上司がお祝い会してくれました!!!
「ふー、お疲れ様でしたー!」
防衛省・魔法少女部。
ユーミリアは目をキラキラさせて、今日の戦果のデータを見上げる。
「アーサー司令官、アルフレッド参謀、今日投げ銭凄かったですね!それに敵の死骸から剥いだ素材もレア物だったしー…最高ですね!」
ホクホク顔で拳を握るユーミリア。
「これで国も私たちも、今月はほくほくですね!頑張った甲斐がありました!」
満面の笑みのユーミリアに、アーサーが少し笑う。
しかしアーサーにはユーミリアに言っておくことがあった。
「だが、今日はちょっと危なかったぞ」
低い声が、いつもよりさらに低くなる。
いかにも怒ってますと言いたげな声だ。
「あのボスの奇襲、お前じゃ…少しでも反応が遅れてりゃ掠ってた。お前が傷物になったら魔法少女部の損失だ。わかってんのか」
「うっ…すみません。今度こそもっと防御や回避に力を入れてみせます!」
最推しからの「お叱り」にしゅんとなるも、次に生かしてみせると意気込むユーミリア。
そんなユーミリアの頭を優しく撫でるのはアルフレッドだ。
「反省点はありますが、咄嗟にしては上手く反応出来てました。防御姿勢を取れたのも良かったですね。訓練の成果はちゃんと出てるようですよ」
「アルフレッド参謀…!ありがとうございます!」
この兄弟、上手くお互いを「飴と鞭」にして魔法少女たちのやる気を上げるのが本当に得意だ。
「これからはもうちょっと僕たちの指示にも耳を傾けてくださいね」
「は、はい!気をつけます!」
「よし、わかってんならいい」
アーサーもユーミリアの頭を愛おしそうに撫でる。
二人の優しさに、ユーミリアは赤面しつつも嬉しそうだった。
神様、仏様、あるいはなにかしらの上位存在様…私をこの世界に転生させてくれてありがとう…!!!
そんな風にユーミリアが心から祈るにはわけがあった。
煌びやかなシャンデリアが輝く、最高級のレストラン。
ユーミリアは目の前に並ぶ高級な料理たちを前に、目をキラキラさせる。
推しが!
私を!
こんなところに連れてきてくれた!!!
それも他の魔法少女はいない!
特別扱い!!!
そう、今日は魔法少女部の成績(投げ銭)の良さからボーナスが跳ね上がったので「お祝い会」をアーサーとアルフレッドが開いてくれたのだ。
一番頑張ったエース級のユーミリアだけを招いて。
「おい、ユーミリア。もっと食え。お前はちんちくりんなんだから、もっと肉を食わねぇと体がもたないだろ」
アーサーが高級ブランド牛のステーキを、ユーミリアの口に運ぶ。
「あ、ありがとうございます、アーサー司令官!」
「こちらの特製スープもどうぞ。お肌にいいそうですよ」
アルフレッドがスープの器をユーミリアの方へ寄せる。
前世では天涯孤独の限界社畜OLとして、ラピスラズリ兄弟だけを心の支えに苦しい生活を強いられたユーミリア。
それが今世は…かなりのお給金をもらって家族に多額の仕送りまでして、最推しのラピスラズリ兄弟に囲まれて特別扱いされている。
「うぅ…美味しいです、美味し過ぎますっ…」
ふっくらした頬にぎゅうぎゅうに、ステーキを頬張る。
「はは、いい食いっぷりだ。お前を喜ばせるために連れてきたんだからな」
アーサーは満足そうに微笑む。
いつもの獰猛な笑みではなく、優しい微笑みだ。
ユーミリアは一瞬硬直した。
「ラストは僕の選んだデザートですよ。ユーミリアさん、甘いの好きでしょう?」
ここまでされたなら、明日からも頑張れる。
頑張る他ない。
「明日からも、日本の平和を守ります!」
「おう、期待してる」
「でも、まずは怪我をしないのを大前提にしてくださいね」
ユーミリアは今日も今世の幸福を噛み締める。
前世味わえなかった分まで満たされた、今世。
こんなに幸せなら、どんな敵だって粉砕してやる。
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