蝶カッコいいパリス様VSクソ苦い草
むしゃむしゃむしゃ。
暖かくなるころになるとアズールバタフライから産まれた卵が孵り始める。
先程から孵った幼虫達がクララソウを食みまくっている。
「すっごくおいしいよね。これ。」
クララソウはアズールバタフライ幼虫にとっての母の味といってもいい。
アズールバタフライの成虫は基本クララソウにしか卵を産まないのだ。
勿論クララソウが大好きな幼虫の為だ。
産んだら産みっぱなしの親のせめてもの愛情といったところだろう。
仔を育てる蜂や、自らを仔の糧にする蜘蛛なんかと比べるのは比較対象が悪い。
基本昆虫なんてそんなものだ。
幼虫達はクララソウを食いつづけ急速に成長する。
やたら美味しそうに苦いこと極まりない植物食べる
アズールバタフライ(幼虫)として生き延びれば将来が約束された幼馴染を見ながら、
進化先が未確定なベーシッククロウラーとして産まれ、今グリーンキャタピラーな
オスの幼虫は答える。
「いや、どう考えても苦すぎだろ、これ」
「えっ?ソレがいいんじゃない。わかってないなぁ。」
いや、まぁ食べれないことはないけどさー。幼虫がいうセリフじゃないだろ。
横目で一心不乱に有毒植物を食み続ける幼馴染にあきれながらオスの幼虫、
パリスは自身もクララソウを食べ始めた。
うえーマズイ。もう一口。
何処か牧歌的な雰囲気の漂う草原だが、忘れてはならないことがある。彼らは弱者なのだ。
このうち生き延びるのは何匹になるだろうか。




