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蝶カッコいいパリス様VSバルーンフロッグ

パリスは遠くへと飛び続けた。

蝶は緩やかに飛ぶだけあって、長距離飛行に優れている。渡り鳥ならぬ渡り蝶なんてのも珍しいわけではない。


パリスが空を飛んで40分もすると、空中に妙な球体が浮かんでいた。



バルーンフロッグ  RANK D



大量に空気を吸い込み空に浮かんでは飛んでいる獲物を食べる習性をもつカエル型モンスターだ。


(何コイツ果てしなくウゼェ。そしてたくさんいるとキメェ。)

気分最悪な状況でそんなやつらを見せられたらちょっと殺したくなってしまうのもしょうがないだろう。


取り敢えず後先考えず一匹をストローで刺してみる。



ぱ~ん



凄い安っぽい音で風船蛙(バルーンフロッグ)は破裂すると地に墜ちていった。


その音を聞きつけたのか周りの風船蛙達が一斉に反応した。どうやらパリスを敵認定したようだ。

あんまり格が違う敵であれば萎んで地上に降りて隠れるのだが、

RANK B-の硝子翅(グラスウィング)蝶(バタフライ)1匹位なら、

勝てると踏んだのだろうか、それとも仲間を理不尽に殺されて怒ったのかは知らないが、

宙に浮かぶ風船蛙たちは威嚇の為にさらに大きく体を膨らませる。



ぱ~ん


あっ1匹膨らみすぎて破裂した。アホだろアイツ。



パリスは再び他の蛙どもを殺すことにした。

膨らんだ身体は当たり判定が大きく攻撃が当てやすいが、空中で転がり、姿勢を変えるのが速く、

舌も長いので意外と厄介だ…






…となるのは普通の飛行生物の話。パリスら蝶族はその虚実を織り交ぜた幽玄な舞い方により、

その行動を読ませにくい。

僅かな動きで風船蛙の長い舌を躱す。そしてストローで刺して破裂させる。

今度は破裂した蛙をそのまま捕えて蛙の体液を啜った。

こんなゲテ物喰いたくないと思っていたパリスだったが、

生物的本能と、空腹、慣れ、スキルの『好き嫌い克服』などによりつい自然に啜ってしまった。

重たいものを持ち続けるほど蝶族は力が無いので、空中で蛙の脳漿を啜って用が済んだらポイした。

きっとこの世界ではポイ捨てに文句を言うどころか、生ものであれば喜ぶ輩の方が多いかもしれないから問題ない。

そんなことを何匹かに続けたパリスはスキル『姿勢制御』『軽量化』を手に入れた。


蛙達がだんだん近づいてきたがパリスは慌てない。

遠距離攻撃手段を持たない風船蛙と硝子翅(グラスウィング)蝶(バタフライ)では勝負にならない。

どちらも装甲が高くはないが、グラスウィングバタフライにはグラスウィングと言われるだけの攻撃手段がある。


蛙の群れから距離を取ると太陽を背にパリスは翅を大きく開く。

そのガラスのような翅が光を収束させ虫メガネの原理で蛙達を焼いていく。

RANK B-とRANKDの性能差はそう簡単に埋められるものではないのだ。

焼かれた蛙達は次々と破裂していく。



ぱぱぱぱ~ん


ぱぱぱぱ~ん


ぱんぱかぱ~ん


ぱぱぱぱ~ん


なにかよくわからない音も混じったが気のせいだ。

きっと大艦巨砲牛だったり偶像活動羊とかがどこかで鳴いたのかもしれないがきっと気のせいだ。


30匹ぐらい焼き落としていくと、空が急激に曇ってきた。

虐殺をしておきながら天気の変化でピンチとは何とも小物っぽい。

対してゆっくりとだが、屍踏み越えて進む進撃の蛙達は着々と蝶への包囲網を作っていっていた。

時間の経過とともにいずれはパリスは追い詰められるのだろう。










「んでオレがソレを待ってやる必要があるわけ?」

しかし蛙達の進撃速度は非常に遅かった。

「アホくさ。オレ、もういくから。」

別に逃げてはいけない状況でもない。

パリスは少なくとも浮かびながら転がる風船蛙達を捨て置いてまた飛んで行った。



パリスは一定時間以上飛行したことにより種族特性『幽玄の舞い』『揚力上昇』が解放された。

バルーンフロッグ RANK D

両生類では珍しく空属性をもつカエル系モンスター。

大量に空気を吸い込んで浮かび上がるため、浮遊中は鳴くことはできない。

逆に地上ではその肺活量からものすごい声で鳴ける上に、

吸引力も物凄い。

何故空の世界に移行としたかは謎。マジでメリットがわからない。

空を転がるようにして移動し、主に空中で餌を採る。

ただし浮かんだ程度の飛行力なのでそうメリットは無い。

しかし空中での姿勢制御はなかなかのもので、浮かんだまますぐに獲物の方を向くことができる。

すぐに向きを変えられるこの技能のおかげで舌を伸ばすという直線的な攻撃手段だけで、

360度全周囲をカバーできる。

性的二形があり、主にサイズがオスとメスでは違う。

なお、一番大きく膨らめたオスがよりいいオスらしい。


大艦巨砲牛(フリートミルクカウ)

鳴き声はぱんぱかぱーん。必殺技は乳搾りびーむ。

乳搾りびーむは催眠効果のある連装砲であり、1発躱したからと言って油断はできない。

最大出力なら岩も砕けるそうだが調整が可能なため仔牛の喉を突き破るような大惨事はそうない。

なお雄牛に大人気。



偶像活動羊(アイドルシープ)

鳴き声はぱんぱかぱーん。必殺技は洗脳。進化前は底辺の放浪羊(ストレイシープ)から特定条件を満たし

芸能活動(エンターテイナー)羊(シープ)になり、

進化後は信仰活動羊(カルトシープ)を経て魔饗(ブラックミサ)羊(シープ)となる。

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