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デブだと処刑される世界で、カロリー最強の勇者になった件 ~魔物を喰って強くなるぽっちゃり勇者は、食=幸せを取り戻す~  作者: あきかたりれお
第二章マナフィールド

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第16話ユニコーンの背に乗って

「ユニコーン!幻獣!馬肉!食う!」


「そこはユニコーンの背中に乗って飛べるなんて!とか、浮かれたりしなさいよ。上まで送って貰っといて食べる気?」


「俺は命を粗末に扱わない派だからな。それで、どうやって捕まえるんだ?まだこっちには気づいてねぇみたいだが」


「ユニコーンは警戒心が高いわ。だから料理で誘き出しましょう」


「ほう。美味いんだろうな?」


「だからアンタのじゃないっつーの。メニューはそうね。きのこのシチューにしましょう。私は野菜調達。ぽっちゃり勇者はキノコを獲ってきて」


「んなもん南国マナフィールドにあんのかよ?」


「ここはユニコーンの生息地帯だから野菜は取り放題よ。キノコはどデカいのが"居るわ"。茶色いやつでお願いね」


「ご都合主義なこった。茶色いデカキノコだな?まかせとけ」


ユニコーンが住まう森へ足を踏み入れてすぐ、キノコの群生地が。


「一面キノコだが小せぇな。茶色いデカキノコは」


ぶにっ


足元に妙な感覚。見れば茶色く柔い物体が地面から生えているではないか。


「これってまさか……」


茶色い物体を掴む。


俺の予想が正しけりゃ、コイツはキノコの――


「傘だ!ふぐぐっ……んぉっ!」


地面からキノコを引っこ抜く。宙を舞う巨大キノコは日光の明るさに目をしょぼつかせる人面キノコ。


「起き抜けに悪ぃな!お目覚めモーニングショットォ!」


落ちてきたところを五発、拳にてタコ殴り。


「そして永遠に眠りやがれ。キノコ野郎」


煙の上がる拳に息を吹きかける。

ビックマッシュを抱え鼻歌混じりにコロネの元へ。


「キノコシチューか〜絶対美味いに決まってるよなぁ。合わせるとしたら米かパンか……パンが食いてぇな。コロネなら作れんだろ」


胸を踊らせ崖下に戻るがそこにコロネの姿は無い。


巨大鍋の中にゴロゴロ野菜……出刃包丁。明らかに料理の途中だ


「コロネ!どこだ?!」


「ここだよ〜ん」


ふざけた声は上からだ。見上げると大空に羽ばたくユニコーンの姿。その背中に黄色いパイナップル頭をした男が乗っていた。


「テ……テメェ」


「ふふ、今更気づいても遅い遅い遅い遅いぃ〜デブは問答無用で俺らに従うしかないんだよぉ〜ん」


「どうしちまったんだよコロネ?!まさか変なパイナップル食ってそんな頭なっちまったのか?!」


「そうこれはパイナップルの食べすぎで〜ってちがーう!!クソクソクソクソデブは脳みそまで脂肪かぁあ?!俺ァブラン様だ!テメェの相棒はここだクソボケが!」


縄で縛られ口を塞がれているコロネ。


「おぅ。お前がコロネを攫ったのか?モンブラン」


「ブラン様だ!!いちいち癇に障る奴だぜ。相棒を返して欲しけりゃここまでおいで〜。ま、お前みたいなデブには無理だろうけどな!」


ブランは高笑いしながら崖上へと舞い上がっていく。縛られているコロネが不安そうな顔で俺を見つめていた。


その背後にもう一人男と、マカロンの姿が――


「あ〜俺の予想が当たりやがったな。奴らマカロンの仲間か。しかし俺じゃなくてコロネを攫った……超パワーの俺が欲しかったんじゃないのか?まさか!」


俺はドスドスと森目掛け走り出す。探すはユニコーンだ。


「奴ら、コロネの美味い飯が目当てだな?!マカロンは相当コロネの料理に惚れ込んでたからな。ちくしょうなんてこった!なんで気づかなかった!あんな、あんな美味い飯……取られてたまるかぁああ!!」


ユニコーン発見。衝動のままに俺は腹に拳を叩きつけた。


「って俺の馬鹿!倒したら意味ねぇってのに!」


ぶん殴ってしまったユニコーンは気絶している。


悪いことしちまったな。


「ブルル……ヒヒ」


小さな鳴き声。振り返ると産まれたての小鹿の如く四足を震わせるユニコーンの姿が。


「おぃユニコーン。俺を背中に乗せてあの崖の上まで行け。礼はこのビックマッシュだ」


「ブルルッ」


左右に首を振るユニコーン。怯えてはいるが敵対心はむき出しのようだ。


「ほぅ?こんなデブは乗せて飛べないと。重たい、そう言いたいんだな?」


「ブヒッ?!ブルルッ?!」


「悪いが俺も急いでいるんだ。お前のせいでコロネの料理を失ったら……」


赫灼に輝く拳を地面に叩きつける。開いた大穴にユニコーンがあんぐり口を開ける。


「ペシャンコの煎餅にして、食ってやる」


◇◇◇


「おぉっ!マジで空飛んでるぜ!すげぇなバニク!」


「ブヒー!」


涙目のユニコーンを叱咤し崖の上へたどり着く。


「おぅおぅおぅおぅ、やっと来たなデブ」


「おぅが多すぎます。舌噛めば良かったですね。あぁ、僕はミルフィーと申します。以後お見知り置きを、おデブさん」


丸太の上で胡座をかいているブランとウルフカットの男、ミルフィー。マカロンも縛られたコロネも勢揃いだ。


「なんだ。わざわざ待ってたのかよ?コロネを返してもらおうか」


「ぷはー!!返すわけねぇーーだろッぶぁががよォ〜テメェはこれから俺らの為に戦うんだぜ?」


「言っても無駄なら殴るのみ。俺の飯を取るやつはぶち飛ばす」


「やってみろみろみろみろォ」


「みろが多すぎてイライラします。この女殺していいですか?」


ミルフィーは素早くナイフをコロネの喉元に。


!……コイツ、速い!


「テメェはよぉ、戦うしか無いんだぜぇクソデブ勇者」


「……」


俺はユニコーンの背中から降り立った。






























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