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最終話-中編

*二日後*


「本日より宮廷研究員として配属されました。ハリソン・ハートウェルと申します」

「……モニカと申します」


と茶色とピンクの頭がこちらに下がった。



「今年の初期採用は以上です、陛下」


にこっとナディアが締めくくる。

彼女が連れてきたのは、新しく配属されてくる研究員。城に出入りをするものには、一度こうして会う機会を設けている。


一人はふわふわした茶髪の少年で白衣がよく似合う。もう一人はピンク色の髪が何よりも目を引き、ウサギのような真っ赤な瞳には、あまり感情が籠っていない。


耳は丸耳だがおそらく__


「モニカはエインセルの混血です」


ナディアがさらっと推測の結果を口にした。


「今は戦争が終わり、世界の仕組みを正す……いや、新しいことをする良い機会だ。君たちの成果を期待してるぞ」

「ご期待に添えるよう全力を尽くします」

「……ます」


 

ちょうど移動する時間のため、ウィリアムは彼らと共に謁見の間を出ると、遠くの視界に金髪が入った。

すると目の前の少年が声を張って手を挙げた。



「クロエさん!」

「あ!ハリー」


彼女が応えたそれはおそらくハリソンの愛称。実に仲が良さそうだ。

他二人も交えて談笑していたら、ウィリアムを視界にとらえたのか逃げるようにクロエは去ろうとした。



そんな10m離れた彼女にウィリアムは声を張り上げる。いつまでもこのままでいいはずがない。



「クロエ!!用がある。顔貸せ!」

「後にしてください!」



(この野郎……そっちがその気なら…)



「『国王勅命』!!止まらなければ、減給するぞ!!」

「っ…はぁ!?」



最終奥義をかましてやると、クロエの足がピタリと止まった。

そのままスタスタと近づいて肩を掴んでこちらに向かせた。力を入れすぎたのか彼女が一瞬顔を歪めたが、悪いが見なかったことにする。



「なんで逃げる?」

「逃げてないわよ」

「じゃあ、顔貸せ」



とウィリアムはクロエを引っ張って執務室に入った。



「陛下、すごい剣幕…」

「大丈夫よ~二人ともまだ子供みたいなものだし。そろそろ風物詩も終盤かしら」


ポツリと言ったモニカの頭をナディアが撫でた。


「クロエさんのケンカって……」

「あら、やっぱりケンカなの?それで少しだけ倍率が下がったのね」

「ナディア…なんの話?」


腕を組んで考え込んだナディアの袖を、モニカがクイッと引っ張る。


「宮廷内の一大イベントの『賭け事』よ」


とナディアは二人に向かってウインクをした。

次回の更新で最終回です。よろしくお願いします。

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