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デブだと処刑される世界で、カロリー最強の勇者になった件 ~魔物を喰って強くなるぽっちゃり勇者は、食=幸せを取り戻す~  作者: あきかたりれお
第二章マナフィールド

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第17話甘い契約

ミルフィーつったなこの男。ミルフィーユにモンブランにマカロン。スイーツトリオってとこか。見たところコロネに外傷無し。だが従わねぇなら躊躇いなく傷つけるだろうな


「俺は何をすればいい?」


「物分りが早くて良いデブだ!俺達はとある魔物を追っている。そいつをぶちのめして欲しいのさァ」


「アンタらも相当な手練だろ。自分らでマナフィールドの深部まで来てんだから」


「ミルフィ〜説明〜」


「確かに僕とブランさんの実力なら、マナフィールドのボスも倒せるでしょう。しかし裏ボスがいるのをご存知ですか?」


「裏ボス?」


「その名の通りもう一人のフィールドの主です。体は鋼鉄。それなのに腕は触手のようなうねりを持ち八本も生えている。我々はその魔物をテンタソルジャーと呼んでいます」


「ほう。そいつを俺に倒して欲しいのか?」


「剣の通らない体。予測できない八本腕。恐るべき再生力。間違いなくマナフィールドの真の覇者。それがテンタソルジャーです」


「チート魔物だな。コロネと話をさせてくれ」


「人質の無事確認かぁ?お優しいデブ勇者だなぁ」


コロネの口を塞いでいた布が緩む。


「ぽっちゃり勇者、私は大丈夫だからこんなヤツらの言うことなんて」


「コロネ。美味いんだろうな?」


「え?」


「テンタソルジャーは、美味いんだろうなぁ?!いやそんだけ強い魔物なら間違いなく美味いはずだ!調理できるだろ?コロネ!」


「なーに言っちゃってんだこのデブは……あんな硬ぇ魔物、美味しいわけが――」


「えぇ勿論よ!アンタが仕留めたら、必ず私が美味しく調理してみせる!」


「よっしゃ!んじゃあモンブラン。契約成立だ。俺の拳は高くつくぜ」


「ブランだ!!勘違いすんなァ。テメェは俺様の奴隷だ。対等な契約なんかじゃねぇ。主従関係なこと忘れんじゃねぇぞぉ?」


強面のブランに睨みつけられる。


モンブランはいい。問題はミルフィーユの方だな。俺が裏切れば即座にコロネを殺すだろう。奴のスピードにメタボリックモードの俺が追いつけねぇのはトーゼンだ。今は従うフリするっきゃねぇな。だが今はそれよりも……


「テンタソルジャー……絶対、必ず食ってやるぜ!」


◇◇◇


テンタソルジャーを求め森を歩くこと数時間。


ぐぅぅ


「む、エネルギー切れだ」


「いやテメェずっとユニコーンに跨ってるだけだろうが。つーかつーかよぉどの腹が言ってんだァ?こりゃ基準値アウトだろ?運動した方がいいんじゃねぇの?」


「モンブランもあんまり変わんないだろ?」


「ブランだ!それに俺のは筋肉だ!テメェのくたびれた脂肪と一緒にすんな!!」


「なんにせよ、食わないと始まらないな。コロネ。約束のアレを頼む」


「約束のアレ?なんの事?」


「桜鍋の時間だ」


「桜鍋?またアンタの世界の料理ね」


「あぁ。馬肉をすき焼きベースの鍋で煮込むクソ美味い料理だ」


「馬肉って……アンタまさか」


俺は気づかれぬよう背後からユニコーンに手を伸ばし、首を絞めあげる。


「苦しみはない。俺の骨となり肉となり血となれ……バニク」


ユニコーンは天に召された。


「怖っデブ怖っ。ここまで運んでくれたユニコーンをなんの躊躇いもなく締め落としやがった。太るとサイコパスになんのかよ……」


「ブランさんが言ってた脳みそまで脂肪。あながち間違いじゃ無いかもしれません。でなければこんな酷いこと……」


「恐るべき食に対する執着ですわね。コロネ、貴方本当は脅されているんじゃありませんの?」


「ははー、そうかもね。ま、あれがぽっちゃり勇者なのよ。ぽっちゃり勇者。桜鍋ってのはなんなの?教えなさいよ」


「おぃおぃおぃおぃ。誰が動いてい〜つったァ?勘違いするなってさっきも言ったよなぁ?お前は人質、このデブは奴隷。主従関係だって」


足踏み一つ。ただの足踏みではない。


バキバキィッ


地面にヒビが入るほどの足踏みは俺の怒りを露わにしている。


「俺の飯を邪魔するなら今すぐここで輪切りパイナップルにしてやる……」


「め、飯は……大事だよなぁ」


ブランはデブの食への執着心におののいたのだった。


食うぜ。ユニコーンの桜鍋!











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