第7話「オモイデ」
太陽が照らす日の下で、黒いスーツを着た女性が都会の街を1人歩く。果穂だ
彼女は歩きながら考え事をしていた
果穂 (あいつ……なんだったんだ……)
彼女は廃墟で覚醒した見先の能力について考えていた。その出所は?手術はいつ受けた?ならばなぜWBCに身を置いていなかった?そんなことを考えながらオシャレなカフェに辿り着き、中に入り窓際の席に座る
果穂「………」
メニューを見ながら食べるパフェを決める。
店員「いらっしゃいませ、ご注文は?」
果穂「…キャラメルスイートメガマンゴーパフェ」
果穂「クリーム多めを」
店員「かしこまりました」
WBC内、見先のいる部屋に移る。
見先「果穂は!果穂に会わせてください!」
上屋「無理」
見先「なんでですか!!」
上屋「あの子は休暇」
上屋「多分甘いもんでも食い行ってんだろ」
見先「甘いもん……」
その時見先は少しホッとした。なぜなら彼女は幼少期、キャラメルが大好きだったからだ。昔と変わらないところがあってとても安心している。
上屋「どうした?嬉しそうだな」
見先「なんでもないです」
上屋「まあ?自称幼馴染と再会したらそりゃ気分もいいわな」
見先「本物の幼馴染です」
見先「…でも……」
上屋「?」
見先「昔の果穂とは少し…いやだいぶ違う………」
上屋「へー」
上屋「昔の果穂ちゃんってどんなだったんだ?」
見先「果穂は…明るくて優しくて…とにかく元気なやつでした」
見先「小学校で孤立してる俺を…見捨てず、むしろ積極的に遊びに誘ってくれた」
見先「本当に嬉しかった」
上屋「今でも好きなんだな、果穂ちゃんのこと」
見先「えっっ!!いや……」
見先「俺はただ……」
見先「"あの頃"が忘れられないだけです……」
上屋「…なるほどな」
上屋「お前ばっか話しててもフェアじゃないもんな」
見先「?」
上屋「俺にも昔は…好きな人がいた」
上屋「すっげぇ綺麗な人だったよ」
上屋「俺のことを心の底から思いやってくれた」
上屋「でも…病には勝てなかったなぁ……」
見先「ウィルスターに…?」
上屋「いやただの癌だよ」
上屋「ウィルスターならよかったよ…それなら恨む相手を見つけられる」
上屋「でも…ただの癌だ」
上屋「何も恨めないのさ」
見先「………」
見先「…よかったです」
上屋「何が?」
見先「上屋さんが…恨む相手を見つけられなくて」
上屋「…?」
見先「あなたが誰かを恨んだら、きっと亡くなったその人は…あの世から上屋さんを見るのが辛くなる」
見先「俺は何かを恨むより、何を思い出すかで生きていきたい」
上屋「………」
上屋「…井村」
見先「はい?」
上屋「見先って呼ぶわ」
見先「え?あぁ…いいですけど………」
上屋「あ、腹減ったろ」
見先「え、はい……」
上屋「何か持ってきてやる」
上屋は廊下へ出て食堂の方へと向かう
上屋(見先…あいつほんとに………)
上屋 (いいやつだな……)
上屋(ウィルスターに悲しみをぶつけるのはやめだ!)
上屋(これからは…君との思い出を糧にするよ)




