかるだろ?
パリスはそんなことを考えながらユーミアと一緒に硝子翅蝶の集落へと向かっていった。




