第二章 八節 巻き込まれたようで
色々と忙しかったので書くことが出来ませんでした。本当にすみません。では、どうぞ。
西城が走るのを止めたのは小さな池と立派な木がある神社だった。
もちろん人ひとりおらず、境内は静まり返っている。
このような神社は聖都市の郊外に数多く存在する。
の介入時に少しでも神々の怒りを鎮めようと無計画に立て続けたのが原因であるのだが、今では聖都市の数少ない観光地になっていたりする。
西城たちは長い石段の途中にある木にもたれかかりながら休息をとっていた。
「はぁ、はぁ、はぁ……二倍、疲れた」
「それは私が重かったってことかな?」
若干、般若顔になりつつあったラインはため息をつくことで気持ちを落ち着かせる。
そんなラインを見た西城は息を整えて謝る。
「悪いな。気を使わせて」
「大丈夫だよ。さっきは幸助が励ましてくれたしね」
立ち上がり月の光を浴びたラインは、木を背にしている西城に微笑みかけた。その姿に見惚れそうになった西城は顔を背ける。
不思議そうな顔になるラインに西城は咳ばらいをして話を進める。
「色々と聞きたいことがある」
「うん。でもその前に言っておくよ。草薙剣が崩壊させたビルでの死者はいない。重傷者や軽傷者はいるけど、死人は出てないよ」
ラインから出た言葉を西城はうまく飲み込むことが出来なかった。
しかし、時間をかけて少しずつかみ砕くことで西城はその言葉を理解した。
死者はいなかった。そのことは西城をとても安堵させる。
だが、西城は同時に疑問を持った。なぜラインが死者がいないとわかるのか、と。西城はその疑問を直接ぶつける。
「えっと、言行録を見たの。」
簡潔な答えだった。圧倒的な情報量の少なさに西城は顔を歪める。
そもそも、ラインが言行録を見ているところなど西城は目にしたこともないのだから当然と言えるだろう。
「いまさらなんだが、言行録ってどこにあるんだ?」
「ほんとにいまさらだね。……抽象的に言うと頭の中?」
「なんで疑問形なんだよ」
説明べたなラインに西城は呆れる。
だが、ラインの話を信じるならば言行録そのものを記憶しているということになる。
果たしてそんなことが可能なのだろうかと西城が思っていると、唸っていたラインがブツブツと呟きだした。
「記憶してるわけじゃないし、イメージ?みたいな。いや、意識の中で見てるのかな?でも、言行録を持ったときに重いって感じるし……どういうこと?」
「わかるか!!」
キョトンとするラインに西城はツッコむ。
細かな情報を渡されても、西城自身が言行録を見るということをしたことがないのだからわかるわけがない。
西城は頭を使う。そして、ラインの呟いたことをもとに勝手に予測した。
「つまり、言行録はお前の意識の中にあって、記憶してるってわけじゃないってことか?」
「そうそう!そんな感じ!!ほぼ感覚的にやってるから説明しにくいんだよね。あ、付け足すと意識の中に図書館みたいのがあって、そこに並べてある言行録を見てるって感じ」
説明できてるじゃないかと西城は思う。
ラインはそんな西城の気持ちなどつゆ知らず、一人で納得している。
西城はため息を吐いて、社殿へと歩き出す。
なぜかテンションが高いラインは鼻歌交じりに西城の後ろを追いかける。
「で、話を戻すが、お前は天宇受売命とどういう関係なんだ?」
ラインの足がピタリと止まる。西城が後ろを振り向くと、ラインは気まずい顔になった。
一度、天宇受売命に聞いて殺されかけた疑問だ。何かあるはずだと西城は予想している。
ラインの態度からその予想は当たっていたようだった。
「し、親友なの。私とウズメは」
「……は?」
一瞬、西城は耳を疑った。ラインは神と親友だと言ったのだ。
世界が滅ぶことや神と戦うことよりもあり得ない話だと西城は思う。
そして、もし仮に天使であるラインと天宇受売命が親友だとしても、なぜあれほど険悪な態度を天宇受売命はとったのか。
ラインを何度も無視をし、話をしたとしても言葉の節々が鋭かった。西城はふと考えてあることを口にする。
「もしかして、ケンカしたとか?」
「ギクッ」
妙な声とともにラインの肩がビクッと揺れた。
それを見てしまった西城は焦りだす。たかだかケンカで死ぬような殺気を出されるなどシャレにならないからだ。
「じょ、冗談だよな?もっと他にあるんだろ?一方的に恨まれてるとか、天使が嫌いとか」
ゆっくりと、本当にゆっくりとラインは目線を逸らした。
西城は脱力する。そして同時に思った。他人のケンカに巻き込まれて死んじゃうかも、と。
これからは週一、二ペースになると思います。……そんな感じにしたいなぁ~
えーともかく、今後ともよろしくお願いします。




