Review56 俺は、残りたい
翌朝。
午前七時四十二分。
真壁は。
いつもより。
少し。
早く。
学校にいた。
職員室。
まだ。
人。
少ない。
パソコン。
開く。
でも。
仕事。
始めない。
「……」
スマートフォン。
画面。
━━━━━━━━━━━━
観測深度
29%
━━━━━━━━━━━━
昨日。
見えた。
未来。
━━━━━━━━━━━━
観測者
真壁透
統合率
71%
━━━━━━━━━━━━
さらに。
声。
『観測者は』
『不要になる』
「……」
真壁。
スマートフォン。
伏せる。
「不要」
小さく。
呟く。
前にも。
言われた。
『真壁透という個別人格は不要』
あの時は。
腹が立った。
怖かった。
でも。
今。
少し。
違う。
怖い。
それ以上に。
「……嫌だな」
言葉。
出る。
「何が」
「……っ」
真壁。
顔。
上げる。
佐伯。
コーヒー。
持っている。
「おはようございます」
「おはようございます」
「今」
「嫌だなって」
「……」
真壁。
少し。
目。
逸らす。
「独り言」
「聞こえました」
「忘れてください」
「……」
佐伯。
少し。
笑う。
「分かりました」
「……」
真壁。
一瞬。
意外そうに。
佐伯を見る。
「聞かないんですね」
「聞いてほしい?」
「……」
止まる。
「分からない」
「じゃあ」
「今は」
「聞かない」
「……」
佐伯。
自分の席。
向かう。
「でも」
一度。
振り返る。
「言いたくなったら」
「聞きます」
「……」
真壁。
少し。
笑う。
「最近」
「みんな」
「それ」
「言う」
「流行ってる?」
「高瀬先生の周りだけ」
「それ」
「嫌だな」
「何で」
「高瀬先生由来みたい」
「……」
佐伯。
吹き出す。
「本人に」
「言ったら」
「喜びますよ」
「だから」
「言わない」
◇
午前八時十七分。
高瀬。
職員室。
「おはよう」
「おはようございます」
真壁。
いつも通り。
返す。
高瀬。
一度。
通り過ぎる。
でも。
三歩。
戻る。
「……」
真壁。
「何ですか」
「いや」
「今」
「普通だった」
「……」
「それ」
「褒めてる?」
「半分」
「朝から」
「やめて」
高瀬。
少し。
笑う。
でも。
真壁の。
机。
横。
立ったまま。
「昨日」
「俺」
「任せるって」
「言った」
「はい」
「……」
「今日」
「聞かない」
「……」
真壁。
少し。
顔。
上げる。
「何を」
「未来」
「……」
高瀬。
「でも」
「一個だけ」
「聞いていい?」
「内容じゃ」
「ない?」
「うん」
「……」
「今」
「怖い?」
「……」
真壁。
少し。
長く。
黙る。
「はい」
「……」
「かなり?」
「かなり」
「……」
高瀬。
少し。
息。
吐く。
「そっか」
「……」
「それだけ?」
「うん」
「……」
真壁。
少し。
眉。
寄る。
「高瀬先生」
「何」
「今」
「何か」
「言いたい?」
「ある」
「何」
「大丈夫」
「って」
「言いたい」
「……」
「でも」
「大丈夫か」
「分からんから」
「言わない」
「……」
真壁。
少し。
笑う。
「それ」
「前なら」
「絶対」
「言ってました」
「うん」
「……」
「最近」
「言葉」
「減りましたね」
「俺?」
「はい」
「……」
「悪い?」
「いや」
一度。
真壁。
少し。
目。
細くなる。
「今の方が」
「話しやすい」
「……」
高瀬。
「それ」
「嬉しい」
「全部?」
「全部」
「そこは」
「全部使うんですね」
「使いたい時は」
「使う!」
◇
午前十一時四分。
空き教室。
真壁。
一人。
スマートフォン。
Review0。
『今日は、
何したい?』
「……」
昨日。
答え。
書かなかった。
今日は。
画面。
開いている。
何したい。
仕事。
授業。
未来を。
言わない。
観測深度を。
上げない。
高瀬を。
助ける。
69。
全部。
頭。
浮かぶ。
「……」
でも。
何したい。
自分。
何したい。
「……分からない」
入力。
しようと。
する。
止まる。
消す。
また。
考える。
『未来を見たくない』
打つ。
止まる。
消す。
「……」
違う。
見たくない。
じゃない。
見える。
それ自体は。
もう。
止められない。
でも。
自分。
どうしたい。
「……」
指。
動く。
『俺として
残りたい。』
真壁。
自分で。
打った文字。
見る。
胸。
少し。
鳴る。
「俺として」
もう一度。
小さく。
読む。
送信。
数秒。
Review0。
『うん。』
「……」
それだけ。
真壁。
少し。
笑う。
「相変わらず」
「何も」
「言わないな」
でも。
その方が。
いい。
◇
昼。
中庭。
真壁。
一人。
パン。
食べている。
「真壁先生」
「……」
結良。
「一人?」
「見れば」
「分かる」
「何食べてる」
「パン」
「それも」
「見れば」
「分かる」
「何パン」
「……」
真壁。
袋。
見る。
「焼きカレーパン」
「お」
「何」
「意外」
「何が」
「真壁先生」
「甘いパン」
「食べそう」
「どういう」
「偏見」
「静かな人」
「甘いパン」
「意味分からない」
結良。
少し。
笑う。
「座っていい?」
「どうぞ」
隣。
座る。
「……」
二人。
少し。
静か。
「結良さん」
「何」
「今日」
「ピアノ」
「弾く?」
「多分」
「……」
「多分?」
「今」
「弾きたいか」
「まだ」
「分かんない」
「……」
真壁。
「それで」
「いいんじゃない」
「うん」
「真壁先生は」
「何」
「今日」
「何したい」
「……」
真壁。
一瞬。
止まる。
「Review0?」
「うん」
「……」
「言わなくて」
「いいんじゃない?」
「……」
結良。
少し。
笑う。
「先生」
「学習してる」
「それ」
「高瀬先生に」
「言うやつ」
「うつった」
「やめて」
少し。
笑い。
「でも」
結良。
「一個だけ」
「言っていい?」
「何」
「今日」
「真壁先生」
「ちょっと」
「怖そう」
「……」
真壁。
顔。
動かない。
「顔?」
「違う」
「……」
「何となく」
「……」
真壁。
少し。
空。
見る。
「みんな」
「何となく」
「当ててくる」
「何」
「嫌?」
「……」
一度。
考える。
「前なら」
「嫌だった」
「今は?」
「……」
「少し」
「安心する」
「……」
結良。
少し。
笑う。
「じゃあ」
「それ」
「言えばいい」
「誰に」
「怖いって」
「……」
真壁。
少し。
黙る。
「高瀬先生?」
「別に」
「誰でも」
「……」
「私でも」
「……」
真壁。
結良を見る。
「怖い」
「……」
結良。
一瞬。
目。
大きくなる。
でも。
すぐ。
「うん」
「……」
「それだけ?」
「何て」
「言ってほしい」
「……」
真壁。
少し。
笑う。
「分からない」
「じゃあ」
「怖いんだ」
「で」
「終わり」
「……」
真壁。
少し。
肩。
力。
抜ける。
「それ」
「楽」
「でしょ」
◇
午後二時四十八分。
真壁。
階段。
降りる。
途中。
視界。
揺れる。
「……」
壁。
手。
つく。
未来。
来る。
◇
白い。
教室。
高瀬。
No.18。
結良。
藤原。
佐伯。
ナオ。
白石。
二人の桐谷。
沙耶。
そして。
真壁。
自分。
少し。
離れている。
『真壁先生』
No.18。
声。
『どうしたい?』
「……」
未来の。
自分。
答える。
『分からない』
『じゃあ』
『分からないまま』
『決めて』
「……」
真壁。
顔。
歪む。
『無理』
次。
SYSTEM。
━━━━━━━━━━━━
観測者統合
開始。
━━━━━━━━━━━━
『真壁!』
高瀬。
走ろうと。
する。
『来るな!』
未来の。
自分。
叫ぶ。
高瀬。
止まる。
「……」
その瞬間。
真壁。
現実。
戻る。
「……っ」
呼吸。
浅い。
階段。
手すり。
強く。
握る。
スマートフォン。
━━━━━━━━━━━━
観測深度
34%
━━━━━━━━━━━━
「……」
一回。
五。
上がった。
「来るな」
自分。
言った。
高瀬に。
「……」
怖い。
でも。
少し。
分かった。
未来の。
自分。
助けてほしい。
だけじゃ。
ない。
◇
午後三時三十六分。
職員室。
「真壁」
「……」
高瀬。
すぐ。
気付く。
「今」
「見た?」
「……」
真壁。
椅子。
座る。
顔。
少し。
青い。
「はい」
「……」
高瀬。
口。
開く。
閉じる。
「水」
「……」
「何」
「水」
「飲む?」
「……」
真壁。
一瞬。
笑う。
「未来じゃなく」
「水?」
「今」
「顔」
「悪いから」
「……」
「飲む」
高瀬。
ペットボトル。
渡す。
真壁。
一口。
飲む。
「……」
「少し」
「落ち着いた?」
「はい」
「……」
高瀬。
横。
椅子。
座る。
「言う?」
「……」
真壁。
少し。
考える。
「一部」
「……」
「いい?」
「はい」
「未来の」
「内容」
「全部じゃない」
「うん」
「……」
「俺」
真壁。
ペットボトル。
両手。
持つ。
「高瀬先生に」
「来るなって」
「言ってた」
「……」
高瀬。
表情。
変わる。
「何が」
「起きてた」
「そこは」
「言わない」
「……」
高瀬。
少し。
唇。
噛む。
「分かった」
「……」
「それで」
真壁。
「その未来の俺」
「……」
「助けてほしくない」
「って」
「感じじゃなかった」
「……」
「じゃあ」
「何」
「分からない」
「……」
「でも」
一度。
目。
閉じる。
「自分で」
「何か」
「やりたかった」
「……」
高瀬。
少し。
顔。
上げる。
「だから」
「俺に」
「来るな?」
「多分」
「……」
高瀬。
胸。
重い。
「真壁」
「はい」
「もし」
「その時」
「本当に」
「来るなって」
「言われたら」
「……」
「俺」
「止まれるかな」
「……」
真壁。
高瀬を見る。
「止まって」
「……」
高瀬。
目。
少し。
大きくなる。
「今」
「お願い?」
「はい」
「……」
「未来」
「じゃない」
「今の俺が」
「言ってる」
「……」
高瀬。
しばらく。
黙る。
「分かった」
「……」
「絶対?」
真壁。
少し。
笑う。
高瀬。
考える。
「……」
「その時」
「もう一回」
「聞く」
「……」
「来るなって」
「本当に」
「今も」
「思ってるか」
「……」
「それでも」
「来るなって」
「言ったら」
一度。
息。
「止まる」
「……」
真壁。
目。
少し。
潤む。
「それで」
「いい」
◇
「真壁」
高瀬。
「何」
「俺からも」
「一個」
「聞いていい?」
「内容以外」
「うん」
「……」
「お前」
「未来」
「見えなくなりたい?」
「……」
真壁。
完全に。
止まる。
今まで。
誰にも。
聞かれなかった。
未来。
見える。
便利。
危険。
能力。
役割。
観測者。
でも。
「……」
真壁。
少し。
下.
見る。
「分からない」
「……」
「嫌?」
「怖い」
「……」
「でも」
「見えたから」
「助かったことも」
「ある」
「……」
「みんなに」
「伝えられたこと」
「ある」
「……」
「じゃあ」
「残したい?」
「……」
長い。
沈黙.
「能力は」
「分からない」
「……」
真壁.
顔.
上げる.
「でも」
「俺は」
「残りたい」
「……」
高瀬.
胸.
強く.
鳴る.
「真壁透として?」
「はい」
「……」
「観測者とか」
「004とか」
「そういうのじゃなく」
「……」
「俺」
「として」
「……」
高瀬.
少し.
笑う.
「それ」
「聞けて」
「よかった」
「何で」
「その時」
「来るなって」
「言われても」
「……」
「真壁が」
「残りたいって」
「言ったこと」
「覚えてられる」
「……」
真壁.
目.
少し.
細くなる.
「それ」
「使って」
「止める?」
「違う」
「……」
「確認する」
「……」
「その時も」
「残りたいか」
「……」
真壁.
少し.
笑う.
「はい」
「何回でも」
「聞いて」
「しつこい」
「得意」
「知ってる」
二人.
少し.
笑う.
◇
午後五時二十三分。
空き教室.
今日は.
全員.
ではない.
高瀬.
真壁.
藤原.
佐伯.
四人.
「珍しい」
藤原.
「何が」
高瀬.
「少人数」
「最近」
「多すぎました」
「確かに」
佐伯.
少し.
笑う.
「真壁先生」
「自分で」
「話したいこと」
「あるって」
「……」
真壁.
少し.
緊張.
「はい」
「珍しい?」
高瀬.
「言うな」
「ごめん」
◇
真壁.
少し.
息.
吸う.
「俺」
「未来」
「見えます」
「うん」
「……」
「でも」
「最近」
「それ」
「自分の」
「一番大事なことみたいに」
「なってた」
「……」
「真壁透」
「より」
「未来を見る人」
「……」
「それ」
「嫌です」
「……」
藤原.
静かに.
聞く.
「だから」
真壁.
「これから」
「未来」
「見えても」
「必要なら」
「言う」
「……」
「必要じゃないって」
「俺が」
「思ったら」
「言わない」
「……」
「でも」
「それ以上に」
「未来以外の」
「話」
「したい」
「……」
高瀬.
少し.
目.
大きくなる.
「例えば」
「……」
真壁.
少し.
困る.
「それ」
「今」
「聞く?」
「いや」
「話したいって」
「言ったから」
「……」
真壁.
少し.
笑う.
「最近」
「コーヒー」
「変えました」
「……」
三人.
少し.
止まる.
「何」
高瀬.
「その顔」
「いや」
「普通すぎて」
「いいんでしょ」
「……」
藤原.
笑う.
「何に」
「変えたんですか」
「ブラック」
「前は」
「微糖」
「……」
高瀬.
「大人になった?」
「それ」
「勝手に」
「成長扱い」
「やめて」
「篠宮に」
「言われたやつ!」
「学習してください」
少し.
笑い.
「あと」
真壁.
「何」
「カレー」
「甘口」
「……」
高瀬.
「え」
「何」
「意外」
「何で」
「真壁」
「辛口」
「食べそう」
「今日」
「二人目」
「同じ偏見」
「誰」
「結良さん」
「……」
「高瀬先生」
「何」
「俺」
「今日」
「人の食べ物で」
「傷ついてる」
「大げさ!」
◇
そんな.
くだらない.
話.
十分.
続く.
未来.
一度も.
出ない.
観測者.
出ない.
004.
出ない.
真壁透.
ただ.
コーヒー.
甘口カレー.
最近.
眠い.
朝.
苦手.
犬より.
猫.
「猫?」
高瀬.
「はい」
「飼ってる?」
「飼ってない」
「じゃあ」
「何で」
「好き」
「動画」
「……」
高瀬.
「真壁」
「何」
「それ」
「今まで」
「一個も」
「知らなかった」
「……」
真壁.
少し.
笑う.
「でしょうね」
「何で」
「言わなかった」
「聞かれなかった」
「……」
高瀬.
止まる.
「確かに」
「未来のこと」
「ばっか」
「聞いてた」
「……」
「はい」
「……」
「ごめん」
「謝らなくて」
「いい」
「……」
「じゃあ」
「今」
「聞く」
「何」
「猫」
「どんなの」
「そこ?」
「大事!」
四人.
笑う.
◇
その瞬間.
真壁.
スマートフォン.
震える.
「……」
全員.
少し.
止まる.
SYSTEM.
━━━━━━━━━━━━
対象
真壁透
━━━━━━━━━━━━
自己定義情報
増加。
━━━━━━━━━━━━
「……」
真壁.
少し.
笑う.
「また」
次.
━━━━━━━━━━━━
観測者適合率
82%
↓
67%
━━━━━━━━━━━━
「下がった」
藤原.
「何で」
佐伯.
「未来じゃない」
「情報」
「増えたから?」
SYSTEM.
━━━━━━━━━━━━
単一役割への
固定
困難。
━━━━━━━━━━━━
「……」
高瀬.
真壁を見る.
「猫」
「強い」
「そこ?」
「甘口カレーも」
「高瀬先生」
「今」
「全部」
「食べ物と猫」
「功績にする?」
少し.
笑い.
でも.
真壁.
画面.
見ながら.
静かに.
「俺」
「これ」
「好き」
「何が」
「観測者適合率」
「下がった」
「……」
「未来」
「見えなくなるかも」
「……」
高瀬.
「嫌?」
「……」
真壁.
少し.
考える.
「今は」
「怖い」
「……」
「でも」
「嬉しい」
「……」
高瀬.
少し.
笑う.
「両方」
「はい」
「それで」
「いい」
◇
夜.
午後十時五十九分.
真壁.
自宅.
Review0.
『今日の自分を、
自分でどう思う?』
「……」
入力.
『怖かった。』
少し.
『未来を見た。』
『言わなかった。』
『でも』
『高瀬先生に』
『残りたいって言った。』
止まる.
『俺として。』
少し.
『あと』
『甘口カレーが好きって』
『初めて言った。』
真壁.
少し.
笑う.
『猫も。』
送信.
数秒.
『うん。』
No.18?
いや.
Review0.
次.
『真壁先生。』
「……」
真壁.
少し.
身構える.
『何』
返事.
『私』
『昔のあなたと』
『あまり話したことない。』
「……」
真壁.
目.
少し.
大きくなる.
『知ってるんじゃないの』
『知ってる。』
『でも』
『話してない。』
「……」
『何で』
長い.
少し.
『あなた』
『いつも』
『高瀬先生の少し後ろにいたから。』
「……」
真壁.
胸.
少し.
ざわつく.
『悪い意味?』
『違う。』
『でも』
『自分の話』
『全然しなかった。』
「……」
今も.
同じ.
だった.
少し前まで.
『じゃあ』
真壁.
入力.
『今日の俺は』
『昔より』
『少し前に出た?』
送る.
返事.
『うん。』
少し.
『でも』
『前とか後ろとか』
『別にどうでもいい。』
「……」
真壁.
少し.
笑う.
『じゃあ何』
返事.
『真壁先生が』
『自分でいるなら。』
「……」
胸.
少し.
熱い.
◇
その時.
SYSTEM.
割り込む.
━━━━━━━━━━━━
警告。
観測者適合率
低下。
━━━━━━━━━━━━
次.
━━━━━━━━━━━━
67%
↓
61%
━━━━━━━━━━━━
「……」
真壁.
画面.
見る.
さらに.
━━━━━━━━━━━━
60%未満で
観測情報の
取得精度が
低下します。
━━━━━━━━━━━━
「……」
未来.
見えなくなる.
可能性.
高くなる.
今まで.
それなら.
困る.
そう.
思った.
でも.
今日.
『俺として残りたい。』
自分で.
書いた.
真壁.
指.
『それでいい』
Review0へ.
送る.
返事.
『何が?』
「……」
真壁.
少し.
笑う.
『未来が』
『前より見えなくなっても』
『俺が俺なら』
少し.
止まる.
『それでいい。』
送信.
長い.
返事.
『うん。』
そして.
『それ』
『69でも』
『忘れないで。』
「……」
真壁.
胸.
強く.
鳴る.
『俺』
『69で』
『何がある』
打つ.
止まる.
消す.
聞かない.
今は.
未来より.
自分.
『分かった』
送る.
その瞬間.
SYSTEM.
━━━━━━━━━━━━
観測者適合率
61%
↓
58%
━━━━━━━━━━━━
「……」
境界.
下回る.
次.
━━━━━━━━━━━━
観測情報
取得精度
低下。
━━━━━━━━━━━━
真壁.
しばらく.
画面.
見る.
そして.
少し.
笑う.
「見えなく」
「なってきた」
怖い.
でも.
その怖さの.
奥.
少しだけ.
軽い.
未来を。
見られることが。
真壁透の。
全部じゃない.
明日。
コーヒー。
ブラック。
昼。
甘口カレー。
帰ったら。
猫の動画.
そんな.
どうでもいい.
小さな.
自分が.
未来より.
少しずつ.
増えていた.




