Review39 また明日
午前七時四十三分。
「今日は」
高瀬が。
ノートを開く。
「ナオを探す」
「言い方」
真壁。
「また大捜索みたいになってる」
「じゃあ」
「ナオの過去を」
「調べる」
「それも」
藤原。
「少し違う」
「じゃあ何」
「ナオが」
「ここに残したもの」
「見つける」
「……」
高瀬。
少しだけ。
藤原を見る。
「それ」
「採用」
「何で上から」
「語感がいい」
「高瀬先生」
「はい」
「今日は」
「勝手に」
「生徒へ聞き回らない」
「……」
「今の間」
真壁。
「絶対やるつもりだった」
「いや」
「自然に」
「ちょっと」
「聞こうかなって」
「禁止」
「信用!」
「実績」
「またそれ!」
三人。
少し笑う。
「で」
真壁。
「手掛かり」
「『また明日』」
「うん」
「誰かが」
「ナオに」
「言った」
「はい」
藤原。
「ナオくん」
「って」
「呼んでた」
「うん」
「だから」
「少なくとも」
「当時」
「ナオの名前を」
「知ってた人がいる」
「……」
高瀬。
「その人」
「見つければ」
「ナオの」
「外部固定になる?」
「可能性」
真壁。
「でも」
「それ目的に」
「人を探すと」
「また」
「SYSTEM対策が先になる」
「……」
高瀬。
「分かってる」
「本当に?」
「分かってるって!」
「じゃあ」
藤原。
「まず」
「ナオが」
「どういう生徒だったか」
「そこから」
「うん」
三人。
頷く。
◇
過年度。
生徒名簿。
二年。
三年。
さらに。
四年前。
五年前。
「ナオ」
高瀬。
「名前」
「分からん」
「漢字」
「名字」
「学年」
「全部」
「……」
真壁。
「詰んでる」
「早い」
「でも」
藤原。
「写真」
「一年前」
「あります」
「旧視聴覚室」
「うん」
「顔」
「分かる?」
「粗い」
「でも」
「体格」
「制服」
「……」
高瀬。
「学年」
「推定できる?」
「難しい」
真壁。
「ただ」
「学校指定の」
「上履き」
「色」
「……」
三人。
一斉に。
写真を見る。
「色」
高瀬。
「学年で」
「違う?」
「はい」
藤原。
「当時」
「一年」
「赤」
「二年」
「青」
「三年」
「緑」
「写真」
「……」
拡大。
足元。
粗い。
でも。
薄く。
「青?」
高瀬。
「多分」
真壁。
「二年」
「じゃあ」
「一年前」
「二年?」
「なら」
藤原。
「今」
「三年の世代?」
「……」
「でも」
高瀬。
「ナオ」
「今も」
「同じ制服」
「うん」
「年齢」
「止まってる?」
「可能性」
「じゃあ」
「当時二年」
「今も」
「二年のまま?」
「……」
三人。
少し。
静かになる。
「やめよ」
高瀬。
「何が」
「まだ」
「決めつけるの」
「はい」
「保留」
真壁。
「成長」
「それ禁止!」
◇
「当時の」
藤原。
「二年生」
「名簿」
「見ます」
年度。
開く。
クラス。
一組。
二組。
三組。
四組。
「ナオ」
「直」
「尚」
「なお」
「……」
「名前」
検索。
「該当」
「三人」
「お」
高瀬。
「一人目」
「女子」
「違う」
「二人目」
「男子」
「名字」
「田中」
「田中ナオ?」
「……」
「写真」
「違う」
「三人目」
「男子」
「……」
藤原。
止まる。
「何」
「名前」
名簿。
『水城 尚』
「……」
高瀬。
「みずき」
「なお?」
「はい」
「写真」
クリック。
開く。
三人。
息。
止まる。
「……」
高瀬。
目。
少し。
大きくなる。
「似てる」
「かなり」
藤原。
「真壁」
「……」
「一年前」
「俺には」
「見えてた」
「うん」
「この顔」
一度。
写真を見る。
「……同じだと思う」
「じゃあ」
高瀬。
小さく。
「ナオ」
「水城尚」
「……」
SYSTEM。
反応。
なし。
「決めない」
藤原。
「本人に」
「確認」
「はい」
高瀬。
「でも」
「かなり」
「近い」
◇
「水城尚」
真壁。
名簿。
「在籍」
「二年四組」
「……二年四組?」
高瀬。
「ナオが」
「今」
「いた教室」
「はい」
「同じ」
「……」
藤原。
「担任」
「当時」
「誰」
検索。
「……」
一人。
名前。
『桐谷』
「……」
三人。
止まる。
「桐谷」
高瀬。
「担任?」
「はい」
「ナオの?」
「可能性」
真壁。
「かなり高い」
「……」
高瀬。
写真。
見る。
「だから」
「桐谷」
「ナオのこと」
「知ってる」
「……」
藤原。
「高瀬先生」
「ナオと」
「どう関わった?」
「俺」
「当時」
「何年」
「……」
「同学年」
真壁。
「二年」
「別クラス」
「じゃあ」
高瀬。
「隣?」
「はい」
「……」
「俺」
「同じ学年」
「桐谷」
「担任」
「ナオ」
「生徒」
「……」
胸。
少し。
ざわつく。
「何か」
「思い出す?」
藤原。
「……」
高瀬。
目を閉じる。
廊下。
笑い声。
男子生徒。
『先生』
誰?
『また明日』
……。
「無理」
「……」
「でも」
「何」
「名前」
「水城」
「ちょっと」
「引っ掛かる」
「……」
真壁。
「焦らない」
「うん」
◇
「水城尚」
記録。
「出席」
藤原。
「一学期」
「普通」
「二学期」
「……」
「九月」
「欠席」
「増えてる」
「十月」
「……」
高瀬。
「十三日」
三人。
止まる。
「10月13日」
「欠席」
「14」
「欠席」
「15」
「欠席」
「16」
「……」
「記録なし」
「……」
「17」
「なし」
「その後」
「……」
藤原。
顔。
少し.
固くなる。
「全部」
「空白」
「退学?」
「転校?」
「……」
真壁。
「記録」
「なし」
「じゃあ」
高瀬。
「ナオ」
「13日から」
「消えた?」
「桐谷」
「13日から」
「記録消える」
「俺」
「13日から」
「三日」
「……」
「同じ日」
三人。
静か。
「一年前」
藤原。
「ナオ」
「桐谷」
「高瀬先生」
「三人」
「同じ日から」
「記録に」
「異常」
「……」
真壁。
「偶然では」
「ない」
高瀬。
「今回は」
「言い切る?」
「これは」
真壁。
「かなり」
「うん」
◇
「ナオ」
高瀬。
「誰と」
「仲良かった?」
「そこ」
藤原。
「学級記録」
「作文」
「係」
「班」
「残ってる?」
「ある」
真壁。
「学年写真」
「行事」
「……」
三人。
少しずつ。
資料。
追う。
水城尚。
文化祭。
写真。
体育祭。
写真。
委員会。
「図書委員」
高瀬。
「へえ」
「読書好き?」
「貸出履歴」
藤原。
「見れる?」
「古い」
「でも」
「残ってる」
水城尚。
年間。
四十七冊。
「多」
高瀬。
「結構読む」
「ジャンル」
真壁。
「小説」
「多い」
「ファンタジー」
「……」
高瀬。
「意外」
「何で」
「なんか」
「SYSTEMとか」
「謎キャラの印象」
「それ」
藤原。
「今のナオしか」
「見てないから」
「……」
高瀬。
少し。
止まる。
「そうだな」
「ナオ」
「普通に」
「本読む子だったんだ」
「はい」
「昼休み」
記録。
『図書室利用』
多い。
「じゃあ」
藤原。
「『また明日』」
「図書室?」
「可能性」
真壁。
「誰かと」
「毎日」
「会ってた?」
◇
図書委員記録。
当番。
水城尚。
もう一人。
「……」
藤原。
指。
止まる。
「名前」
『白石 悠真』
「男子」
「同じクラス?」
「はい」
「……」
高瀬。
「今」
「在籍?」
「……」
検索。
今年。
三年四組。
「いる」
「この学校」
「……」
三人。
顔。
見合わせる。
「聞く?」
高瀬。
「自然に」
藤原。
「はい」
「でも」
真壁。
「いきなり」
「水城尚覚えてる?」
「は」
「慎重」
「分かってる」
「じゃあ」
「まず」
「図書委員」
「当時」
「何してたか」
「そこから」
◇
昼休み。
三年四組。
白石悠真。
「白石」
高瀬。
「ちょっといい?」
「高瀬先生?」
「うん」
「何ですか」
「去年」
「図書委員だった?」
「一昨年です」
「そうそう」
「水城と」
言いかける。
高瀬。
止まる。
「……」
白石。
「先生?」
「いや」
「図書委員」
「誰とやってた?」
「……」
白石。
少し。
首を傾げる。
「誰と」
「……」
「一人?」
「いや」
「二人だった気が」
「誰」
「……」
白石。
眉。
寄せる。
「分かんない」
「顔」
「……」
「出ない」
高瀬。
胸。
少し。
強く鳴る。
「でも」
白石。
「何」
「そいつ」
「多分」
「本好き」
「……」
「なんで」
「いつも」
「俺より」
「先に」
「図書室来てた」
「……」
「で」
「俺」
「漫画ばっか」
「読んで」
「怒られて」
「誰に」
「……」
白石。
少し。
笑う。
「そいつ」
「……」
「何て」
「『仕事しろ』って」
「……」
高瀬。
ナオ。
想像。
少し。
笑いそうになる。
「仲良かった?」
「……」
白石。
すぐには。
答えない。
「多分」
「……」
「何で多分」
「分かんない」
「でも」
「帰る時」
「いつも」
「一緒だった気がする」
「……」
「何話した」
「覚えてない」
「……」
「でも」
白石。
少し。
遠くを見る。
「毎日」
「最後」
「同じこと」
「言ってた」
高瀬。
息。
止まる。
「何」
「……」
白石。
ゆっくり。
「また明日」
「……」
高瀬。
完全に。
止まる。
「白石」
「はい」
「それ」
「どっちが」
「言ってた?」
「……」
「多分」
一度。
考える。
「俺」
「……」
「そいつに」
「また明日って」
「……」
高瀬。
胸。
熱くなる。
「名前」
「出ない?」
「……」
白石。
頭。
押さえる。
「なんか」
「な」
「……」
「なお」
高瀬。
目。
少し。
大きくなる。
「ナオ?」
白石。
表情。
止まる。
「……」
「今」
「何て」
「ナオ」
「……」
白石。
息。
少し.
浅くなる。
「それ」
「……」
「知ってる」
「……」
「誰」
「分かんない」
「でも」
「俺」
一度.
胸.
押さえる.
「その名前」
「めっちゃ」
「知ってる」
「……」
高瀬。
何も。
言わない。
白石。
目.
少し.
潤む.
「先生」
「何」
「何で」
「俺」
「今」
「泣きそうなんですか」
「……」
高瀬.
答え.
出ない.
「分からん」
「……」
「でも」
一度.
言葉を選ぶ.
「多分」
「大事なやつだったんじゃない」
「……」
白石.
目.
伏せる.
「誰」
「ナオって」
高瀬.
ここで.
答えるか.
迷う.
「……」
「白石」
「はい」
「俺も」
「今」
「探してる」
「……」
「ナオって」
「誰だったか」
「……」
「一緒に」
「思い出す?」
白石.
少し.
驚いた顔.
「先生も」
「知らない?」
「全部は」
「……」
「じゃあ」
白石.
少し.
笑う.
「一緒に」
「探します」
「……」
高瀬.
少しだけ.
笑った.
「うん」
◇
放課後.
三人.
空き教室.
「白石悠真」
藤原.
「ナオ」
「名前に」
「反応」
「はい」
高瀬.
「『また明日』」
「言ってた」
「……」
真壁.
「強い」
「固定点」
「かなり」
「でも」
高瀬.
「まだ」
「SYSTEMには」
「繋げない」
「……」
藤原.
「うん」
「白石くん」
「自分で」
「思い出し始めてる」
「……」
「それ」
「大事」
真壁.
「人為的に」
「固定を作るんじゃなく」
「元々あった関係」
「戻ってきてる」
「……」
三人.
少し.
静か.
「俺」
高瀬.
「ナオ」
「普通の生徒だったんだな」
「……」
「本読んで」
「図書委員やって」
「友達に」
「仕事しろって」
「言って」
「帰り」
「また明日って」
「……」
「当たり前」
藤原.
「はい」
「でも」
高瀬.
少し.
笑う.
「それ」
「今」
「めっちゃ」
「大事に見える」
「……」
真壁.
「番号じゃ」
「分からない部分」
「うん」
「001じゃ」
「図書委員も」
「本好きも」
「白石との関係も」
「全部」
「消える」
「……」
「だから」
高瀬.
「ナオ」
「なんだよな」
二人.
少し.
頷く.
◇
「桐谷に」
高瀬.
「言う?」
「今日」
藤原.
「行く?」
「……」
高瀬.
少し考える.
「行きたい」
「でも」
「ナオに」
「まず」
「聞かせたい」
「白石」
「覚えてるか」
「……」
真壁.
「なら」
「三人で」
「旧視聴覚室」
「はい」
◇
午後五時四十二分.
扉.
三人.
「桐谷」
「……」
「ナオ」
「……」
「今日」
「一個」
「見つけた」
数秒.
向こう.
「何」
桐谷.
「ナオ」
「起きてる?」
「いる」
少し.
間.
「先生?」
ナオ.
「うん」
「白石悠真」
「……」
扉.
向こう.
完全に.
静か.
「ナオ?」
「……」
「白石」
「知ってる?」
呼吸.
向こう.
聞こえる.
「……」
ナオ.
小さく.
「ゆうま」
「……」
高瀬.
胸.
強く.
鳴る.
「覚えてる?」
「……少し」
「図書委員」
「……」
「一緒だった」
「……」
「本」
一度.
ナオ.
息.
吸う.
「僕」
「……」
「仕事してた」
「白石」
「漫画読んでた」
「……」
高瀬.
少し.
笑う.
「同じこと」
「白石も言ってた」
「……」
ナオ.
向こう.
小さく.
笑った.
「やっぱり」
「何」
「悠真」
「サボってた」
「……」
三人.
笑う.
桐谷も.
少し.
笑った.
「ナオ」
高瀬.
「帰り」
「いつも」
「何て」
「……」
長い.
沈黙.
「また」
一度.
声.
震える.
「……明日」
「……」
ナオ.
泣いている.
声.
「悠真」
「……」
「毎日」
「言ってた」
「……」
「僕も」
「……」
「言ってた」
「……」
高瀬.
何も.
言わない.
「先生」
「うん」
「悠真」
「今」
「いる?」
「いる」
「学校?」
「うん」
「……」
ナオ.
息.
詰まる.
「僕」
「……」
「会いたい」
「……」
高瀬.
胸.
熱くなる.
「そっか」
「うん」
「じゃあ」
「戻ったら」
一度.
言葉.
止める.
「最初に」
「何したい?」
ナオ.
長い.
沈黙.
でも.
今度は.
答え.
出た.
「悠真に」
「……」
「また明日って」
「言いたい」
「……」
高瀬.
目.
少し.
熱くなる.
「うん」
「それ」
「めちゃくちゃ」
「いいじゃん」
ナオ.
小さく.
笑う.
「はい」
その瞬間.
扉の向こう.
光.
少し.
漏れる.
「……何」
真壁.
スマートフォン.
震える.
高瀬.
藤原.
同時.
画面.
━━━━━━━━━━━━
【SYSTEM】
識別対象001
━━━━━━━━━━━━
「……」
次.
━━━━━━━━━━━━
外部固定候補
検出
━━━━━━━━━━━━
「白石?」
藤原.
次.
━━━━━━━━━━━━
固定名
白石悠真
━━━━━━━━━━━━
「……」
高瀬.
胸.
強く.
鳴る.
━━━━━━━━━━━━
本人帰還意思
確認
━━━━━━━━━━━━
「本人」
真壁.
次.
━━━━━━━━━━━━
帰還目的
登録中
━━━━━━━━━━━━
文字.
少し.
間.
━━━━━━━━━━━━
「また明日」
━━━━━━━━━━━━
三人.
完全に.
止まる.
「……それ」
高瀬.
少し.
笑う.
「SYSTEMに」
「登録されるんだ」
桐谷.
向こう.
「違う」
「何が」
「SYSTEMが」
「後から」
「拾っただけだ」
「……」
「先に」
「ナオが」
「決めた」
「……」
高瀬.
少しだけ.
笑み.
大きくなる.
「そっか」
「じゃあ」
「いい」
SYSTEM.
さらに.
━━━━━━━━━━━━
識別率
001
67%
━━━━━━━━━━━━
「……67」
藤原.
次.
━━━━━━━━━━━━
帰還条件
一部成立
━━━━━━━━━━━━
「一部」
真壁.
高瀬.
「あと」
画面.
━━━━━━━━━━━━
不足条件
1
━━━━━━━━━━━━
「……一個」
三人.
息.
止める.
そして.
━━━━━━━━━━━━
必要条件
本人名
完全登録
━━━━━━━━━━━━
「名前」
高瀬.
ナオ.
今.
名字.
まだ.
こちらでは.
確定していない.
「ナオ」
「はい」
高瀬.
少し.
ゆっくり.
「一個」
「確認していい?」
「……」
「普通の質問」
「うん」
「お前」
「水城尚?」
扉.
向こう.
静か.
ナオ.
息.
止まる.
「……」
「水城」
小さく.
「……尚」
声.
震える.
「僕」
一度.
息.
「水城尚」
「……」
高瀬.
藤原.
真壁.
三人.
笑う.
「おかえり」
高瀬.
言いかける.
でも.
止めた.
まだ.
帰ってない.
「……」
言い直す.
「待ってる」
ナオ.
向こう.
泣きながら.
少し.
笑う.
「はい」
その瞬間.
SYSTEM.
━━━━━━━━━━━━
本人名
登録完了
━━━━━━━━━━━━
次.
━━━━━━━━━━━━
識別番号001
解除準備
━━━━━━━━━━━━
「……」
三人.
息.
止める.
そして.
最後.
━━━━━━━━━━━━
帰還処理
開始可能
━━━━━━━━━━━━
高瀬.
画面.
見る.
「開始可能」
「……」
真壁.
「まだ」
「開始してない」
「うん」
藤原.
「本人に」
「選ばせる」
「……」
高瀬.
扉.
向こう.
「水城尚」
「はい」
「戻る?」
沈黙.
長い.
でも.
ナオ.
今度は.
迷わなかった.
「戻ります」
「……」
「僕」
「もう一回」
「悠真に」
「また明日って」
「言いたい」
高瀬.
小さく.
笑う.
「分かった」
その瞬間.
SYSTEM.
━━━━━━━━━━━━
帰還意思
確定
━━━━━━━━━━━━
次.
━━━━━━━━━━━━
警告
帰還代償
未確定
━━━━━━━━━━━━
三人.
笑顔.
止まる.
「……代償」
藤原.
佐伯.
高瀬.
帰還者.
何かを.
置いてきた.
そして.
ナオ.
戻る条件は.
揃った.
でも.
何を.
失う?
高瀬.
扉へ.
「待て」
ナオ.
「……」
「まだ」
「帰還」
「始めない」
「先生?」
「代償」
「先に」
「調べる」
「……」
ナオ.
少し.
黙る.
「でも」
「何」
「もし」
一度.
声.
小さくなる.
「悠真を」
「忘れるのが」
「代償だったら」
「……」
高瀬.
何も.
言えない.
「僕」
「戻る意味」
「なくなります」
「……」
その言葉.
三人.
胸へ.
重く.
落ちる.
白石悠真.
また明日.
それが.
ナオの.
帰る理由.
もし.
帰るために.
帰る理由を.
失うのなら.
それは.
本当に.
帰還と.
呼べるのか.
誰も.
答えられなかった.




