表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最弱ステータスでヘビに転生した俺は、スキル補食と進化をしながら迷宮を攻略する  作者: 迫力くん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
97/195

第097話「継承者候補」

 王座の足元へ刻印が集まっていた。


 なら、先はこっちだ。


 壇を回り込むと、王座の背後じゃなく、足元の奥に細い開口があった。隠し通路という感じじゃない。最初から道として切ってある幅だ。左右に並んでは進めない。ひとつずつ入るための幅しかない。


   ◇ ◇ ◇


 中へ入る。


 王座の間より、さらに静かだった。


 白層みたいな冷たさは薄い。黒玻璃の壁と床に刻印が走っているだけで、余計なものがない。建物の奥というより、仕組みの中に入った感じがする。


 前脚を一歩置く。


 足元の刻印が光った。


 次に後脚を置くと、その光が一枚先へ移る。壁にも細い線が走って、すぐ消える。


 罠じゃない。


 前脚、後脚の順で反応してる。踏み方を見てるのか。


   ◇ ◇ ◇


 もう一歩進む。


 喉の奥がじわっと熱くなる。鱗の下も、一緒にどくんと鳴る。竜威が漏れた時の反応じゃない。もっと内側だ。


 竜因子の方か。


 刻印の光が、前脚、胸、喉の順に上がる。殴るでも押し返すでもなく、進むたびにこっちの反応を見ている。


 ここ、追い返すための場所じゃない。


 俺がこの先へ進めるか、そこで見てる。


   ◇ ◇ ◇


 壁へ鑑定を向ける。


 文字が浮いた。


 ■■継■■/読取不能

 適■■■/読取不能


 継承と、適格か?


 そこまで見えたところで、残りはまた潰れた。


 相変わらず肝心なところは読めない。けど、今のだけでも十分だ。この先は防衛帯の続きじゃない。俺を先へ進ませるかどうか見る場所だ。


   ◇ ◇ ◇


 通路の真ん中まで来たところで、床の光が一段強くなった。


 次の瞬間、空気ごと重くなる。


 四肢が止まる。前脚を持ち上げようとしても遅い。首を上げるのも、さっきまでより鈍い。


 体が急に重い。キツい。


 でも、追い返されない。


 押し戻す圧じゃない。その場で止めて、どこまで耐えるか見ている感じだ。


 前脚を踏ん張る。


 喉の奥がもう一度熱くなる。鱗の下の脈も強くなる。竜因子に、床の刻印が合わせてきている。


 数歩も進まないうちに潰すなら、最初からそうしてる。


 だったら、ここは耐える場所だ。


   ◇ ◇ ◇


 そのまま一歩だけ、前へ出た。


 床の光が喉元まで追いかけてくる。


 もう一歩。


 そこで、重さがすっと引いた。


 通れた。


 王だと認められた感じはない。


 でも、侵入者のまま叩き出されたわけでもない。


 候補扱いくらいには、なったらしい。


   ◇ ◇ ◇


 導路の先は、小さい部屋だった。


 王座の間ほど広くない。けど、静かさはこっちの方が強い。床の刻印は中心へ集まっていて、部屋の奥だけ黒玻璃の色がわずかに違う。


 反響定位を流す。


 その向こうで、どくん、と一つだけ返った。


 生き物の鼓動じゃない。


 でも、何かが脈打ってる。


 たぶん、次はあれだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ