第99話 次の会議
中央危機統括局・小会議室。
以前よりも、少しだけ若い顔ぶれが揃っている。
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リュカが席に着く。
その向かいに、ミラ。
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他にも数名の若手職員。
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「では、開始」
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簡潔な合図。
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議題は一つ。
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「最近の判断傾向について」
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端末にデータが表示される。
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判断時間:短縮傾向
再評価回数:安定
介入率:適正
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「問題はない」
誰かが言う。
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ミラが補足する。
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「現時点では」
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リュカはデータを見る。
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すべて整っている。
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「……質問いいですか」
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視線が集まる。
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「はい」
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「このまま続ければいいんですか」
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静かな問い。
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少しだけ間が空く。
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ミラが答える。
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「続けるしかない」
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「変える必要は?」
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「出たら変える」
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シンプルな答え。
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リュカは少し考える。
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「制度って、完成しないんですね」
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誰かが小さく笑う。
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「今さら?」
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ミラは真面目に答える。
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「完成したら止まる」
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「止まったら崩れる」
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リュカは頷く。
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理解し始めている。
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制度は完成しない。
だから続く。
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「じゃあ」
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リュカが言う。
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「自分たちは何をするんですか」
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ミラは即答する。
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「維持」
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「維持?」
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「判断を続ける」
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「考え続ける」
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それだけ。
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だが、それが難しい。
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会議が進む。
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細かい調整。
記録の整理。
教育の改善。
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どれも小さい。
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だが必要。
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会議が終わる。
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リュカは席を立つ。
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「……なんか」
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少し考える。
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「普通ですね」
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ミラが少し笑う。
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「それが理想」
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危機管理が特別でない状態。
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それが、この制度の完成に最も近い形。
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リュカは、少しだけ納得する。
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外に出る。
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都市は変わらない。
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だが、その裏では、
判断が続いている。
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特別ではない。
だが、止まらない。
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それが、この世界の形だった。
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