表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最弱ステータスでヘビに転生した俺は、スキル補食と進化をしながら迷宮を攻略する  作者: 迫力くん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

90/140

第090話「幼竜の体」

 ステータスをもう一回見る。


 HP244。MP160。攻撃力120、防御力110、素早さ116、知力112。


 幼竜、伸び方おかしい。


 HPもMPもかなり増えた。攻防も高い。速さまで前より上だ。


 なのに、前脚を一歩出しただけで後脚が遅れる。尾も重い。


 数値は強い。動かす方が全然追いついてない。


   ◇ ◇ ◇


 まず、前脚の爪を黒玻璃に立てる。


 深い。


 前なら壁走りで無理やり引っかけていた角度だ。それが今は、軽く押しただけで止まる。


 そのまま胸を浮かせようとして、力を入れすぎた。体が前へ出すぎて、首が落ちる。


 危ねえ。


 強い。けど、ちょうどいい力加減がまだ分からない。


 冷気も前よりましだった。腹を落としても、前みたいにすぐ動きが鈍らない。


 MPもかなりある。


 魔力を前脚へ薄く流す。まだ余る。


 前なら、ここでだいぶ気を使っていた。


 今は流しても残る。


   ◇ ◇ ◇


 次に、雷纏を薄く乗せる。


 鱗がびりっとまとまった。前みたいに帯電鱗、雷走、短放電を別々に使う感じじゃない。まとめて一枚で乗る。


 そのまま一歩出る。


 速い。


 思ったより速くて、前脚の置き場を通り越した。慌てて爪を立てる。黒玻璃が削れた。


 これはかなりいい。


 ただ、まだ速さに体が負ける。


 続けて、肩から骨の出っ張りへ当たる。竜鱗装甲を意識した瞬間、鱗の下の硬さが揃った。


 前よりぶつかり強い。


 受けた時のずれ方も浅い。


 数値だけじゃない。ちゃんと動きに出てる。


   ◇ ◇ ◇


 空洞の上を見る。


 前から気になっていた場所がある。


 高い黒玻璃の壁。その途中を白金色の骨が斜めに走っていて、その先に細い割れ目が見える。


 前の体じゃ無理だった。


 高さも足場も足りない。腹で這うだけだと、途中でずり落ちる。


 でも今は前脚がある。後脚もある。


 登り方そのものが変わる。


   ◇ ◇ ◇


 前脚を高い位置へ掛ける。


 入った。


 胸を寄せる。後脚で押し上げる。


 そこで一回ずれた。押しが強すぎて、尾が壁にぶつかる。


 まだ下手だ。


 もう一度。


 今度は前脚を先に決めて、後脚を小さく詰める。胸を浮かせたまま、骨の縁を受ける。


 乗った。


 前の体では届かなかった高さまで上がる。


 上から見ると、景色が違った。


 今まで壁の筋にしか見えなかった黒い線が、段差になっている。霜の下の刻印も、通路の縁に沿って並んでいた。


 道だ。


 前は壁にしか見えなかった場所が、今は道に見える。


   ◇ ◇ ◇


 骨の上を慎重に進む。


 黒玻璃の割れ目へ頭を入れる。狭い。けど、肩を先に通して、後脚で押せば抜けられる。


 ここも前なら無理だった。


 腹だけだと引っかかる。今は前脚で引いて、後脚で押せる。


 通れた。


 割れ目の先は、ただの隙間じゃない。


 黒玻璃の床がまっすぐ伸びている。左右の壁には、今までより濃い刻印が残っていた。


 古い通路だ。


 しかも、まだ先へ続いてる。


   ◇ ◇ ◇


 反響定位を流す。


 返り方が細い。長い。途中で折れて、さらに奥へ伸びている。


 その奥から、乾いた圧が流れてきた。


 この圧の流れ、たぶんさらに奥まで続いてる。


 幼竜の数値は、見た目だけじゃなかった。


 前の体で届かなかった場所が、ちゃんと道になる。


 まだ歩くだけでずれる。爪の掛け方も、後脚の押しも雑だ。


 それでも、この体ならさらに奥へ行ける。


 通路の先で、霜の下の刻印がまた一段濃くなった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ