精神汚染
数日後・・・
3人は、ライトの犯行現場を押さえようと動いていた。
だが、結果は芳しくない。
ルーが、瘴気のゆらぎを検知しては、その場へと赴く。
だが、そこへたどり着いても、誰もおらず、何もない。
それが繰り返されていた。
「どうする・・・」
不安を隠そうともしないリアン。
「どうもこうもない、こういう時は地道に責めていくしかないんだ」
ルーは改めて冷静にいう。
「お前が言うなら、仕方ないな・・・」
肩を落とすミュリエル
――しかし、それはその夜起こった。
いつものように、臨検を行う3人。
その道中、突然リアンが立ち止まる。
「・・・うぅっ・・・」
「どうした、リアン」
ミュリエルが心配そうに声をかける
「いや、ちょっと胃が重くて・・・体調を崩したみたいだ」
「連日夜まで行動しているからな。疲れが溜まったのやも知れん」
「ちょっと、俺は早めに宿に戻っていいか?」
「ああ」
二人ともうなずく。
通りを後ろへと引き返すリアン。
二人は心配ながらも、ライトを探すために道を進もうとした・・・ところだった。
「うわあぁあぁああ」
突然、リアンの大声がこだまする。
「!!」
二人は道を引き返し、リアンのもとへと急ぐ。
―――そこには、
足から崩れ落ちて跪き、目から大粒の涙を流し、大声をあげて虚空へと手を泳がせるリアンの姿があった。
「ああぁぁぁ!!ピティ!!ピティ!今助けてやるからな!!」
「どうしたリアン!」
ルーがいつになく気を動転させる。
「リアン!そこには誰もいないぞ!」
ミュリエルも続く。
「うわあああぁぁぁ、俺が、俺が・・・手を話すなよ!ピティ!」
リアンの目は異常なほど充血している
「リアン!!」
ミュリエルが手を大きく振りかぶる
「すまん、リアン!」
――パァン!
ミュリエルはリアンの顔を大きく張り手した。
「あああぁぁぁぁぁ・・・・・っっ・・・う・・・・ん・・?」
「正気に戻ったか、リアン」
ルーが心配そうに顔を覗き込む
リアンの目は、いっぱいの涙で溢れている。
「今、そこにピティがいなかったか?」
「ピティ?誰だそれは?」
ミュリエルがまだ心配そうにしている
「ピティ・・・ピティは俺の幼馴染だ」
「・・・例の、ニブルヘイムの墓の主か?」
「ああ・・・ピティが助けを求めていたんだ・・・俺のせいで崖から落ちそうになって・・・」
―――辺りに静けさが戻る
リアンは、いつも明るかった。
確かに、普通と違う「お人よし」だった。
二人はそんなリアンだからこそ、今の状況をみて悟った。
街のマナは、いよいよリアンの精神を汚染させるまで濁ってきている。
平静を装う街ではあったが、その限界はもうすぐそこまで来ているのだった・・・




