表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦後処理官(英雄の後始末をしていただけの男)をリストラした王国、なぜか勝利の代償を払う  作者: 鷹宮ロイド


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

78/102

第77話 制度の更新

 北方第六地区事故から、一週間。


 中央危機統括局では、新しい運用案がまとめられていた。


 名称は変わらない。


 優先選択制度。


 だが、中身が少し変わる。


---


 セルディオは、最終案を読み上げた。


「三点追加する」


 室内が静まる。


---


「第一」


 指を一本立てる。


「見送り判断の再確認制度」


 見送り後、

 一定時間内に再評価を義務付ける。


「見送りは終わりではない」


---


「第二」


「余力使用率の公開」


 自治領ごとに、

 余力をどれだけ使ったか。


 全て記録される。


---


「第三」


 セルディオは少し間を置く。


「第三者監査」


 カルドの部門が、正式に制度の中に入る。


 監査は外ではなく、

 制度の一部になる。


---


 ユリスは腕を組んだまま言う。


「制度が重すぎる」


「重くする」


 セルディオは即答する。


---


「軽い制度は逃げ道になる」


 会議室が静まる。


---


 フォルン。


 エマは、新制度案を読みながら言った。


「かなり変わりますね」


「変わりません」


 アレインは穏やかに答える。


---


「制度の名前も、目的も同じです」


「じゃあ何が」


「逃げ道が減った」


---


 北方自治領。


 ノアは、新しい運用書を読んでいた。


 見送り再確認。


 余力公開。


 第三者監査。


 逃げ道は、確かに減った。


---


 だが、奇妙な安心感もある。


 自分だけの判断ではない。


 制度が支える。


---


 南方山岳自治領。


 ライナは、制度改訂を見て小さく頷く。


「少しだけ、大人になった」


---


 中央監査室。


 カルドは、静かに書類を閉じる。


「制度は完成しましたか」


 副監査官が聞く。


 カルドは首を振る。


「制度は完成しません」


---


「なぜです」


「人が使うからです」


---


 中央会議。


 セルディオは最後に言う。


「思想は制度では守れない」


 誰も反論しない。


---


「だが制度は、思想を支える」


---


 フォルンの丘。


 エマが言う。


「少しだけ良くなりましたね」


「はい」


 アレインは頷く。


---


「完璧じゃない」


「完璧にはなりません」


---


 その夜。


 三地域で小規模揺れ。


 再評価。


 限定介入。


 見送り。


 それぞれ迷いながら選ばれる。


---


 世界は、まだ危うい。


 だが、制度は少しだけ重くなった。


 第6部は、

 思想を守る仕組みが、

 ようやく形を持つ地点へと進んだ。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


少しでも続きが気になる、と感じていただけましたら、

ブックマーク や 評価 をお願いします。


応援が励みになります!


これからもどうぞよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ