表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/48

9話 梅雨の誤解(中編)

 梅雨の誤解(中編)


「ここ?じゃ、ポストは、あ、あった。」

「あ、だめ。」

慌ててオレは安藤を止めた。

「え?なんで?」

「ポストなんて、へたすりゃ、一週間もあけない奴だぞ。ほら。」

ポストをあけて見せると、本当にぎっちりと広告やら、手紙などがいっぱい入っていた。本当に、下手すると、一週間は出ていないようだ。

「え、勝手に開けちゃまずいでしょ。」

「いいんだ。直接渡したほうがいいよ。こっちだよ。」

オレが階段を上ると、安藤もついてきた。

「え?知り合いなの?」

「まぁ、幼馴染みたいなもんだ。春男―。」

ドアを勝手に開けると、オレはぎょっとした。足が見える。足だけ。ん?よく見ると、わかった。普段は椅子に座っている春男が、ソファの上で横になっているせいだった。

「上がるぞ!さ、どうぞ。」

「あ、あの、おじゃまします。」

その声に春男もむっくりと起き上がった。

「お前、この部屋寒いぞ。除湿のしすぎだ。」

オレはそのまま除湿を止めた。

「そうかね?ずっとここにいると、やっぱりね。で、こちらは?」

「あ、あの!私、安藤といいます。実は、井上 真琴のことできました。これ!」

安藤は手紙を差し出した。

「ん?また手紙?」

「お前、いつから手紙のやり取りなんかしていたんだ?」

「んー、最近?」

春男ははさみを探し回っている。その間に、オレは上着をかけて、台所に立った。

「お茶でいい?」

「え?私?でも。」

「あー、いいから、どうぞ。」

オレは自分の家でもないのに、勝手にお茶を出した。春男は熱心に手紙を読んでいる。やがて。

「あー、そーか。どうりで。」と、納得していた。

「なんだ?」

「いや、前回の手紙がさぁ。これで。僕、ちょっと落ちこんでいたよ。最初から、こんな手紙なら気にしないんだけどねぇ。」

「なに!?」

春男がおちこんだ?慌てて、春男の差し出した手紙を見ると、手紙は黒かった。いや、紙がという訳ではなく、鉛筆でこすると出てくる文字だったのか、こすってあるのだ。しかし、文字も、バカ、つまらない、ドあほ、などなど暴言に近い……。

「なんだ、これ?」

「あ、あの、それは、真琴ちゃんのストレス解消方なんです。」

「ストレス解消?」

「そう。でも、書いた紙の下に、レターセットがあって、間違えて、入れちゃったって。あ、あの、それで、彼女も今日来るはずだったんですけど、風邪をこじらせてしまって。」

「あー、風邪は気をつけたほうがいいよ、下手すると、入院するからね。ところで、洋介と知り合いなの?」さすがに、自分が風邪で入院しただけのことはある。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ