上司が家に来る!?
「…というわけで、両親が配信を見て『司令官と参謀がいれば安心だ』とすごく感謝していました!お二人のおかげでいつも心配そうだった両親を、安心させてあげられました!本当にありがとうございます!」
翌朝の防衛省・魔法少女部。
ユーミリアは淹れたてのコーヒーをラピスラズリ兄弟のデスクに置きつつ、昨日の実家での出来事を嬉しそうに報告した。
これで親孝行もバッチリ、職場での信頼関係も完璧。
前世のブラック企業ではあり得なかったホワイトな信頼関係に、ユーミリアはニッコニコだ。
しかし、書類に目を通していたアーサーは…ふっと不敵な笑みを浮かべて顔を上げた。
「へぇ…安心した、か。そりゃあよかった。それで?『いつご挨拶に来てくださるの?』とか言われたんだろ?」
「…な、何故それを!?」
狼狽えるユーミリア。
アルフレッドはそれはもういい笑顔で答える。
「アーカイブのコメント欄ですよ、ユーミリアさん。お母様と思われる方からコメントがあったので」
「そんな!?」
「まあ、大事なうちのエース級のご両親だ。部下の親御さんに挨拶に行くのは、上司としては当然だな。だよなぁ、アルフレッド」
「はい、兄さん。親御さんの安心につながるなら、ユーミリアさんの戦場でのパフォーマンスにもつながるでしょう。近いうちにご挨拶に向かう準備をしましょう」
「ええええええ!?」
ユーミリアの悲鳴が響き渡る。
「ま、待ってください!そんな、挨拶なんて!結婚するわけでもあるまいに!?うちの実家、そんなお構いも出来ませんよ!?」
「おーおー、わかったわかった。それで手土産は何がいい?菓子折りか?」
「なら僕が最高級の和菓子を用意しておきましょう。今週末のシフトを調整して、ユーミリアさんのご実家にお伺いしますね」
ラピスラズリ兄弟は大真面目に行く準備を始めている。
「え、冗談?冗談ですよね!?」
「冗談で俺たちが二人がかりで挨拶に行くかよ。本気でお嬢さんはお守りしますって誓いに行くんだ。お前はうちのエース。お前の稼ぎで我が国は成り立ってる。親公認の〝最高の上司〟、もぎ取ってやるよ」
「楽しみですね、ユーミリアさん。さあ、週末のご挨拶のためにも、今のうちにがっぽり稼ぎたいところですね。頑張りますよ、ユーミリアさん」
アルフレッドがウインクを飛ばす。
(最推しな上官たちが、私の実家にご挨拶する気満々だ…!?お、オフィスラブ、オフィスラブになっちゃうんじゃ…!?いや、なって欲しいくらいだけど…!!!)
ユーミリアは顔を真っ赤にしつつも、出撃命令が出るのをポーカーフェイス(真っ赤)で待機した。




