蝶カッコいいパリス様VSコミュニティー
ぶらり一人旅を終えてコミュニティーのもの達がいた草原へとパリスは帰ってきた。
帰ってくるともう何匹かは既に羽化していた。
(よーし。全員オレの雌にしてやるぜっ。あ~ブス以外な。)
そんなゲスいことを考えていたパリスにコミュニティーにいたメスたちは笑っていた。
「皆イケメンのパリス様が―――」
というか嘲笑っていた。
「ちょっとパリス君いつまでガキのつもり~。」
「――帰って…っておい、何ふざけたこと言ってんの?」
「え~でも鱗粉もついてないじゃん。オトナとしてそれはどうよ~。」
「スケスケが許されるのは幼虫までよね~。」
「ね~。」
(おいまて、どうなってるんだこの状況。誰か説明しろよ――――――――そういうことか。)
ガキだのツルツルだのスケスケだの鱗粉から漂う香りが無いだの、
そう言ってくる連中がセンパイ達に勧誘された奴によく絡んでいた奴を中心にしている以上、
この結果はあの雰囲気イケメン共の策略なんだろう。
その似非イケメン共は何やらこちらを向いて嗤っている。
直接勧誘されるようなルックスの奴じゃなくて、
周りの空気次第で評価が変わってしまう雰囲気美女程度の奴をけしかけるのがまた汚い。
ルックスが下の中から中の上にギリギリいくかどうかまでの女の中には
他者を蹴落としても自分たちが主流派に認めてもらえるかどうかを強く気にするものがいる。
現在のここらのコミュニティーでそれなりにやってる雰囲気イケメンたちが唆しに来たんだろう。
間違いないな。単純なルックスで俺に勝てないと判るや否や判定基準をすり替えさせに来たのか、
これだから中途半端なルックスの雰囲気イケメンどもは必死だな。
パリスはそうごちるが、
しかしパリスにとって不利な状況は実際に作り上げられている。
雰囲気イケメンズが近寄ってくる。
「あれっ?スケスケ君どこ行ってたんだい?」
「アンタには関係ないだろ、あっ!?」
普段他者をからかうのは大好きだが、自分がからかわれるのは気に食わない。
からかわれる奴というのは大体顔や頭や運動神経やコミュニケーション能力など、
何か人より劣っているものがある傾向が多い。
そんなものとは無縁で生きてきたパリスにはまさかそのような状況が発生するとは思ってもみなかったのだ。
「多分アイツも今のスケスケの姿見たら幻滅するぜ。」
「アイツ?……ティケの事か。」
ティケが成虫になった時驚くほど美虫になっていたのをパリスは知らない。
そんなティケにあっさり雰囲気イケメンズ2匹が玉砕してそれでもしつこくされて毛嫌いされたり、
そのことで他の雰囲気イケメンラバーズのメス達にティケが嫌われたり、
パリス以外に嫌われても全然苦でも何でもないティケはクララソウの花を今日も吸い漁っていることなど、
パリスは知らない。
「そん時は俺が慰めてやんよ。」
「あ~そんときは僕も混ぜてよ。」
印象操作の効果は大きい。自分こそは本物のイケメンという自信は今だあるが、
その姿が印象操作されたコミュニティーに通じるかというほどまでには自信はなくなっていた。
その姿を幼馴染には見られたくなかったからなのかどうなのかは、それはパリスにしかわからないが、
パリスはその後その場から姿を消した。
パリスは称号コミュニティーリーダーを消失した。
「あー今日もいっぱいクララソウ。最高ね。ねぇねぇそういえばさっきパリス君の声しなかった?」
「あ~そうだっけ?」
「気のせいじゃない?まだ帰ってきてないよ。もう帰ってこないんじゃないかな。
そんなオスの事は忘れて僕と…」
「パリス君帰ってきてないんだ。じゃあばいばい。またね~。」
メスの蝶に話し終えると雰囲気イケメンの片割れを無視しきって再びティケは飛んで行った。
パリスを孤独に追いやった裏切者たちは
後に死の天使の裁きをいずれ受けることになる。




