表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最弱ステータスでヘビに転生した俺は、スキル補食と進化をしながら迷宮を攻略する  作者: 迫力くん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

57/139

第057話「暗中」

 2日かけてHPを戻した。食事と自然回復の併用で、反響撃の損傷はほぼ消えた。


 その間にクラックリザードを2体、ストーンワームを1体狩った。反響定位を使った通常の狩り。安全圏での作業だ。


『レベルが上がりました Lv6 → Lv7』


――――――――――――――――――――

種族:沼喰大蛇

Lv:7

HP:104 / MP:34

攻撃力:48 / 防御力:73

素早さ:26 / 知力:27

【スキル】

 捕食継承 Lv1 / 毒牙 Lv3 / 締め付け Lv2

 鱗硬化 Lv2 / 壁走り Lv3 / 振動感知 Lv3

 熱感知 Lv2 / 外殻粉砕 Lv2 / 毒液圧縮 Lv1

 酸耐性 Lv1 / 粘着無効 Lv1 / 毒霧 Lv1

 鱗弾き Lv1 / 急旋回 Lv1 / 嗅覚強化 Lv1

 反響定位 Lv2 / 鑑定 Lv2

次の進化まで:32%

――――――――――――――――――――


 防御力73。攻撃力48。レベルが上がるたびに、この層で戦える余裕が少しずつ広がっている。ロッククローラーにはまだ手が出ないが、クラックリザード級なら安定して狩れるようになった。


 だが、安定した狩りだけでは足りない。あの結晶域の主を倒さなければ、この層の奥には進めない。


   ◇ ◇ ◇


 拠点の亀裂の中で、あの戦闘を整理した。


 クリスタルストーカーの結晶共鳴は、結晶を媒介にして偽の反響像を作る。俺が反響定位を飛ばすたびに、5つに分裂した像のどれが本体か分からなくなる。しかも、音を出すこと自体が俺の位置を教える。


 あの域内で反響定位を使い続けるのは、自分から的になるのと同じだ。


 逆に、反響定位を使わなければどうなる。


 振動感知Lv3。この層では壁面の振動しか拾えない。近距離限定だが、相手が壁面か地面で動いていれば分かる。熱感知Lv2。体温を持つ塊の方角は拾える。距離感は甘い。


 この2つで、結晶域の中を戦えるか。


 反響定位を使わずに狩る。試す価値はある。代償が分からないから、まずは雑魚相手に試す。失敗しても死なない相手で。


   ◇ ◇ ◇


 クラックリザードの反応がある通路に向かった。反響定位を一度だけ使って位置を確認し、そこから先は封印した。


 壁面に張りついて、振動感知だけで進んだ。


 暗い。反響定位がないと、石の通路は音のない闇だ。壁面の微振動と、空気の温度差だけが世界の輪郭を作っている。泥底に戻ったような感覚。あの頃は振動感知が全てだったから、この暗さに慣れていた。今は反響定位に頼りすぎていたと分かる。


 壁面に振動があった。規則的な四肢の移動。クラックリザードの壁走り。距離は———分からない。振動の大きさから、10メートル以内。方角は右前方。


 熱感知を合わせた。右前方に熱源がある。壁面に張りついた体温。あれだ。


 壁走りで接近した。音を出さないように速度を落とす。鱗が壁面を擦る音を最小限にする。


 5メートル。3メートル。熱源が大きくなる。距離が詰まっている。


 ———近い。


 外殻粉砕Lv2を叩き込んだ。


 空振りした。


 壁面に衝撃が走っただけで、手応えがない。熱感知の方角は合っていたが、距離を見誤った。まだ1メートル先にいる。


 クラックリザードが反応した。尾撃が来た。結晶の尾が鱗を叩いた。鱗硬化で受けたが、横から抉るような衝撃。体が壁面からずれた。


 壁走りで体勢を立て直した。反響定位を使いたい衝動を押し殺した。ここで音を出したら、訓練にならない。


 振動感知。クラックリザードが壁面を移動している。逃げているのではなく、距離を取って体勢を整えている。壁走りLv1の足音が壁面を伝わってくる。


 追った。振動の方向に壁走りで寄せる。熱感知の反応が近づく。今度は慎重に距離を測った。振動の強さと熱源の大きさを照合する。


 2メートル。1メートル半。


 尾撃の射程に入った。クラックリザードが尾を振る振動が壁面を伝わった。


 急旋回で横にずれた。尾が壁面を叩く衝撃が、直前まで俺がいた場所を通過した。


 振り終わりの隙に飛び込んだ。頭部がクラックリザードの胴体に触れた。結晶甲の感触。距離ゼロ。ここからなら外さない。


 口を開けて、結晶甲の継ぎ目に毒牙を突き込んだ。甲を砕く必要はない。触れている状態で、甲と甲の間の柔らかい隙間を狙えばいい。


 ———入った。


 毒が回った。クラックリザードの四肢が壁面を掻いた。5秒で爪が滑り始め、7秒で壁面から落ちた。


 食った。


   ◇ ◇ ◇


 拠点に戻りながら、整理した。


 反響定位なしでの戦闘は可能だ。だが精度が大きく落ちる。最初の一撃を外した。距離感が甘い。振動感知と熱感知では、反響定位の3割程度の解像度しか出ない。


 だが、利点もあった。音を出さない分、相手もこちらの正確な位置を掴めない。クラックリザードの尾撃は、振動で俺の大まかな位置を推測して振ってきていた。精度が甘い。


 互いに見えづらい状態。それでいい。


 クリスタルストーカーの結晶共鳴は、こちらが反響定位を使うことが前提の罠だ。反響定位を使わなければ、偽の像は意味を失う。残るのは反響撃Lv2と擬態Lv1。


 反響撃を撃つには、向こうも音を出す必要がある。音を出せば、振動感知で方向が分かる。


 完全な暗闇で、互いに音を出すのを待つ。先に音を出した方が、位置を晒す。


 問題は、結晶域の外に出てくるか分からない点だ。向こうが域内に留まる限り、こちらから仕掛けなければならない。結晶域に入れば、向こうが有利。


 一つ、手がある。


 結晶域の境界で勝負する。域内の端、結晶がまばらになる区間。あそこなら結晶共鳴の偽像は少なくなる。完全にゼロにはならないが、5つが2つか3つに減る。


 境界まで誘い出すには、境界で音を出せばいい。反響定位を1発だけ飛ばす。クリスタルストーカーが俺の位置を捕捉して接近してくる。境界付近まで来たところで反響定位を止め、振動感知と熱感知に切り替える。


 1発の反響定位で相手の位置を掴み、そこから先は暗闘。向こうが反響撃を撃った瞬間に位置が確定する。そこに全力で突っ込む。


 成功すれば一度の接触で仕留められる。失敗すれば、反響撃を至近距離で食らう。


 リスクは高い。だが、結晶域の中で長時間戦えば、じりじりと削られて同じ結果になる。短期決戦の方が生存確率が高い。


 明日、仕掛ける。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ