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デブだと処刑される世界で、カロリー最強の勇者になった件 ~魔物を喰って強くなるぽっちゃり勇者は、食=幸せを取り戻す~  作者: あきかたりれお
第二章マナフィールド

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第18話テンタソルジャーの洞窟前到着


「ベースは醤油と味噌。そこに脂身の乗った巨大な馬肉を投入。ちなみにユニコーンの肉はそのまま食べると幻覚を見て、最後は高いところから飛び降りてしまうらしいわ」


「恐ろしい肉だな。美味そうだ」


「ついに処理方法も聞いてこなくなったわね。幻覚作用を抑えるためにハバネロを一本加える」


「おぃっ!」


「冗談よ。ただの気付け薬」


グツグツ煮える鍋。次第に良い匂いがし始め俺の腹の虫がうるさい。


「信じられません。奴ら本当にユニコーンを食べる気ですよ」


「おぅ。マカロンの言うこと半信半疑だったが……おぃテメーら。なんでそんな不味いもの食って禁忌を犯すんだ?今俺が通報したら終わるんだぞ」


「俺の飯を邪魔したら殴る」


「わーったわーったからすぐ殴るのヤメロクソデブが!明らかそのだらしねぇ体型も魔物食のせいだっつーのに。頭のおかしい奴らだぜ」


「できましたわよ。ブラン様。ミルフィー様。本日の料理は牡丹肉のリエットでございますの」


「おぉっこれはこれはこれはこれは美味そうだ!」


「これはが多すぎて殺意が湧きました。相変わらずマカロンの料理は美しい。いただきます」


美味そうだがあんなものじゃ腹は膨れんな……あちらも頂きたいとこだが、俺にはバニクを美味しく食べる義務がある。最初の一口が重要だ


「タイガ様。よろしければおひとつどうですの?」


「すまねぇが俺はバニクを美味しく食いたいんだ」


「あら、ぽっちゃり勇者が珍しい。やっと私の料理の良さに気づいて――」


「後で食べるから取っておいてくれ」


お玉で殴られた。解せぬ。


◇◇◇


「うぉーーー!卵に絡まる蕩けた馬肉!すき焼き風の濃い味噌ダレとも相性抜群で馬肉が口の中で蕩けんごごもぐもぐもぐ」


「食うか喋るかどっちかにしなさいよ……あーあ。ユニコーンの肉なんて、罰当たっちゃいそ。ん、美味しい」


「何でだ?人間に幻覚みせる馬だろ?」


「食べたらヤバいってだけで、普段は攻撃性もないわ。寧ろユニコーンの住む森で野営すると幸せな夢が見れると言われてるの」


「マジか。巨大プリンを下から上まで食べてカラメル部分から顔出す夢とかか?」


「うんまぁ……アンタにとってはそうね」


「けしからん。帰りに寄らねぇとだな」


「今しがた食っておいてよく言うわ」


ぐぅぅ〜っ


「なっ、ちょっと、食べながらお腹鳴るってどんだけ食い意地張ってんのよ?」


「あ?俺じゃねぇよ。今馬肉で満たされてんだから」


「じゃあ誰が……」


スイーツトリオに目をやる。目を逸らしたのはブランだ。


「…………食うか?」


「食うわきゃぁあねぇだろ。食ってテメェみてぇなデブに戻ったら、俺はまた……」


「ブラン……お前……」


「肥満取締部隊の更生プログラムを受けたのね。よく生きて帰ってきたわ」


「あぁそうだ。俺ぁ二年前、コイツみたくデブってた。毎日学校でイジメられたもんよ。大人に助けを求めたらそいつらァは俺を罵倒し、通報した。だが結果的にそれは正しかった。俺ぁこの通り、パーフェクトな筋肉を手に入れたのさぁ!」


ブランが力こぶを作る。ここに至るまで相当運動させられたのだろう。


「でも、食いてぇんだろ、馬肉。足りねぇんだろ。その牡丹肉じゃ」


ブランが生唾を飲み込む。


「我慢する方がオカシイぜ。食う=幸せ。何人たりとも、そいつを規制される筋合いはねぇんだからよ」


器に馬肉を盛って、ブランに差し出す。仲良くなるにはまず胃袋からだ。


「馬鹿かてめぇはよォ?受け取らねぇわ、そんなもん。俺はマカロンやミルフィーとは違ぇ。一枚でも口にしたらデブに逆戻りだぁ。体質なんだ、そういうなぁ」


「太りやすい、か。要らんのなら俺が食おうガツガツ」


「アンタね、もう少し容赦ってものを学びなさい」


「好きなものを我慢して己が目指す肉体美を追求。それもいい事だ。食いたきゃ食う。走るなら走る。ブランがどうしようが毛ほども興味はねぇよ」


「押し付ける気は無いって事ね。脂肪みたいに柔らかい男ね、ほんと」


「ただし俺の邪魔しをしたり俺を否定したら殴るけどな。邪魔をするってことは、殴られる覚悟があるってことだ」


「暴論ね……」


◇◇◇


「着いたな。ここが高級食材。テンタソルジャーの住処か」


森の中の洞窟。地下へと続く階段がついており、中からは物々しい気配がする。


「アンタらは外で待ってな。仕留めて連れてきてやる」


「ダメダメダメだぜぇ〜俺たちが着いてかねぇとクリア者として認識されねぇ。だがデブ。てめぇが負け負け負けそうな時ぁトンズラするけどな」


「分かった。よし、いくか。テンタソルジャーを食いに!」


ドン引きしているスイーツトリオを横目に俺は洞窟の中へと足を踏み入れた。

















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