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他サイトで330万PV突破! 無能と蔑まれた能力値1の転生した元社畜のオッサンが、地球知識で爆鳴魔法を編み出し、常識を変える!  作者: だい


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第100話:三万の包囲網と、新たなる二つ名

閑話除きついに100話!皆様の応援のおかげです!

これからもよろしくお願いいたします。

*あと、お知らせしてたように出来るだけ毎日更新しますが、7月20日過ぎまで更新は不定期だと思って頂けると助かります!

 赤茶けた荒野を駆け抜け、ハーン王都を一望できる高台へと到着した俺たちは、眼下に広がる光景を冷静に観察していた。


 防壁に囲まれた巨大な王都。だが、その城門前から広がる荒野は、見渡す限りの凄まじい数の軍勢によって隙間なく埋め尽くされていた。ギーク人と周辺諸国の寄せ集めによる三万の包囲網である。

 対するハーン側の防衛戦力は、城壁の上に立つ兵士たちの数から推測するに、明らかに少ない。先の戦いで俺たちが盛大に削ってしまったこともあり、多く見積もっても二千が良いところだろう。


「……あれは、援軍か」

 ギデオンが顎でしゃくった先、包囲網から少し離れた荒野の端に、ハーン国の旗を掲げた別の軍勢が布陣していた。おそらく地方から駆けつけた部隊だろうが、その数は五千ほど。

 三万対七千。圧倒的な数的不利により、援軍は攻めかかることができずに対峙状態に陥っている。だが、ギーク側もその背後の五千に備えるため、一万程度の兵力をそちらへ向けて振り分けていた。結果的に王都への圧力が分散され、なんとか防衛線が持ち堪えている、という絶妙な膠着状態だった。


「ほう。まあ相手が圧倒的で、寄せ集めの烏合の衆みたいだしな。勝ちは揺るがないと高を括っているのだろう。王都を力押しで荒らすより、ここの財や王家そのものを狙っているみたいだから、攻め手もまとまらない。おかげでハーン側は籠城で上手く凌いでいるようだの」

 歴戦の猛将であるギデオンは、戦況を的確に分析して髭を撫でた。

「しかし、いくら守る方が優位とはいえ、頼みの援軍が目の前で足止めされていては、普通は中の士気が持たん。よく持たせているものだ……ケントよ。お前さんが家宰に欲しがったデックスという将軍と、ここの女王とやらは、それほどまでに民から慕われているのか?」


「あー……女王ルダはちょっとポンコツなところはあるけど、腹は据わってましたからね。あとデックスは、俺やザラみたいな理不尽な連中を前にしても毅然と止めに入ってくるし、俺たちともなんだかんだ仲が良いんで、国民からやたらと人気あったんですよ」

 俺が思い出し笑いをしながら答えると、ギデオンは「なるほどの」と満足げに頷いた。


「それでは、行くとするか」

「ん?」

 俺は首を傾げた。

「ここから魔法で吹き飛ばさないの? 俺とシーナとセリーナさんがいれば、十分射程圏内だけど」

「馬鹿もん!」

 ギデオンが一喝する。

「一応、我らはノキア王国の正使たるシャルム殿下の『先遣隊』ぞ? いくらぶっ殺すにしても、まずは相手の陣容を確かめ、正当な理由を述べるという『建前』ってもんがあるんじゃ!」


 そう言うと、「ヴォルガン伯爵騎士団」として公爵から借り受けた三十名の騎士たちを引き連れ、堂々と高台を駆け下りていった。

 俺とセリーナ、シーナも顔を見合わせ、ため息をつきながらその後を追う。


 王都に近づくにつれて、荒野を埋め尽くすギーク軍の包囲網が目前に迫ってくる。

 だが、ギデオンを先頭にした俺たち三十数名は、武器を抜くこともなく、ごく当たり前の涼しい顔をして敵陣のど真ん中へと足を踏み入れた。

 あまりにも堂々としすぎているためか、ギークの兵士たちは「え? なにこいつら? どこの所属?」とジロジロ見てくるだけで、誰一人として誰何すいかしてこない。モーゼの十戒のごとく、敵の群れが自然と道を空け、俺たちはそのまま敵の本陣を通り抜け、固く閉ざされた王都の城門の真ん前まで到達してしまった。


「……ん? 貴様たち、一体どこの所属だ!?」

 城門前で陣頭指揮を執っていたギーク軍の将軍らしき男が、ようやく異常事態に気づいて声を張り上げた。

 だが、ギデオンは将軍を完全にガン無視し、城壁の上で弓を構えているハーンの防衛兵たちに向かって、腹の底から響く大声を張り上げた。


「自分は、ノキア王国正使であるシャルム王太子の先遣隊! ヴォルガン伯爵騎士団団長、ギデオン・バルガスであります!!」

 戦場に朗々とした声が響き渡る。

「我が主であるヴォルガン伯爵が、先触れとしてハーン王にお目通り願いたく、まかり越し申した! 開門を願いたい!!」


 城壁の上の兵士たちがポカンと口を開け、周囲を取り囲む何千というギークの兵士たちが一瞬の静寂ののち、顔を真っ赤にして激昂した。


「ふ、ふざけるなあああっ!! 我らを完全に無視して開門だと!? 殺せ! 奴らを一人残らず細切れにしてしまえ!!」

 怒号と共に、無数の槍や剣が一斉に俺たちへと向けられる。

 だが、ギデオン以下の騎士団連中は、完全に包囲されているにも関わらず、どこかウキウキとした様子で落ち着き払っていた。


「……オヤジさん」

 俺はギデオンの背中に、こそっと耳打ちした。

「だから言ったろ。いきなり魔法で吹き飛ばせばよかったじゃん。完全に囲まれてるぞ」

「馬鹿もん」

 ギデオンは、ニヤリと凶悪な笑みを浮かべて振り返った。

「三万相手に、たった三十人だぞ? こんな美味しい状況で、遠くから不意打ちで勝つより、ど真ん中で名乗ってから大暴れした方が面白いじゃろが! しかも目の前が敵の本陣じゃぞ? 久々に血が滾るわ!!」


 ……そういや、この親父も根本的には頭のネジが飛んだ脳筋だったわ。

 俺は乾いた笑いを浮かべ、巻き添えを食らったノキアの精鋭騎士たちはさぞかし嫌だろうなあ、と同情の視線を向けた。

 だが、彼らは誰一人震えてなどいなかった。全員が武器を握りしめ、ギデオンと同じように顔を歪めて笑い、目をギラギラと輝かせていた。


(うわー……なんなの、このバーバリアンズ達)


 身内ながらドン引きして後ろを振り返ると、そこにはさらに恐ろしい光景があった。

 婚約者のシーナと、義母のセリーナが、『凄く良いこと聞いた! ギデオンさん最高!』と言わんばかりのキラキラした笑顔で、すでに臨戦態勢に入っていたのだ。


「……はぁ。分かったよ」

 なんかもう色々諦めた俺は、首の後ろを掻きながら指示を出した。

「一応、手足はなくとも良いけど、尋問用に偉そうなの何人か残しといてね?」


 俺が言い終わるか終わらないかの次の瞬間。


「承知!!」

 とギデオンが叫び。

「応!!」

 と騎士団が咆哮し。

「あら、面倒ね」

 とセリーナが微笑み。

「はーい!」

 とシーナが無邪気に答えた。


 そして、たった三十数名による、三万の軍勢への理不尽極まりない蹂躙劇が幕を開けた。


「がああああっ!?」

「ひぃぃっ! な、なんだこいつらぁっ!!」


 敵味方が入り乱れる(というか四方八方すべてが敵の)本陣のど真ん中で、ギデオンをはじめとする騎士たちは水を得た魚のように暴れ回っていた。

「ガハハハハッ! 自分たち以外全部敵じゃ! 誤射の心配なし! 首獲り放題じゃああっ!!」

 テンションが振り切れた親父たちが、大剣と槍で次々と敵の陣形を物理的に粉砕していく。


 その横では、シーナが大剣に『極小爆鳴気』を纏わせ、まるで舞いを踊るかのような軽やかなステップで敵を両断していた。彼女が剣を振るうたびに小規模な爆発が起き、周囲の敵兵が面白いように吹き飛んでいく。


 そして、最もエグい惨状を作り出していたのは、美魔女たるセリーナだった。

 彼女は右手には炎を纏わせた刀を持ち、迫る敵を次々と焼き斬っていた。ここまではまだ、凄腕の魔法剣士の範疇である。

 問題は左手だ。

 彼女は櫻師範から教わったインナーバフを左手に集中させ、あろうことか『倒した敵兵の足首』をむんずと掴み、そのまま軽々と持ち上げていた。


「オラアアアアアッ!!」

 優雅な微笑みからは想像もつかない気合いと共に、セリーナが左手の『人間』を大質量の鈍器としてフルスイングする。

 メキョッ! ドゴォォォッ!

「ぎゃああぁっ!?」

 凄まじい遠心力で叩きつけられた敵兵たちが、まとめて宙を舞い、鎧ごとひしゃげていく。

「……うん? ハハッ、脆い棍棒だねぇ」

 数回振り回したことで左手の敵兵(の原型)がボロボロになると、セリーナはそれをポイッと放り捨て、すぐさま近くにいた別の敵兵の足首を掴んで新しい『棍棒』を調達した。


(……やべえ)

 俺は完全にドン引きしていた。本物の悪魔がそこにいた。

 あれが俺の義理の母親であり、夜な夜な俺の性活を『管理』している真の女王である。絶対に逆らってはいけないと、改めて心に深く刻み込んだ。


「ケ、ケント殿!!」

 圧倒的な蹂躙劇に敵本陣が阿鼻叫喚の地獄と化している中、城壁の上から聞き慣れた声が響いた。

 見上げると、そこにはハーン国の防衛責任者であり、王配となったデックスが身を乗り出していた。


 その顔には、深い絶望と悲壮な覚悟の色がまだ残っていた。

 おそらく先ほどまで、王城の中で自己犠牲の降伏交渉案でも一人で練っていたのだろう。


「おお! デックス、久しぶり!」

 俺はインナーバフで跳躍し、高さ十メートル以上ある城壁を一息で飛び越え、デックスの目の前へと着地した。


「ケ、ケント殿……あれは、一体……」

 デックスが、信じられないものを見るような目で眼下の戦場を指差した。

 そこでは、たった三十人の騎士と、シーナ、セリーナの二人が、本陣の二千以上の軍勢を一方的に押し返し、逃げ惑う敵の連中を「悪い子はいねがあーッ!」となまはげのように追い回している最中だった。


「ああ、あれな。ちょっとハーンに話があって、ウチの王太子が正使として来てるんだけどさ。遺跡のあたりで変な伏兵に襲われて、聞けば王都がヤバいって言うから、助っ人に先行してきたのよ」

 俺は親指で背後を指し示し、軽い調子で言った。

「でさ。今はオヤジさんたちが本陣の奴らを固めて遊んでるからいいけど、敵が落ち着いて陣形を立て直す前に、残ってる外側の連中、全部魔法で吹き飛ばしてもいいか?」


 デックスは、眼下で人間の棍棒を振り回す美魔女と、笑顔で爆発を引き起こす美少女、そして血に飢えた狂戦士と化したノキアの精鋭たちを見て、顔の筋肉を盛大に引き攣らせた。


「……今後、他の国とも正式に外交交渉は進めますけど。……ええ、ここに居る軍勢は、全て消し飛ばして構いません」

 デックスは、完全に吹っ切れたような遠い目で頷いた。

「できれば、偉そうな指揮官は尋問用に残してもらえると助かりますが」

「了解」


 許可は得た。俺は城壁の上から、眼下で大立ち回りを演じている身内たちに向かって声を張り上げた。


「オヤジさーん! これから外周と後ろの方の連中を吹き飛ばすから、巻き込まれないように気を付けてなー! 本陣の残りは任せるからー!」

「応!!」

 返り血で真っ赤になったギデオンが、親指を立てて応える。

「シーナ! セリーナさん! 今いる位置から目の前より後ろの連中、もう全部吹き飛ばして良いぞー! 遠くで対峙してる軍装が違う連中(五千の援軍)は味方だから、そこだけ気を付けて!」


「はーい! まとめて消し飛べえぇぇっ!!」

 俺の指示を受けた瞬間、シーナが天に向けて大剣を突き上げた。

 前方に向けて扇状に展開された、超広域の『指向性爆鳴気』。それが連鎖的に起爆し、空気を引き裂く轟音と共に、本陣の後方に控えていた何千人もの敵兵が、文字通り塵となって空高く吹き飛んだ。


「ふふっ。それじゃあ、私も遠慮なく」

 セリーナが右手の刀を振り下ろす。大地が割れ、地底から極大の爆炎が噴き上がる。残された幾千人の敵兵が、悲鳴を上げる間もなく炎の渦に飲み込まれ、黒焦げの大地へと変わっていく。


 二人だけで、一万八千の軍勢が『処理』された。


「さて、俺の仕事はっと」

 俺は魔力を練り上げ、遠く離れた場所でハーンの援軍五千を足止めしていた、残り一万のギーク軍へと照準を合わせた。

「ファンネル展開。……包囲、殲滅」


 無数の不可視の爆鳴気が、敵軍の一万をすり鉢状(ファンネル状)に完全包囲する。

 そして、一斉起爆。

 ズガガガガガガガガッッ!!!

 凄まじい衝撃波が内側へと収束し、逃げ場を失った一万の兵士たちは、互いが激突し合う圧力と爆風によって一瞬にしてペチャンコに圧殺された。


 ものの数分。

 圧倒的だった三万の包囲網は、見渡す限りのクレーターと焦土に変わり、生き残っているのはギデオンたちが手加減して遊んでいる(そして美味しく首を頂いている)本陣の残党数百名のみとなっていた。


 明らかに動揺し、武器を捨てて逃げ惑う敵将たちを、親父さん率いる騎士団が歓喜の声を上げながら次々と捕縛していく。

 こうして、ニューヴェ大陸の先住民によるハーン王国侵攻は、ノキアの先遣隊の理不尽極まりない暴力によって呆気なく幕を閉じた。


 ---


 戦後処理もそこそこに、デックスに城門を開けさせ、俺たちは王都の城壁内へと迎え入れられた。

 外周の軍勢が一瞬で消滅した様を壁の上から見ていた市民や兵士たちの歓声が、王都中に爆発するように響き渡っていた。


「デックス! デックス!」

「我らが将軍万歳!!」


 英雄たるデックスを讃える声が響く。

 もちろん、直接手を出して三万の軍勢を消し飛ばした俺たちに対しても、割れんばかりの歓声と拍手が送られていた。

 だが、その歓声の中に混じって、ヒソヒソと囁き合う声が俺の耳に届いてきた。


「……なぁ。あいつらって、大王様を吹き飛ばした『理不尽な暴君』とその一味じゃないか?」

「えっ、じゃああの剣を振り回してた綺麗な人が『災厄の女帝』か?」

「いや、噂じゃ女帝は隻眼のはずだ。あんな両目の揃った美女じゃなかったぞ」

「じゃ、じゃあ、また新しい化け物がノキアから来たってのか!?」

「さしずめ、敵を棍棒にしてたのが『爆炎の女王』で、剣で爆発させてたのが『爆砕の王女』ってとこか……」


 市民たちは、感謝の眼差しを向けつつも、俺たちの常軌を逸した戦いぶり(特にセリーナの人間棍棒)を思い出したのか、若干引き攣った表情で遠巻きに見ていた。

 ……また変な二つ名が増えてしまった。しかも今回は事実だから否定しづらい。


「……まあ、なんにせよ助かって良かったな。それで、ルダはどうしたんだ?」

 俺が歓声に応えるのをやめ、デックスに向かって新女王の安否を尋ねようとした、その時だった。


「デーックス!!!」


 王城へ続く大通りの奥から、凄まじい怒声が飛んできた。

 見れば、ドレスを乱し、髪を振り乱した新女王ルダが、護衛の兵士たちを振り切ってもの凄い形相で走ってくるではないか。

 その姿を見た瞬間、今まで死を覚悟して毅然としていたデックスの顔が「ヤベッ」という表情に歪んだ。


「ル、ルダ様、お待ちくだ――」

 デックスが言い訳をするように両手を前に出した瞬間、ルダは俺たちの存在など全く眼に入っていない様子で彼に飛びかかり、その胸倉を思いっきり掴み上げた。


 そして。

 ドゴォッ!!

 見事な右ストレート(グーパン)が、デックスの頬にクリーンヒットした。


「ぶふっ!?」

「馬鹿デックス!! 貴方がアタシを案じてくれたのは嬉しいわよ! でもね、アタシはハーンの女王なの! 民を残して、自分だけ逃げちゃいけないのよ!!」

 ルダは涙目でデックスの胸倉を揺さぶりながら、さらに怒鳴りつけた。

「民のために死ぬなら、アンタと一緒よ! アタシを安全な牢に閉じ込めて、一人で勝手に死のうとするとか……二度と、絶対に許さないんだからねっ!!」


 なるほど、察しがついた。

 デックスの野郎、王都が包囲されて絶望的になった時、民と一緒にルダだけを秘密の脱出路か何かでノキアへ逃がそうとし、聞き分けない彼女を強制的に牢屋かどこかに軟禁していたらしい。

 見渡せば、それを見ていた市民たちも「あーあ」という顔でヒソヒソと話し始めていた。


「アー。そりゃデックス様が悪いわ」

「女王様、あんなに泣いて可哀想に。愛されてるなぁ」

「いいから、男ならさっさと抱きしめてやれよ将軍!」


 ヤジのような温かい声援に背中を押され、デックスは赤く腫れた頬を押さえながら、ルダと真っ直ぐに見つめ合った。

 そして、全てを諦めたように優しく微笑むと。


「……ああ。すまなかった、私が間違っていたよ」

 そう言って、ルダの腰を引き寄せ、群衆の目の前で熱いキスを交わしたのだ。

 市民たちから、先ほどの勝利を上回るような冷やかしの大歓声と指笛が鳴り響く。


「…………」

 俺は、無言でその光景を見つめていた。

 隣ではシーナが「わぁっ」と顔を赤らめて両手で顔を覆い(指の隙間からガン見している)、セリーナが「あらあら、お熱いこと」と上品に微笑み、ギデオンが「若いってのは良いのう!」とガハハと笑っていた。


(……俺たちは、戦の後に一体何を見せられているんだろうか)


 俺は深く、深いため息をついた。

(ていうか、三万の軍勢に囲まれて国が滅びかけてた直後なのに、王様も将軍も、お前らハーンの連中も……随分と余裕あるじゃねえかよ!)


 完全に二人の世界に入り込んでしまった新女王と王配を前に、なんとなく口も出せずに、ただ気まずく立ち尽くして待っている俺たちであった。

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