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蝶カッコいいパリス様が全く出てこないプロローグ

オレ、登場……せず。

クララソウという植物がある。別に車いすでお嬢様なちょっとハイソな雰囲気の植物というわけではない。

どっちかっていうと雑草根性逞しい植物である。

少々刺激が強いのが玉に傷で、食べるとクラクラとしてしまい思わずコロッと逝ってしまう。

まぁこのクラクラ感が名前の由来だけあって全体が呼吸や思考の停止やらを引き起こすタイプの猛毒なのだ。

余裕で農薬や殺菌剤になるレベルだと考えてもらっても構わない。

しかも偶にモンスター化する固体もいる。名前は同じクララソウで見た目も大して変わらないが、

積極的に動き生き物の口の中などにマメ科特有のツタのような葉を押し込み食わせて殺して養分にする。

クララソウの群生地などに紛れ込んでいることが多いが前述のとおり見た目がそう大きくは変わらないため判別が困難。

クララソウにはうかつに近寄っては生きて帰れない。

草食動物でさえも避けて通ることが多いその畏れ多さはある意味ちょっとハイソなのかもしれない。


そんな有毒植物を好んで接触する昆虫がいる。アズールバタフライ、シジミチョウの希少種モンスターである。


蝶族モンスターは有名どころだとキャベツ系統を食い荒らすホワイトバタフライや、

シジミチョウ系主流の一種エルフィンバタフライに代表されるように可愛らしい姿をしており、

昆虫界美形が多い種族ランキングでは蜂族に次ぐ人気となっている。

普通に美虫さんな高貴な黒色のダークバタフライ系統もいるがどちらかというと可愛らしい系の容姿をしている。


また、割と仔に対して放任主義というか、蜂族のように社会性をもって行動するわけではない。

幼虫は偶に種族名(幼虫)のように進化すればその種の成虫になることが固定されているものもいるが、

プロトインセクト、ベーシッククロウラー、モンスターラーヴァ、ヴァリアブルワームのように、

様々な昆虫に進化する進化先未定の幼虫モンスターの卵を産むことも少なくない。

だからこそ産んだら産みっぱなしでパートナーと別の所へ行ってしまい、

夫婦の情は強いものの親子の関わりが薄いのだろう。

まぁ超家族大好きな蜂族を引き合いに出したらほかの昆虫なんて大体そうなってしまうものだ。


食事に関してはメインの獲物として特定の植物を選り好むものも多いが全部の蝶がベジタリアンなわけではない。

「私は柑橘ジュースしか飲みませんから」なんていっちゃう結構お嬢様な蝶以外は大体肉も食べる。

だってモンスターだもの。

現に先程あげたホワイトバタフライだってキャベツや他の植物が無ければ多分何かしら食うだろうし、

エルフィンバタフライだって巨大なネズミの脳天に注射器宜しくストローぶっ刺して食べてる。

ジャイアントバタフライなんかは竜のようなものでも捕食する。

毒などで苦しみ抜いて今まさに息絶えようとしている獲物を雌に見せてプロポーズする雄も結構いる。


一見モデル体型のように細い身体と華美な翅を持ってはいるが

実は昆虫モンスターの中でもぶっちぎりの上位に入るスズメバチのヴェスパにこそ届かないが上位クラスの

武闘派種族なのである。


自然な状態で無理なダイエットをしたような蝶、もとい超モデル体型な軽さゆえに重さを利用した攻撃は向かず、

捕えられるとその体積に対する軽さの為、逆てこの原理のため抵抗が困難になる。


しかし彼ら彼女らには『蝶感覚』といわれる超絶固有特性があり空気の流れを読み、利用し、非常に鋭敏な感覚をもって、

敵の攻撃を緩やかに、優雅に、鮮やかに躱しきる単純な速度には寄らない高い回避能力がある。


当たりそうで当たらない高い回避性能で回避し翻弄しつつ、毒の鱗粉などで状態異常を起こし戦いを有利にし、

そのまま殺したりストローなどで止めを刺したりする。


先程出ていたお嬢様な蝶だって手足の生えた肉食の果実モンスターに対し攻撃を躱しざまに一刺しで秒殺する高性能だ。





少々話がそれたが、アズールバタフライの話に戻る。

アズールバタフライは超偏食な蝶だ。特に幼虫は偏食が凄い。

普通の生き物は食おうとするどころか近寄ろうともしないクララソウを食す。そりゃあもうムシャムシャと。

というかクララソウが好き過ぎて他のものを食う気にはならないのかもしれない。苦みが癖になるようだ。

クララソウを食いつくしたり喰い損ねたため餓死するというのも少なからずいるようである。

別に他のものを食えないわけじゃないのだが、

人間だって切り株の形をしたチョコレートスナックと本物の切り株なら前者を選ぶだろう。

そんなアズールバタフライの幼虫は確実に『猛毒耐性』をもって産まれてくる。

そうじゃなかったら死んでる。また、そんな有毒植物を好むため自然と『毒』又は『猛毒』のスキルはつく。

だが羨ましいかと言われると微妙だ。

なんたってもしクララソウが無くなっていたらなんて思うと想像しただけでお腹がすくからだ。

蝶族

回避に優れた昆虫系上位種族。

蛾族とはエルフとダークエルフな関係。友好があったり争いがあったりする。

交配もできるがなんだかんだで自分たちの方が上とお互い思っているので、

蜂族と蟻族の様な仲の良さは無い。


クララソウ(モンスター) RANK F+

ツタで相手の体の中に侵入して有毒の自身の葉を齧らせて殺す。

ツタ自体は千切れやすく弱いがしなやか。毒耐性が高いものには弱い。


アズールバタフライ RANK A+

蝶族の中でも上位種。蒼穹のような美しい翅の蝶。蝶希少種。

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