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この人生、採点中  作者: 夜凪 灯
第一章 『あなたは、あなたを何点にしますか』

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57/118

Review57 支える側

 翌朝。


 午前七時五十一分。


 高瀬は。


 職員室。


 入って。


 すぐ。


 藤原を。


 探した。


「……」


 いない。


 珍しい。


 藤原は。


 大体。


 高瀬より。


 先。


 もしくは。


 同じくらい。


「遅刻?」


「誰が」


「うわっ!」


 後ろ。


 藤原。


 紙袋。


 持っている。


「何で」


「今日も」


「後ろから!」


「普通に」


「歩いてきました」


「最近」


「みんな」


「気配」


「消しすぎ」


「高瀬先生が」


「周り」


「見てなさすぎ」


「……」


「それ」


「反論」


「難しい」


 藤原。


 少し。


 笑う。


「何」


「持ってる」


「パン」


「朝?」


「はい」


「食べてない?」


「今から」


「……」


 高瀬。


 少し。


 止まる。


「珍しい」


「何が」


「藤原」


「朝」


「ちゃんとしてそう」


「偏見」


「……」


「真壁にも」


「昨日」


「食べ物で」


「偏見」


「言われた」


「学んでください」


「はい」


◇


 藤原。


 席。


 座る。


 パン。


 出す。


「高瀬先生」


「何」


「見すぎ」


「いや」


「何パン」


「気になる」


「クリームパン」


「……」


 高瀬。


「何」


「いや」


「めっちゃ」


「普通」


「普通で」


「悪い?」


「昨日から」


「普通」


「好き」


「じゃあ」


「いいじゃないですか」


「……」


 高瀬。


 少し。


 笑う。


「藤原」


「はい」


「Review0」


「今日」


「何したい」


「書いた?」


「……」


 藤原。


 パン。


 一口。


 食べる。


「まだ」


「珍しい」


「何で」


「藤原」


「すぐ」


「決めそう」


「……」


 藤原。


 少し。


 目。


 細くなる。


「高瀬先生」


「何」


「私のこと」


「結構」


「決めつけてますよね」


「……」


 高瀬。


 止まる。


「今」


「刺した?」


「少し」


「……」


「ごめん」


「謝るの」


「早い」


「最近」


「俺」


「謝りすぎ?」


「少し」


「……」


「それも」


「決めつけ?」


「今のは」


「感想」


「難しい!」


◇


 午前九時二十四分。


 授業。


 藤原。


 黒板。


 前。


 生徒。


 話す。


「じゃあ」


「ここ」


「分かる人」


「……」


 手。


 三人。


 上がる。


「はい」


 一人。


 答える。


「違う」


「でも」


「考え方」


「近い」


 少し。


 笑う。


「もう一回」


「やってみよう」


 高瀬。


 廊下。


 通りすがり。


 少し。


 見る。


 藤原。


 授業。


 上手い。


 落ち着いてる。


 生徒。


 聞いてる。


「……」


 高瀬。


 少し。


 立ち止まる。


「高瀬先生」


「……」


 真壁。


 後ろ。


「また」


「見てる」


「うわっ!」


「本当に」


「最近」


「驚きすぎ」


「何で」


「みんな」


「後ろから」


「来るの」


「廊下」


「狭いから」


「……」


「確かに」


 真壁。


 藤原の。


 授業。


 見る。


「上手い」


「うん」


「……」


 高瀬。


 少し。


 考える。


「俺」


「藤原」


「ずっと」


「頼ってる」


「今さら」


「……」


「真壁」


「何」


「それ」


「今さらって」


「ひどくない?」


「事実」


「……」


「はい」


◇


 授業後。


 高瀬。


 藤原。


 廊下。


「藤原」


「はい」


「授業」


「上手い」


「……」


 藤原。


 少し。


 眉。


 上がる。


「何ですか」


「急に」


「いや」


「普通に」


「思った」


「……」


「ありがとうございます」


「全部?」


「何が」


「いや」


「いつも」


「半分」


「言われるから」


「今日は」


「全部」


「……」


 高瀬。


「よし」


「でも」


「何」


「今」


「褒めたあと」


「何か」


「頼もうとしてる?」


「……」


 高瀬。


 完全に。


 止まる。


「バレた?」


「顔」


「……」


「もう!」


 藤原。


 少し。


 笑う。


「何」


「頼むつもりだったんですか」


「今日」


「放課後」


「みんな」


「少し」


「集めようかなって」


「……」


「また」


「うん」


「で」


「藤原」


「まとめ役」


「……」


 藤原。


 一瞬。


 止まる。


「やっぱり」


「……」


 高瀬。


「何」


「私」


「まとめ役」


「ですよね」


「……」


「悪い?」


「悪くない」


「……」


「でも」


 藤原。


 少し。


 笑顔。


 薄くなる。


「何」


「いつも」


「それ」


「私」


「やる」


「……」


「確かに」


「高瀬先生」


「暴走」


「真壁先生」


「未来」


「佐伯先生」


「ケア」


「篠宮さん」


「空気」


「白石くん」


「ナオ」


「……」


「私は」


「整理」


「……」


 高瀬。


 胸。


 少し。


 ざわつく。


「嫌だった?」


「……」


 藤原。


 すぐ。


 答えない。


「分からない」


「……」


「でも」


「今日」


「少し」


「嫌でした」


「……」


 高瀬。


 顔。


 変わる。


「ごめ」


「だから」


「すぐ」


「謝らない」


「……」


「はい」


◇


 昼。


 職員室。


 藤原。


 Review0。



『今日は、


何したい?』



「……」


 ずっと。


 未回答。


 指。


 止まる。


 高瀬。


 隣。


 昼飯。


 食べてる。


 今日は。


 ちゃんと。


「何」


 藤原。


「見てる」


「いや」


「今日は」


「普通に」


「食べてるなって」


「昨日も」


「食べました」


「二日連続」


「褒める?」


「褒めません」


「厳しい!」


 藤原。


 少し。


 笑う。


 でも。


 また。


 Review0。


 見る。


「藤原」


「はい」


「まだ」


「決まらない?」


「……」


「何したい」


「……」


「うん」


「……」


 藤原。


 少し。


 目。


 伏せる。


「何したいんでしょうね」


「……」


 高瀬。


 箸。


 止める。


「それ」


「俺に」


「聞いてる?」


「違います」


「独り言」


「……」


「じゃあ」


「聞かない」


「……」


 藤原。


 少し。


 高瀬を見る。


「本当に」


「聞かないんですね」


「最近」


「それ」


「多いな!」


「でも」


 一度。


 高瀬。


 少し。


 真面目。


「藤原が」


「言うなら」


「聞く」


「……」


 藤原。


 少し。


 笑う。


「みんな」


「同じこと」


「言うように」


「なりましたね」


「誰の」


「影響」


「高瀬先生」


「……」


「ちょっと」


「嬉しい」


「調子乗らない」


「はい」


◇


 午後二時十二分。


 保健室。


 藤原。


 椅子。


 座っている。


「珍しい」


 佐伯。


「何が」


「藤原先生」


「来るの」


「……」


「寝に?」


「篠宮さんじゃ」


「ないです」


「最近」


「それ」


「定番」


「はい」


 佐伯。


 少し。


 笑う。


「どうしました」


「……」


 藤原。


 少し。


 黙る。


「何したいか」


「分からない」


「……」


 佐伯。


 すぐ。


 何も。


 言わない。


「Review0?」


「はい」


「……」


「今日」


「ずっと」


「考えてる」


「……」


「授業」


「したい」


「仕事」


「したい」


「……」


「でも」


「そういう」


「予定じゃなく」


「……」


「自分が」


「何したいか」


「……」


「分からない」


 佐伯。


 ゆっくり。


 椅子。


 座る。


「藤原先生」


「はい」


「いつも」


「何を」


「優先してます?」


「……」


 藤原。


 少し。


 考える。


「必要なこと」


「……」


「誰にとって」


「……」


 藤原。


 止まる。


「その場」


「……」


「じゃあ」


「自分にとって」


「必要なこと」


「……」


 長い。


 沈黙。


「後」


「……」


 佐伯。


 少し。


 目。


 細くなる。


「いつも?」


「多分」


「……」


「高瀬先生」


「危ない」


「止める」


「……」


「真壁先生」


「未来」


「怖い」


「見る」


「……」


「篠宮さん」


「不安」


「聞く」


「……」


「ナオ」


「揺れる」


「支える」


「……」


「白石くん」


「ナオ」


「……」


 藤原。


 少し。


 苦笑。


「みんな」


「何か」


「ある」


「……」


「私は」


「そこ」


「整える」


「……」


 佐伯。


「それ」


「疲れない?」


「……」


 藤原。


 少し。


 笑う。


「今」


「初めて」


「聞かれた」


「……」


「疲れます」


 その一言。


 出た瞬間。


 藤原。


 少し。


 目。


 潤む。


「……」


 自分でも。


 驚く。


「何で」


「泣きそう」


「……」


 佐伯。


 ティッシュ。


 そっと。


 置く。


「泣いても」


「いいです」


「……」


「そこ」


「優しい」


「仕事なので」


「……」


 藤原。


 少し。


 笑う。


 涙。


 少し。


 落ちる。


◇


「私」


 藤原。


「別に」


「誰かに」


「無理やり」


「やらされてない」


「……」


「自分で」


「やってる」


「……」


「高瀬先生」


「止めたいから」


「止める」


「……」


「真壁先生」


「心配だから」


「見る」


「……」


「でも」


 一度。


 息。


 吸う。


「それが」


「私」


「全部」


「みたいに」


「なってた」


「……」


 佐伯。


「嫌?」


「……」


「少し」


「……」


「じゃあ」


「何したい」


 藤原。


 また。


 止まる。


「……」


「分からない」


「うん」


「でも」


 佐伯。


「今」


「一個」


「言えた」


「何」


「疲れた」


「……」


 藤原。


 少し。


 笑う。


「それ」


「したいこと」


「じゃない」


「でも」


「今の自分」


「……」


「Review0」


「それでも」


「いいんじゃない」


「……」


 藤原。


 スマートフォン。


 見る。


◇


 入力。



『今日は、


少し疲れた。』



 止まる。



『何をしたいかは、


まだ分からない。』



 送信。


 数秒。



『そっか。』



「……」


 藤原。


 少し。


 笑う。


「本当に」


「それだけ」


「それが」


「いいんですよね」


「……」


 佐伯。


 少し。


 笑う。


「はい」


◇


 午後四時三十七分。


 音楽室。


 結良。


 ピアノ。


 今日は。


 弾かず。


 鍵盤。


 前。


 座ってる。


「何してる」


 藤原。


「……」


 結良。


 振り返る。


「座ってる」


「弾かない?」


「今」


「弾きたくない」


「……」


「それ」


「いいね」


「……」


 結良。


 少し。


 藤原を見る。


「藤原先生」


「何」


「今日」


「疲れてる?」


「……」


 藤原。


 少し。


 笑う。


「顔?」


「違う」


「何となく」


「……」


「みんな」


「何となく」


「当てる」


「高瀬先生の」


「周り」


「それ」


「流行ってる」


「……」


 結良。


 少し。


 笑う。


「疲れてる」


「……」


「珍しい」


「私も」


「疲れます」


「いや」


「そうじゃなく」


「藤原先生」


「言うの」


「珍しい」


「……」


 藤原。


 少し。


 目。


 細くなる。


「そうかも」


「……」


「私」


「藤原先生」


「何でも」


「大丈夫な人」


「って」


「思ってた」


「……」


「大丈夫じゃ」


「ない日も」


「あります」


「……」


 結良。


 少し。


 目。


 伏せる。


「ごめん」


「何で」


「勝手に」


「決めてた」


「……」


 藤原。


「それ」


「今日」


「高瀬先生も」


「似たようなこと」


「言ってた」


「……」


 結良。


「先生」


「また」


「やらかした?」


「少し」


「やっぱり」


 少し。


 笑う。


◇


「藤原先生」


「何」


「私」


「Review0」


「作った人」


「……」


「でも」


「最近」


「私」


「ずっと」


「自分のこと」


「ばっか」


「話してる」


「……」


「それ」


「悪い?」


「違う」


「……」


「前」


「私」


「周りに」


「助けてもらってる」


「……」


「だから」


「藤原先生も」


「別に」


「支える側」


「やらなくて」


「よくない?」


「……」


 藤原。


 完全に。


 止まる。


「支える側」


「うん」


「先生」


「いつも」


「そっち」


「……」


「何か」


「崩れそうな時」


「藤原先生」


「いると」


「安心する」


「……」


「でも」


「それ」


「藤原先生が」


「ずっと」


「やること?」


「……」


 藤原。


 言葉。


 出ない。


「私」


「今日」


「ピアノ」


「弾きたくないから」


「弾いてない」


「……」


「藤原先生も」


「支えたくない時」


「支えなくて」


「いいんじゃない」


「……」


「それ」


「怖い」


「何が」


「私が」


「やらなかったら」


「誰か」


「困る」


「……」


 結良。


 少し。


 考える。


「困るかも」


「……」


「でも」


「その人」


「自分で」


「何とかするかも」


「……」


「誰か」


「他の人」


「やるかも」


「……」


「それでも」


「無理なら」


「助けて」


「って」


「言うかも」


「……」


 藤原。


 胸。


 少し。


 痛い。


「任せる?」


「うん」


「……」


「高瀬先生」


「最近」


「やってる」


「先生に」


「できるなら」


「私にも」


「できる?」


「……」


 結良。


 吹き出す。


「それ」


「先生に」


「聞かせたい」


「絶対」


「喜ぶ」


「だから」


「言わない」


「真壁先生と」


「同じ!」


◇


 午後五時十五分。


 高瀬。


 空き教室。


 一人。


「……」


 時計。


 見る。


「今日」


「みんな」


「集めない」


 昨日。


 思った。


 藤原。


 まとめ役。


 当たり前。


 みたいに。


 置いていた。


「……」


 スマートフォン。


 藤原。


 メッセージ。


 送る。



『今日、集まるのやめる』



 返事。


 すぐ。



『何で?』



 高瀬。


 少し。


 考える.



『俺が


集めたいから


集めるの、


最近多かった』



 少し.



『今日は


みんな


それぞれでいいかなって』



 送る。


 既読。


 少し。


 返事.



『分かりました。』



 高瀬。


 少し。


 笑う.


『藤原』



『はい』



『今日』



 一度.


『何かしたいことある?』



 送る.


 長い.


 既読.


 返事.


 来ない.


「……」


 高瀬.


 待つ.


 一分.


 三分.


 五分.


 前なら.


 追撃.


『大丈夫?』


『何かあった?』


 送ってた.


 でも.


 待つ.


 七分.


 返事.



『あります。』



 高瀬.


 少し.


 目.


 大きくなる.



『何』



 送る.


 返事.



『今日は』



『一人で』



『帰りたい。』



「……」


 高瀬.


 一瞬.


 胸.


 ざわつく.


 一人.


 大丈夫?


 何か.


 ある?


 送迎?


 話す?


 でも.


 一度.


 指.


 止める.



『分かった』



 送る.


 少し.


 考える.


 追加.



『気をつけて』



 返事.



『はい。』



 そして.


 少し.



『高瀬先生』



『何』



『ありがとう。』



「……"


 高瀬.


 少し.


 笑う.



『何が』



 返事.



『一人で帰りたいって』



『言わせてくれて。』



「……」


 高瀬.


 画面.


 見つめる.


 少し.


 胸.


 痛い.


 今まで.


 それすら.


 言わせてなかった?


◇


 夕方。


 午後五時四十九分。


 藤原。


 一人。


 学校。


 出る。


 鞄。


 肩。


 夕方。


 風。


 少し。


 涼しい。


「……」


 誰も。


 いない。


 横。


 高瀬。


 いない。


 真壁。


 いない。


 結良。


 いない。


 今日は。


 一人。


 少し。


 寂しい。


 でも。


 楽。


「……」


 藤原。


 駅。


 向かう。


 途中。


 コンビニ。


 前。


 止まる。


「……」


 何か。


 食べたい?


 朝。


 クリームパン。


 昼。


 普通。


 夜。


「アイス」


 小さく。


 言う。


 自分でも。


 少し.


 笑う.


「何」


「私」


 コンビニ.


 入る.


 アイス.


 選ぶ.


 五分.


 迷う.


「……」


 こんなことで.


 五分.


 使う.


 珍しい.


 いつも.


 必要なもの.


 すぐ.


 取る.


 でも.


 今日は.


 食べたいもの.


 選ぶ.


「これ」


 チョコ.


 買う.


◇


 ベンチ.


 一人.


 アイス.


 開ける.


「……」


 一口.


「おいしい」


 誰にも.


 言わない.


 写真.


 撮らない.


 共有.


 しない.


 ただ.


 食べる.


 夕方.


 空.


 少し.


 赤い.


「……」


 藤原.


 ぼーっと.


 見る.


 五分.


 十分.


 何も.


 起きない.


 SYSTEM.


 来ない.


 Review69.


 来ない.


 高瀬から.


 連絡.


 来ない.


「……」


 少し.


 笑う.


「本当に」


「何も」


「しないんだ」


 高瀬.


 今日.


 一人で.


 帰る.


 と言った.


 それを.


 そのまま.


 受け取った.


 藤原.


 胸.


 少し.


 温かい.


「任せた?」


 小さく.


 言う.


 たぶん.


 そう.


◇


 その時.


 Review0.



『今日の自分を、


自分でどう思う?』



「……」


 藤原.


 入力.



『疲れた。』



 少し.



『今日は


誰かを


まとめなかった。』



 止まる.



『高瀬先生を


止めなかった。』



『真壁先生のことを


心配したけど


見に行かなかった。』



 少し.



『一人で帰った。』



『アイスを買った。』



 画面.


 見る.


 なんだこれ.


 本当に.


 普通.


 でも.


 続ける.



『少し


寂しかった。』



『でも


楽だった。』



 一度.



『たぶん


今日は


これでよかった。』



 送信.


 数秒.



『うん。』



 No.18?


 Review0.


 そして.



『藤原先生。』



「……」


 藤原.


 少し.


 身構える.



『何』



 返事.



『昔も』



『あなたは』



『ずっと』



『人のことばかり』



『見てた。』



「……」


 藤原.


 目.


 少し.


 細くなる.



『私のことも?』



 長い.


 返事.



『うん。』



『でも』



『私』



『藤原先生が』



『自分の話をしたの』



『ほとんど』



『覚えてない。』



「……」


 藤原.


 胸.


 少し.


 痛い.



『私


昔も


そんな感じ?』



『うん。』



『嫌だった?』



 少し.


 返事.



『嫌じゃない。』



『優しかった。』



「……」


 次.



『でも』



『少し』



『寂しかった。』



「……"


 藤原.


 息.


 止まる.



『何で』



 返事.



『私のことは』



『いっぱい知ってくれたのに』



『私は』



『藤原先生のこと』



『全然知らなかったから。』



「……」


 藤原.


 画面.


 見つめる.


 高瀬.


 真壁.


 結良.


 ナオ.


 白石.


 佐伯.


 二人の桐谷.


 沙耶.


 自分.


 みんな.


 藤原を.


 どれくらい.


 知ってる?


 自分が.


 みんなを.


 知ってる量と.


 比べたら.


「……」


 少ない.


◇


『No.18』



『何』



『私』



『何したいか』



『まだ分からない』



 送る.


 返事.



『うん。』



『でも』



 藤原.


 続ける.



『支える側


じゃなくても


いい?』



 既読.


 少し.



『いいよ。』



 短い.


 返事.


 藤原.


 目.


 少し.


 潤む.


『誰か


困るかも』



『困るかもね。』



「……"



『それでも?』



 返事.



『それでも。』



『みんな』



『藤原先生がいないと』



『何もできない人じゃないよ。』



「……」


 胸.


 強く.


 鳴る.


 そう.


 思っていた?


 自分が.


 いないと.


 まとまらない.


 高瀬.


 暴走する.


 真壁.


 抱える.


 結良.


 無理する.


 でも.


 それって.


 少し.


 失礼?


「……」


 藤原.


 少し.


 笑う.



『高瀬先生は


ちょっと心配』



 送る.


 すぐ.



『それは分かる。』



「……"


 藤原.


 吹き出す.



『そこ同意するんだ』



『うん。』



 少し.



『でも』



『先生も』



『少しずつ』



『自分で止まれるようになった。』



「……」


 藤原.


 空.


 見る.


 高瀬.


 今日.


 集めなかった.


 藤原に.


 まとめ役.


 させなかった.


 一人で.


 帰る.


 そのまま.


 認めた.


「……"


『確かに』



 送る.


 そして.


 No.18.



『だから』



『藤原先生も』



『少しくらい』



『誰かに任せて。』



「……"


 藤原.


 少し.


 笑う.



『怖い』



 送る.



『うん。』



『でも』



『今日』



『少しできた。』



「……"


 藤原.


 アイス.


 最後.


 一口.


 食べる.


 溶けて.


 少し.


 手.


 汚れる.


「……"


 ティッシュ.


 探す.


 ない.


「最悪」


 小さく.


 笑う.


 でも.


 その瞬間.


 Review0.



『それも』



『今日。』



「……"


 藤原.


 吹き出す.


「見てるなら」


「ティッシュ」


「出して」


 返事.



『無理。』



「使えない」


『ひどい。』



 また.


 笑う.


◇


 夜.


 午後十時三十八分.


 高瀬.


 自宅.


 スマートフォン.


 通知.


 藤原.


 写真.


 一枚.


 チョコアイス.


 少し.


 溶けてる.


 メッセージ.



『今日


これ食べました』



「……"


 高瀬.


 少し.


 笑う.



『うまそう』



『おいしかったです』



『一人で?』



 送って.


 すぐ.


 高瀬.


 手.


 止まる.


「……"


 聞いていい?


 でも.


 もう.


 送った.


 返事.



『はい』



 次.



『一人で帰りたかったので』



 高瀬.


 少し.


 胸.


 安心.



『よかった?』



 送る.


 返事.



『少し寂しかったです』



 次.



『でも


楽でした』



「……"


 高瀬.


 画面.


 見る.


 少し.


 笑う.



『両方?』



『はい』



『それでいいな』



『はい』



 少し.


 間.


 藤原.



『高瀬先生』



『何』



『明日』



 一度.



『まとめ役』



『私じゃなくても


いいですか』



「……"


 高瀬.


 胸.


 少し.


 強く.


 鳴る.


 当然.


 いい.


 でも.


 少し.


 寂しい.


 藤原.


 頼れる.


 安心.


 それに.


 甘えてた.


 だから.



『いい』



 送る.



『誰にする?』



 返事.



『それも』



『高瀬先生が


決めなくていいです』



「……"


 高瀬.


 吹き出す.



『じゃあどうする』



『必要なら』



『その時


誰かがやる』



「……"


 少し.



『誰もやらなかったら?』



 返事.



『その時は』



『高瀬先生が


困ってください』



「……"


「ひど!」


 声.


 出る.


 でも.


 笑ってる.



『助けてくれんの?』



 返事.



『その時の私に


聞いてください』



「……"


 高瀬.


 完全に.


 止まる.


 それ.


 最近.


 みんな.


 言う.


 未来の.


 答え.


 今.


 決めない.


 その時.


 本人に.


 聞く.



『分かった』



 送る.


 そして.


 Review0.


 突然.


 通知.



━━━━━━━━━━━━


対象


藤原


自己定義情報


増加。

━━━━━━━━━━━━



 次.



━━━━━━━━━━━━


固定役割


『支援者』


適合率


91%


↓


63%

━━━━━━━━━━━━



「……"


 高瀬.


 目.


 少し.


 大きくなる.


 藤原.


 支援者.


 ずっと.


 役割.


 付いてた?


 さらに.



━━━━━━━━━━━━


新規自己情報


・疲れる


・一人になりたい時がある


・甘いものが好き


・チョコアイス


・誰かを支えない日も選ぶ


━━━━━━━━━━━━



「……"


 高瀬.


 少し.


 笑う.


「チョコアイス」


「強いな」


 その瞬間.


 藤原から.



『何か出ました?』



『支援者適合率下がった』



『あと


チョコアイス』



 既読.


 返事.



『そこ


重要です』



「……"


 高瀬.


 笑う.



『全部?』



『全部です』



 高瀬.


 少し.


 胸.


 温かい.


 藤原.


 支える人.


 だけじゃない.


 疲れる.


 一人になりたい.


 甘いもの.


 好き.


 アイス.


 食べる.


 それで.


 いい.



◇



 同じ頃.


 藤原.


 自宅.


 Review0.


 画面.



『今日の自分を、


自分でどう思う?』



 もう.


 答えた.


 でも.


 追記.



『私は


支える側じゃなくても


いいらしい。』



 少し.



『まだ


ちょっと怖い。』



『でも』



『今日は


一人で帰った。』



『アイスも


自分で選んだ。』



 一度.



『楽しかった。』



 送信.


 数秒.


 返事.



『うん。』



 次.



『藤原先生。』



『何』



『69で』



 藤原.


 少し.


 身構える.



『高瀬先生を』



『支えなくてもいいよ。』



「……"


 胸.


 強く.


 鳴る.



『どういう意味』



 返事.



『先生が』



『自分で立つから。』



「……"


 藤原.


 目.


 少し.


 潤む.


 嬉しい.


 でも.


 寂しい.


 また.


 両方.



『じゃあ』



『私』



『69で』



『何すればいい』



 送る.


 長い.


 返事.



『藤原先生が』



『その時』



『したいこと。』



「……"


 藤原.


 少し.


 笑う.



『まだ分からない』



『うん。』



 次.



『だから』



『今から』



『増やして。』



「……"



『何を』



 返事.



『藤原先生自身を。』



「……"


 画面.


 暗くなる.


 藤原.


 一人.


 でも.


 今日は.


 その一人が.


 嫌じゃない.


 誰かを.


 支えない.


 自分.


 何も.


 していないようで.


 ちゃんと.


 一日.


 生きていた.



 明日.



 何を.



 したいか.



 まだ.



 分からない.



 でも.



 分からないままでも.



 自分は.



 ここにいる.



 それを.



 藤原は.



 少しだけ.



 信じられた.

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