本当に指輪です!?
「ユーミリア、ちょっと右手出せ」
「え?右手?こうですか?」
今日は外界の敵の侵攻がなく平和。
定時退勤の準備をしていたユーミリアは、アーサーに呼び止められて命令される。
命令通り右手を差し出すユーミリア。
そんなユーミリアに、迷いのない手つきで『右手の薬指』を掴むアーサー。
何事?と首を傾げるユーミリアに不敵に笑うアーサーと、隣に立ってニコニコするアルフレッド。
「これをやるよ」
「受け取って、ユーミリアさん」
アルフレッドがポケットから小さな箱を出して、中身を取り出す。
まばゆい輝きを放つリング…そう、指輪だった!
「え、ええ!?本当に買ったんですか!?」
「おう、俺たちの財布からだから安心して受け取れ。これでも魔法少女部の司令官と参謀なんだ、財布の心配は要らねえ。もちろん特注品だ。サイズもぴったりだろ?」
アーサーはユーミリアの右手の薬指に指輪を嵌める。
そして自身の右手の薬指をユーミリアの右手の隣に並べた。
アルフレッドも同じくユーミリアの右手の隣に自分の右手を並べる。
そこにはユーミリアの右手の薬指の指輪と全く同じデザインの指輪が光っていた。
「お揃い!?しかも右手とはいえ薬指!?」
パニックになるユーミリア。
「僕たちの一番の部下である証、そして〝親孝行〟の証ですよ、ユーミリアさん。本当は左手にしたいんですけどね、さすがにそれはもうちょっと関係が進んでからにとっておかないと。ね?」
ね?じゃないが。
「デザインには最新の防衛技術魔法と加護魔法を組み込んであります。僕たちの魔力と常に同調しているので、もしユーミリアさんがピンチになってもすぐに場所もわかるので駆けつけられますよ」
「つまり、お前がどこで何してようが俺たちからは逃げられねぇ。これで他の有象無象への牽制にもなるな。よかったな、変なのに絡まれることも減るぞ」
完全にマーキングじゃないですか!?
最推し二人とお揃いの、右手薬指の指輪。
職場での「一番の部下である証」という建前のもと、独占欲や過保護が120%以上満たされた指輪である。
ユーミリアの限界オタク脳が嬉しさで今にも爆発しそうだ。
「あ、あの、こんなに高価で、しかもお揃いのもの、もらっちゃって本当にいいんですか?」
「良いに決まってるだろ。俺たちがお前に贈りたくて贈ったんだ。文句は聞かねえぞ」
「これからも僕たちの目の届く場所で、安全にたくさん稼いでくださいね。僕たちだけの可愛い魔法少女でいてください」
アルフレッドがユーミリアの髪を一房取って、キスを落とす。
アーサーは満足げにユーミリアの嵌めた指輪を撫でる。
こ、こんなに幸せでいいのか…?
そう思いつつも、真っ赤な顔で推したちを受け入れて幸福に溺れるユーミリアだった。




