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新大日本皇国   作者: 茶太郎
21/25

内乱16

仕事が忙しいのと法事もあり遅くなりました。

聴音手は静かなソナー室で耳を澄ませていた。

ここだけではない隣接する発令所も静かにしている。

戦艦にはソナーの類いは搭載されていないが反乱軍側の潜水艦などがいないとは限らない。

警戒しつつ海神の出撃準備を整える。

艦長は作図テーブルに置かれた海図を見ながら時刻を確認する。


「開始まであとどのくらいだ?」


「作戦開始まであと30分です」


副長の言葉に30分かと呟く。

通信機を取りソナー室に繋げる。


「ソナー、発令所。周辺に異変はないか」


『スクリュー、一切聞こえず。静かなものです』


「嵐の前の静けさかもしれん。油断せず聞き逃すな」


『了解』


ソナー室との通信を終え、魚雷室に繋げる。


「魚雷室、発令所。準備はどうか」


『魚雷室。発射管六基全てに酸素魚雷を装填済みです。艦長・・・・本当に撃つのですか』


「最悪の場合は撃つしかない。それがめいれいだ。耐えてほしい」


『わかりました。海神が奪還に成功することを強く祈ります』


通信が切られ、艦長は通信機を元の位置に戻す。

水雷長の気持ちはわからくはなかった。

相手が敵艦なら戦争だからと割りきれるだろうが今の相手は元々こちらの戦艦であり艦内には捕らえられているる乗員もいる。

奪還に失敗すれば乗員ごと艦を沈めなければならない。そのことを考えると同じ気持ちになるだろ。


「どうぞ艦長」


突然テーブルにコーヒーが入ったコップが置かれた。

艦長はコップを取り「ありがとう」とコップを持った知多に言った。


「いえいえ、副長もどうぞ」


「ありがとう。知多さん」


礼を言ってコップを受けとる副長。

どういたしましてと言い残し手が空いている乗員にもコーヒーを配り始める。


「不思議なものですね艦長」


「なにがだ?」


コーヒーを一口飲み副長は続けた。


「私は艦魂なんて単なる迷信とか人の思い込みとかと思っていましたが実際に知多さんを見て本当にいるんだと実感しましたよ」


「あぁ、そうだな。本来艦魂は姿を人には見せないそうだが知多は特別だからな」


そう言いコーヒーを配る知多と受けとる乗員の様子を見る。

乗員らはそれぞれでお礼を言って知多と話していた。

本来艦魂は姿を見せない。が、知多は乗員に対して積極的に姿を見せている。

なんでも「共に戦う仲間に姿を隠すのは失礼だし、乗員は皆家族だから隠す必要なんてない」とのこと。

乗員らとの関係も良く。ストレスが溜まりやすい潜水艦乗りである彼らにとって癒しになってたりする。

因みに手出しは禁止なのが暗黙のルールである。


「それにしても知多のあの格好でコーヒーを配る様子を見てたら昔を思い出すな」


「なんかあったんですか?」


「いやなに、昔と言っても時間的には未来でのことなんだがな若い頃、友人に誘われてメイド喫茶に行ったことがあるだ」


「はぁ・・・」


昔話と聞いて楽しい話なのかと思ったらメイド喫茶の話が始まった。


「その時期間限定で巫女服を改造した特別メイド服でやっていたのが印象的でね。その時いた一人のメイドがある戦艦の一番艦を擬人化した人に似ていて興奮して写真撮りまくったよ」


いい思い出だ。もう二度と行けないのが残念だが・・・。

と悔しそうな顔して手を強く握る艦長を見た副長は艦長から視線を外しコーヒーを飲みながら


「疚しいことはしてないだろうがこの人に知多さんを近づけてはいけないな・・・」


と決めたのであった。

自分が書いといて言うのもなんですがこの艦長大丈夫だろうか・・・・。


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