家族に心配されました
「ユーミリア…魔法少女部って、ニュースで見るけど凄く危ないところでしょう?無理してない?」
実家のリビング。
夕食の席で、母が心配そうに聞いてきた。
父も神妙な面持ちでこちらを見ている。
それもそのはず、中卒で国家公務員になった愛娘が…毎月信じられない額を稼いできて家に「仕送り!」と言い張って渡して来るのだ。
親としては心配だし、気が気でない。
もちろん、ユーミリアの気持ちは嬉しいのだが。
しかしそんなユーミリアは大して気にした風でもなく、笑う。
「ううん、全然!危ないお仕事ではあるけど、上官がしっかりしてるから平気だよ!」
「外界の敵っていうのと戦うんでしょう?嫁入り前の子が怪我でもしたら…」
「本当に大丈夫!よかったら国営の配信見てみて!緊急配信のアーカイブもあるんだよ!」
ユーミリアはスマホを操作して、テレビ画面にアーカイブの映像を映す。
画面に映し出されたのは、巨大な触手がユーミリアに目掛けて飛んでくる瞬間。
両親が「…あ」と声にもならない絶望を見たその時。
『…は?誰の部下に手ぇ出そうとした?タコ野郎』
そこでボスの触手を引きちぎるアーサーの姿。
すかさず上空から無数の刃を降らせるアルフレッドの姿も。
『おい、視聴者ども!これでわかっただろ。このちんちくりんは俺たちの部下だ!俺たちが死なせねえ!』
カメラに向かって言い放つアーサーやその隣のアルフレッドの姿が、大画面に映された。
「…まあ」
母がぽかんとして溢した。
父はちょっと泣きそうだったが、何度も頷いて納得した顔。
「ユーミリア…こんなにしっかりした上官たちに守られてるんだな。これなら…これなら、お父さんも余計なことは言わない。ユーミリアを応援するよ」
「本当に。お母さんも、安心だわ」
画面から溢れ出るラピスラズリ兄弟の溺愛っぷりに、両親も安心した様子。
ほっとした様子の両親にユーミリアも穏やかに笑う。
が、話はそこで終わらない。
「それで、ユーミリア。お二人はいつユーミリアとのお付き合いの報告に来てくださるの?」
「………はい?」
「だってそういう関係なんでしょう?」
「いや違うから!」
慌てて否定するユーミリア。
前世の最推し、今世の最高の上司。
そんな関係には、きっとなれない。
「ええー?こんなに言ってくれてるのよ?もうプロポーズでしょう?」
「違う!本当に違う!」
いつか本当にそんなことになればいい。
でもそうはならないのだ。
だって、部下に手を出すような二人とも思えないし公私は分ける人たちだろう。
…いや、むしろ公私を分けられる人たちだからこそ、チャンスはある?
一瞬浮かんだ希望に、ユーミリアは「いやいやないない」と頭を振った。




