Review55 任せる
翌朝。
午前七時三十八分。
高瀬は。
職員室へ。
入って。
すぐ。
違和感に。
気付いた。
「……」
真壁。
いる。
いつもの。
席。
いつもの。
無表情。
いつもの。
パソコン。
「おはよう」
「おはようございます」
「……」
高瀬。
立ち止まる。
「何ですか」
「いや」
「何か」
「変」
「……」
真壁。
少し。
眉。
動く。
「朝から」
「失礼ですね」
「違う」
「悪口じゃない」
「じゃあ」
「何」
「……」
高瀬。
少し。
考える。
「静かすぎる」
「普段も」
「静かです」
「そうなんだけど」
「今日」
「静かの」
「種類」
「違う」
「……」
真壁。
一瞬。
高瀬を見る。
「種類」
「あります?」
「ある」
「説明」
「できます?」
「できない」
「……」
「高瀬先生」
「何」
「今」
「すごく」
「面倒です」
「朝から!?」
でも。
真壁は。
笑わなかった。
そこで。
高瀬。
確信する。
「……真壁」
「はい」
「未来」
「見た?」
「……」
真壁。
指。
止まる。
「何で」
「分かった」
「今」
「当たった?」
「……」
「顔」
「じゃない」
「じゃあ」
「何」
「分からん」
「でも」
「何か」
「変」
「……」
真壁。
少し。
目。
伏せる。
「見ました」
「……」
高瀬。
胸。
少し。
硬くなる。
「いつ」
「今朝」
「何を」
そこまで。
聞いて。
高瀬。
止まる。
「……」
真壁。
高瀬を見る。
「聞かない?」
「……」
一度。
長く。
息。
「聞きたい」
「はい」
「めちゃくちゃ」
「はい」
「でも」
机。
手。
置く。
「真壁が」
「言うって」
「決めたら」
「聞く」
「……」
真壁。
少しだけ。
目。
大きくなる。
「本当に」
「うん」
「……」
「今」
「言わないって」
「言ったら」
「……」
高瀬。
苦い顔。
「たぶん」
「五分くらい」
「気になる」
「五分?」
「いや」
「一日」
「正直」
「一週間」
「伸びすぎ」
「でも」
高瀬。
少し。
笑う。
「聞かない」
「……」
真壁。
高瀬を。
じっと。
見る。
「変わりましたね」
「褒めた?」
「半分」
「また!」
真壁。
ほんの少し。
笑った。
◇
午前九時四十九分。
廊下。
真壁。
一人。
歩く。
窓。
外。
曇り。
「……」
今朝。
見えた。
未来。
ほんの。
数秒。
高瀬。
旧視聴覚室。
立っている。
その前。
結良。
ナオ。
藤原。
佐伯。
白石。
二人の桐谷。
沙耶。
そして。
知らない。
一人。
誰か。
『決めて』
女の声。
高瀬。
何も。
言わない。
そして。
次。
画面。
━━━━━━━━━━━━
選択保持率
高瀬
84%
━━━━━━━━━━━━
今。
27%。
なのに。
未来では。
84。
でも。
その後。
もう一つ。
見えた。
━━━━━━━━━━━━
観測者
真壁透
統合率
71%
━━━━━━━━━━━━
「……」
真壁。
足。
止まる。
71。
高瀬が。
選べるようになるほど。
自分が。
消える?
「……」
笑える。
交換条件。
みたい。
「真壁先生」
「……っ」
後ろ。
藤原。
「大丈夫?」
「はい」
「……」
「今」
「驚いた」
「少し」
「珍しい」
「何が」
「真壁先生」
「いつも」
「驚かない」
「……」
真壁。
少し。
笑う。
「今日」
「みんな」
「そこ」
「見てくる」
「何を」
「俺の」
「変なところ」
「……」
藤原。
少し。
真壁を見る。
「見てるから」
「……」
「それ」
「高瀬先生にも」
「言った?」
「はい」
「……」
「便利な言葉」
「じゃないです」
「分かってます」
◇
「未来」
藤原。
突然。
言う。
「……」
真壁。
顔。
少し。
変わる。
「見えた?」
「何で」
「分かる」
「高瀬先生が」
「朝」
「言ってました」
「……」
「本人」
「聞かないって」
「言ってたのに」
「あなたが」
「言った?」
「未来見たらしい」
「だけ」
「……」
真壁。
少し。
息。
吐く。
「藤原先生」
「はい」
「俺」
「未来」
「言った方が」
「いいと思います?」
「……」
藤原。
少し。
考える。
「内容」
「知らない」
「はい」
「だから」
「分からない」
「……」
「でも」
「真壁先生が」
「言わない方がいいって」
「思ってるなら」
「……」
「それ」
「まず」
「信じます」
「……」
真壁。
視線。
少し。
外れる。
「何で」
「真壁先生が」
「一番」
「未来」
「見えてるから」
「……」
「じゃあ」
「俺が」
「間違えたら」
「その時」
「一緒に」
「困ります」
「……」
真壁。
顔。
少し。
上げる。
「責任」
「取らない?」
「取れません」
「即答」
「でも」
藤原。
少し。
笑う。
「一人には」
「しません」
「……」
真壁。
何も。
言えない。
◇
昼。
図書室。
ナオ。
青いノート。
二行目。
『少年は、扉の前に立っていた。』
その下。
『向こうから、声がした。』
「……」
白石。
「増えた」
「一行」
「昨日」
「一行」
「今日」
「二行」
「……」
ナオ。
「遅い?」
「何が」
「書くの」
「知らん」
「……」
「俺」
「小説」
「書かないし」
「……」
「じゃあ」
「聞く相手」
「間違えた」
「ひど」
ナオ。
少し。
笑う。
でも。
ペン。
止まる。
「悠真」
「何」
「次」
「扉」
「開ける?」
「俺に」
「聞く?」
「うん」
「……」
白石。
少し。
考える。
「開けない」
「何で」
「怖いから」
「……」
ナオ。
少し。
笑う。
「普通」
「悪い?」
「いや」
「好き」
「……」
「でも」
白石。
「お前は?」
「……」
ナオ。
ノート。
見る。
「開けたい」
「じゃあ」
「開ければ」
「……」
「悠真」
「止めない?」
「何で」
「危ないかも」
「小説だろ」
「……」
「でも」
白石。
少し。
ナオを見る。
「最近」
「お前」
「俺に」
「決めてもらおうと」
「する時ある」
「……」
ナオ。
表情。
止まる。
「そう?」
「うん」
「……」
「俺が」
「いるから」
「安心するのは」
「いいけど」
「……」
「俺が」
「決めるのは」
「違う」
「……」
ナオ。
少し。
目。
伏せる。
「ごめん」
「謝るな」
「……」
「じゃあ」
「何」
「自分で」
「書け」
「……」
ナオ。
少し。
笑う。
「厳しい」
「普通」
ナオ。
ペン。
動く。
『少年は、扉を開けた。』
「……」
白石。
「開けた」
「うん」
「怖い?」
「ちょっと」
「……」
「でも」
「僕が」
「開けた」
「……」
「なら」
「いいんじゃない」
「うん」
◇
午後一時十六分。
高瀬。
昼飯。
今日は。
焼きそばパン。
「先生」
結良。
「何」
「昨日より」
「雑」
「昼飯?」
「うん」
「時間」
「なかった」
「ちゃんと」
「食べた?」
「食べてる」
「……」
結良。
高瀬。
じっと。
見る。
「何」
「Review0」
「今日」
「何したい」
「何て書いた」
「……」
高瀬。
少し。
目。
逸らす。
「教えない」
「え」
「何で」
「昨日」
「みんな」
「全部」
「共有しすぎた」
「……」
「Review0」
「本人のもの」
「だったろ」
「……」
結良。
少し。
顔。
変わる。
「先生」
「何」
「それ」
「かなり」
「大事」
「うん」
「……」
「じゃあ」
「聞かない」
「え」
「何」
「聞かないって」
「言った」
「……」
高瀬。
少し。
笑う。
「篠宮も」
「成長」
「先生」
「何」
「それ」
「今日」
「言ったら」
「六十点」
「低!」
「本人のこと」
「勝手に」
「成長って」
「決めない」
「……」
高瀬。
止まる。
「確かに」
「……」
「じゃあ」
「何て」
「言えば」
結良。
少し。
考える。
「変わった?」
「……」
「それも」
「決めてる?」
「じゃあ」
「何も」
「言えん!」
結良。
吹き出す。
「先生」
「考えすぎ」
「お前が」
「始めた!」
「でも」
結良。
少し。
笑う。
「私は」
「嬉しい」
「……」
高瀬。
少し。
目。
細くなる。
「それなら」
「いい」
「うん」
◇
午後三時四十一分。
職員室。
真壁。
画面。
見る。
━━━━━━━━━━━━
観測深度
29%
━━━━━━━━━━━━
「……」
昨日。
22。
今朝。
未来を。
見た。
上がった。
「真壁」
「……」
高瀬。
「何」
「今」
「大丈夫?」
「……」
真壁。
「質問」
「雑」
「だって」
「何て」
「聞けば」
「今日」
「みんな」
「言葉」
「難しく」
「考えすぎ」
「……」
真壁。
少し。
笑う。
「それは」
「高瀬先生から」
「始まってる」
「俺!?」
「はい」
◇
高瀬。
隣。
椅子。
座る。
「真壁」
「はい」
「朝の未来」
「……」
真壁。
身体。
少し。
固くなる。
「言わない?」
「……」
「今は」
「はい」
「……」
高瀬。
頷く。
「分かった」
「……」
真壁。
「それだけ?」
「うん」
「……」
「本当に?」
「うん」
「……」
真壁。
眉。
少し。
寄る。
「何」
「いや」
「……」
「思ったより」
「嫌です」
「何が」
「聞かれないの」
「……」
高瀬。
少し。
驚く。
「言いたくないのに?」
「はい」
「……」
「何それ」
「自分でも」
「分からない」
「……」
真壁。
一度。
息。
「今まで」
「高瀬先生」
「未来」
「見えたって」
「言ったら」
「絶対」
「聞いた」
「うん」
「……」
「今」
「聞かない」
「うん」
「……」
「それ」
「正しい」
「って」
「思う」
「……」
「でも」
真壁。
視線。
下。
「少し」
「寂しい」
「……」
高瀬。
言葉。
止まる。
嬉しい。
寂しい。
両方。
昨日。
No.18。
言った。
「真壁」
「何」
「それ」
「両方で」
「いいんじゃない」
「……」
真壁。
顔。
上げる。
「言いたくない」
「でも」
「聞いてほしい」
「……」
「うん」
「矛盾」
「……」
「うん」
「……」
「高瀬先生」
「何」
「最近」
「何でも」
「うんって」
「言う」
「……」
「腹立つ?」
「少し」
「じゃあ」
「言わない」
「それも」
「腹立つ」
「難しい!」
◇
少し。
笑い。
でも。
真壁。
すぐ。
真顔。
「高瀬先生」
「はい」
「一つ」
「お願い」
「何」
「未来の」
「内容」
「じゃない」
「うん」
「……」
「俺」
「これから」
「未来」
「見えても」
「自分で」
「言うか」
「決めたい」
「……」
「うん」
「でも」
「俺が」
「言わないって」
「決めた時」
「……」
一度。
口。
止まる。
「俺を」
「信じて」
「……」
高瀬。
真壁を見る。
すぐ。
答えそうになる。
でも。
一度。
考える。
「信じる」
「……」
「全部?」
真壁。
少し。
笑う。
「全部」
「……」
真壁。
その言葉。
聞いて。
目。
少し。
伏せる。
「それ」
「結構」
「重い」
「何で!」
「でも」
一度。
顔。
上げる。
「嬉しい」
「……」
高瀬。
少し。
笑う。
「じゃあ」
「任せる」
「……」
真壁。
今度は。
少し。
長く。
黙った。
「任せる」
「うん」
「……」
「信じる」
「より」
「怖いですね」
「俺も」
「……」
「でも」
「任せる」
「はい」
◇
午後五時十九分。
空き教室。
全員。
集まる。
「今日は」
白石。
「何会?」
高瀬。
「会じゃない!」
「でも」
「全員いる」
「……」
高瀬。
「雑談」
「それ」
「一番」
「怪しい」
結良。
「先生の雑談」
「絶対」
「途中でSYSTEM出る」
「フラグ立てるな!」
少し。
笑い。
◇
「今日」
高瀬。
「一個」
「みんなに」
「言っとく」
「何」
藤原。
「Review0」
「回答」
「共有」
「しなくていい」
「……」
ナオ。
少し。
顔。
上げる。
「昨日」
「全員」
「言ったけど」
「……」
「あれ」
「毎回」
「やる必要」
「ない」
「……」
「自分の」
「答えだから」
「……」
佐伯。
少し。
笑う。
「いいですね」
「で」
「言いたい人は」
「言う」
「……」
「聞きたい人は」
「まず」
「聞いていいか」
「聞く」
「……」
結良。
「先生」
「何」
「今日」
「ルール」
「細かい」
「いる?」
「……」
高瀬。
少し。
考える。
「ルール」
「って」
「決めると」
「また」
「縛る?」
「……」
結良。
「分かんない」
「じゃあ」
藤原。
「ルール」
「じゃなく」
「今」
「そうしたい」
「で」
「いいんじゃないですか」
「……」
高瀬。
「それ」
「いい」
「今」
「決める」
「明日」
「変わっても」
「いい」
「……」
ナオ。
「Review0」
「みたい」
「うん」
◇
真壁。
ずっと。
黙っている。
結良。
気付く。
「真壁先生」
「何」
「今日」
「静か」
高瀬。
「それ」
「朝」
「俺も」
「言った!」
「同じ」
「……」
真壁。
少し。
苦笑。
「何ですか」
「二人で」
「言いたいこと」
「ある?」
「……」
結良。
高瀬を見る。
「先生」
「何」
「聞く?」
「……」
高瀬。
一瞬。
真壁を見る。
そして。
「聞かない」
「……」
結良。
少し。
目。
大きくなる。
「何で」
「真壁が」
「言うって」
「決めたら」
「聞く」
「……」
真壁。
高瀬を見る。
「それ」
「俺」
「お願いした」
「……」
結良。
「そっか」
「じゃあ」
「聞かない」
「……」
真壁。
少し。
笑う。
「ありがとう」
◇
その時。
SYSTEM。
真壁の。
画面。
だけ。
震える。
「……」
真壁。
見る。
━━━━━━━━━━━━
観測情報
新規取得。
━━━━━━━━━━━━
高瀬。
真壁の。
顔。
見る。
でも。
何も。
言わない。
藤原。
見てる。
結良。
見てる。
全員。
何となく。
分かる。
未来。
来た。
でも。
誰も。
聞かない。
「……」
真壁。
画面。
見る。
映像。
一瞬。
◇
Review69。
白い。
教室。
No.18。
立っている。
高瀬。
前。
そして。
No.18。
言う。
『先生』
『選んで』
高瀬。
答えない。
次。
真壁自身。
画面。
━━━━━━━━━━━━
観測者
統合率
71%
━━━━━━━━━━━━
さらに。
声。
知らない。
『観測者は』
『不要になる』
「……!」
真壁。
息。
少し。
乱れる。
「真壁先生」
藤原。
声。
柔らかい。
「大丈夫?」
「……」
真壁。
画面。
閉じる。
「大丈夫」
「本当に?」
「……」
少し。
考える。
「怖い」
「……」
「でも」
「今は」
「言わない」
高瀬。
胸。
少し。
締まる。
聞きたい。
何を。
見た。
真壁。
危ない?
誰か。
消える?
でも。
「分かった」
「……」
真壁。
高瀬を見る。
「本当に」
「それだけ?」
「うん」
「……」
「任せるって」
「言ったから」
「……」
真壁。
口元。
少し。
震える。
笑おうと。
した?
「……」
「ありがとうございます」
◇
SYSTEM。
突然。
全員。
通知。
━━━━━━━━━━━━
新規項目
他者選択尊重率
━━━━━━━━━━━━
「また」
白石。
「変な名前」
次.
━━━━━━━━━━━━
高瀬
31%
━━━━━━━━━━━━
「低!」
結良。
「言うな!」
次.
━━━━━━━━━━━━
前日
8%
━━━━━━━━━━━━
「……」
藤原。
「上がった」
「二十三」
高瀬。
「また」
「二十三?」
真壁。
「選択保持率も」
「昨日」
「二十三」
「上昇」
「……」
高瀬。
「何か」
「二十三」
「意味」
「ある?」
全員。
「追わない」
「はい!」
少し。
笑う。
◇
でも。
SYSTEM。
次。
━━━━━━━━━━━━
警告。
他者選択尊重率
上昇に伴い
高瀬による
介入成功率
低下。
━━━━━━━━━━━━
「……」
高瀬。
「介入成功率」
真壁。
画面。
見る。
「助けられる確率」
「下がる?」
SYSTEM。
━━━━━━━━━━━━
概ね
YES
━━━━━━━━━━━━
「……」
教室。
静か。
「先生」
結良。
「怖い?」
「……」
高瀬。
正直。
「怖い」
「……」
「今まで」
「介入したら」
「助けられる」
「可能性」
「上がるって」
「思ってた」
「……」
「でも」
真壁。
「介入しない方を」
「選ぶと」
「数字上は」
「助けられなくなる」
「……」
高瀬。
少し。
笑う。
「SYSTEM」
「それ」
「脅してる?」
SYSTEM。
答え。
ない。
「でも」
藤原。
「介入成功率」
「でしょ」
「……」
「その人が」
「幸せになる確率」
「ではない」
「……」
高瀬。
目。
少し。
大きくなる。
「確かに」
「先生が」
「介入することに」
「成功する率」
「……」
「相手の」
「選択」
「成功率じゃない」
「……」
高瀬。
少し。
笑う。
「言葉」
「紛らわし!」
結良。
「SYSTEM」
「そういうとこ」
「嫌い」
◇
夜。
午後十一時二十一分。
高瀬。
Review0。
『今日の自分を、
自分でどう思う?』
「……」
高瀬。
入力。
『真壁に、
未来のことを
聞かなかった。』
少し。
『正直、
めちゃくちゃ
聞きたかった。』
『今も気になる。』
一度。
止まる。
『でも、
真壁が決めるって言ったから、
任せた。』
少し。
考える。
『信じるって、
多分、
安心することじゃない。』
『怖いまま、
任せることなのかもしれない。』
送信。
少し。
間。
No.18。
『うん。』
次.
『先生、』
『それ』
『三年前は』
『できなかった。』
「……」
胸。
少し。
痛い。
『知ってる』
送る。
『覚えてないのに?』
『想像できる』
『最悪?』
高瀬。
少し。
笑う。
『腹立つ。』
返事.
『そっちの方が』
『今の先生っぽい。』
「……」
少し。
笑う。
◇
高瀬。
入力.
『No.18』
『何』
『69で』
一度。
『お前が』
『俺が嫌な答えを出しても』
『それを選びたいって言ったら』
指.
止まる.
『俺は』
『任せられるかな』
長い.
返事.
『分からない。』
「……」
高瀬.
少し.
眉.
寄せる.
『お前でも分からん?』
『うん。』
次.
『でも』
『できなくても』
『その時』
『また聞いて。』
「……」
『何を』
返事.
『私に。』
一度.
『まだ』
『それを選びたい?って。』
「……」
高瀬.
胸.
少し.
熱い.
選択.
一回.
聞けば.
終わりじゃない.
人は.
揺れる.
変わる.
怖くなる.
答えも.
変わる.
『何回でも?』
送る.
『何回でも。』
返事.
『しつこい先生』
『得意でしょ。』
「……」
高瀬.
吹き出す.
『それは得意』
『知ってる。』
そして.
No.18.
『先生。』
『何』
『真壁先生のこと』
「……」
高瀬.
表情.
止まる.
『未来』
『見た?』
『いや』
『聞いてない』
少し.
間.
『そっか。』
次.
『じゃあ』
『今は』
『私からも言わない。』
「……」
高瀬.
胸.
ざわつく.
『何か知ってる?』
既読.
長い.
『うん。』
「……」
指.
すぐ.
『教えて』
打ちそうになる.
でも.
止まる.
消す.
代わり.
『真壁が言うって決めたら聞く』
送信.
No.18.
しばらく.
返事.
ない.
そして.
『うん。』
『それでいい。』
少し.
『ただ』
「……」
『一つだけ覚えておいて。』
高瀬.
胸.
強く.
鳴る.
『真壁先生も』
『助ける対象にしないで。』
「……」
『あの人にも』
『自分で選ばせて。』
高瀬.
画面.
見つめる.
真壁.
未来.
何か.
起きる.
それは.
確か.
でも.
今.
聞かない.
先に.
決めない.
もし.
その時が.
来たら.
真壁に.
聞く.
どうしたい。
それを.
高瀬は.
初めて.
怖いまま.
待とうと.
思った.




