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第6話「テラース」

「すみません!すみません!!」


「大丈夫ですよ~。ちょっとまだチカチカしますけど・・・」


ヨールズがテラースに謝っている姿を横目に俺はミナの目を診ていた。


「よし、とりあえず大丈夫そうだな」


「うぇぇ、酷い目にあったよー」

「それにしても女神さまでも目やられちゃうんだね?」


「テラースは神と言われちゃいるが実際体の構造は人と大差ないんだ」


「へぇ~~、じゃあ、食事も摂れたり?」


「できるぞ、結構食べるの好きみたいでな、二人で旅してた時は色んなもの堪能したもんだ」

「と言っても人類が復興始めて間もなかったし、そんなに豪華でもなかったけどな・・・」


「そうですね・・・主にシェルターの備蓄食料がメインでした」


テラースが会話に入ってくる。


「この備蓄食料がまた美味しかったんです!様々な料理を開封するだけで美味しく頂ける・・・最高でした・・・」


「最初に見つけた放棄されてたシェルター群の1基分の備蓄食料喰い尽くしてた時はどうしようかと思ったけどな・・・」


「「え?」」


「あらあら・・・そんなことありましたっけ・・・?」


「テラース様って・・」


「意外と大食漢なんだね・・・」


「食べた食料を即マナにしちまってたから際限なく食べてたんだよな」

「それじゃ人里に出た時危ないから、人体の消化器官を再現して今ではちゃんと満腹感を得られるようになったから食べる量は人並みには落ち着いたんだ」


「なるほど・・・メモメモ」


ヨールズさん、何かメモし始めました。

見なかった事にして続けた。


「さて、そんじゃそろそろテラース、ご退場といきますか」


「えー?もう?」


「テラースにはちょっとお願いをしていてな」


「そうなんですか?」


かなり残念そうにヨールズが言う。


「えぇ、この国の西に建っている軌道エレベーターの復旧作業をしておりまして・・・」


「「軌道エレベーター??」」


「西に天まで伸びてる塔あるだろ?あれの事さ」


「え?テラースさんそこにいたの?!」


驚くのも無理もない。現在あそこは人類未到達の土地とされているからな。


「今の復旧率はどのくらいだ?」


「そうですね・・・0.96%程でしょうか・・」


「割と進んだな?」


「えぇ、頑張りましたとも!」


また自慢げに胸を張った。ヨールズとミナがその張った胸を見て感嘆の声を上げてる。

・・・とりあえず!


「引き続き宜しく頼むな!」


「わかりました。また何かあればいつでもお呼びくださいね?」

「一人作業だとたまに退屈なので・・・」


「あぁ、今日はありがとうな!」


「ヨールズさん、ミナさん、また会いましょうね!」


そう言い手を振りながらテラースは転移してった。


「夢ではないですよね・・・?」


「・・・痛い、夢じゃないね・・・」


ミナが頬をつねってる。

まぁ、無理もないか。


「意外と気さくで、人間味があるというか・・・」


「全然神様っぽくなかったね?」


「あははは、本人もそれには笑って同意するだろうな!」

「私は神様じゃありませんよ~ってね」

「そもそも俺らはテラース教の立ち上げには関わってないしね」


「?!?!」


「え?それ聞いて大丈夫なやつ?」


「どうせ誰も信じないだろう?テラース様に会いました!なんて」


「そうだろうけど、ここに一応信徒いるじゃん?」


「あ・・・」


ヨールズを見ると顔面が青くなったり白くなったり・・・目もぐるぐるしてらっしゃる・・・


「私・・・もう聖女に戻れないかも・・・」


「なんか・・・すまん・・・」


「じゃあ、今広まってるテラース教ってなんなの?」


「恐らくだが、俺とテラースが一緒に旅してた頃、各地の復興の手助けをしてる際にテラース自身がこの星そのものだと知った人々が神格化して興したんじゃないかな?」

「復興キャンプを離れる際に結構拝まれてたからなぁ・・・」


「成程ね~」


「俺も教義を一通り見たけど、問題なかった・・・むしろ広まってほしいまであるな」


「じゃあ、私も今まで通り・・?」


「うん、聖女として生きてもいいし、別の生き方もある」

「それを決めるのはヨールズ自身だ。教義にもあったろ?」


「はい、生き方は自由であり、何もかも教えの通りにしなくて良いと」


「そういうこった」


そう、俺はサムズアップして応えた。


「あ、そうだ!」


いきなりミナが声を上げる


「どした?」


「なんか違和感あると思ってたんだけど、なんでヨールズ呼びなの?」


「え?」


「いや、いつもだったらヨルちゃん、ヨールズは長いからヨルって呼ばせてたよね?」


「あ、それなんだけど、なかなか言うタイミングが見つからなくて・・・」


「なんだ、そうだったのか、じゃあ俺もヨルって呼んでいい?」


「マナトさんが嫌じゃなければお願いします。私もそっちの方が呼び慣れてますから」


「よし、じゃぁ、そうさせてもらおう。改めて宜しくな、ヨル?」


「はい!」


嬉しそうな笑顔を浮かべながら元気よく答えるヨルさんでした。

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