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異形


大聖堂の頂。


そこには、純白の法衣を返り血で汚したライト=ビダンが、恍惚とした表情で空に君臨していた。


「素晴らしい・・・素晴らしいぞ!絶望、怒り、悲嘆・・・これら最上のマナが、我が主のもとへと!」


ライトは悠然としていた。


しかし、その下では未だ正気を保っていた瀕死の部下が、困惑の表情で問いかけていた。


「ライト様・・・いったい何を・・・なさっているのですか?」


ライトは慈愛に満ちた表情で、その部下の胸を剣で貫いた。


「フンっ・・・見てわからんのかね?救済だよ。醜い民衆どもと、頑迷な騎士団ども、そのどちらにも死という救済を、解放をしてあげているのさ。冥府の神への供物としてな!」


そこへ、切り裂くような声が響いた。


「相変わらずの様子だな・・・アザゼル!」


黒衣を翻すルーだった。


後ろには、剣を構えるリアン、


そして――瞳に不退転の決意を宿したミュリエルの姿があった。


「おや、これはこれは魔王ルシファー閣下。・・・いや、いまはただの『ルー』でしたか」


「ライト! 貴様の化けの皮を剥ぎに来たぞ!」

リアンが咆哮する。


「化けの皮? 心外ですね。私は皆の望む『善人』を演じてあげていただけですよ。彼らが、信じたいものを信じさせてあげた。それは罪ですか?」


「黙れ!」

ミュリエルが一歩前に出る。


「貴様は人の心を弄んだ。それは、魔族が犯すどんな殺戮よりも醜悪な罪だ!」


「ほう・・・もう立ち直ったのですか?流石は騎士団長。心がお強いんですね。・・・ですが、時すでに遅し。もう結界の汚染は完成しました。この聖都リュミエールは、今この時をもって、『冥界の残響』を強化させるための楔となるのです!」

ライトの身体が、泥のように崩れ、中から漆黒の翼をもつ異形の姿が現れる。


―――第4幹部アザゼルが、その姿を現したのだった。


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