Review33 帰る
旧視聴覚室。
扉の前。
三人。
誰も動かなかった。
━━━━━━━━━━━━
接続対象
高瀬
帰還記録
あり
━━━━━━━━━━━━
同伴者
桐谷
帰還記録
なし
━━━━━━━━━━━━
「……」
高瀬は。
スマートフォンの画面から。
ゆっくり。
扉へ視線を移した。
一年前。
自分は。
ここへ入った。
桐谷と。
そして。
戻ったのは。
自分だけ。
「……」
手。
気付けば。
ドアノブへ。
伸びていた。
「高瀬先生」
真壁。
低い声。
「うん」
高瀬の手は。
止まる。
「触る?」
「……」
「今」
「何も分からない」
「……」
「中に」
「桐谷先生がいるかも」
高瀬。
扉を見る。
「うん」
「ナオも」
藤原。
「いるかもしれない」
「うん」
「でも」
一度。
言葉を止める。
「いないかもしれない」
「……」
「入ったら」
「戻れないかもしれない」
「……」
高瀬は。
何も言わなかった。
右手。
まだ。
ドアノブの。
少し手前。
「高瀬先生」
藤原。
「行きたい?」
「……」
高瀬。
小さく笑う。
「聞く?」
「聞きます」
「めちゃくちゃ」
一度。
息を吐く。
「行きたい」
「……」
「今すぐ」
「この扉」
「開けたい」
「……」
「桐谷が」
「いるなら」
「会いたい」
「……」
「ナオが」
「いるなら」
「連れて帰りたい」
「……」
声。
少し。
強くなる。
「俺が」
「一年前」
「何したか」
「見たい」
「知りたい」
「全部」
「……」
真壁。
「なら」
「開けます?」
高瀬。
真壁を見る。
「お前」
「今」
「試してる?」
「少し」
「腹立つ」
「すみません」
「でも」
真壁。
目を逸らさない。
「高瀬先生が」
「自分で」
「決めた方がいい」
「……」
「俺が止めるから」
「開けない」
「だと」
「また」
「一年前と」
「同じかもしれない」
「……」
高瀬の表情が。
少し。
変わった。
「制止者」
「……」
「俺が」
真壁。
「止めるんじゃなくて」
「高瀬先生が」
「決めてください」
「……」
藤原も。
何も言わない。
二人。
待つ。
高瀬が。
決めるのを。
「……」
扉。
中。
桐谷。
ナオ。
いるかもしれない。
その言葉だけで。
胸が。
前へ。
引っ張られる。
でも。
横。
藤原。
真壁。
二人。
一年前には。
今と同じ形では。
いなかった。
紙。
『三人とも戻れる保証がない。』
「……」
高瀬の。
右手。
ゆっくり。
下がる。
「帰ろう」
「……」
藤原の目が。
少しだけ。
大きくなる。
真壁も。
一瞬。
何も言わなかった。
「高瀬先生」
「何」
「本当に?」
高瀬。
扉を見る。
「本当」
「……」
「今日は」
「開けない」
「……」
「開けたいけど」
「開けない」
「……」
「俺だけなら」
一度。
言葉が。
止まる。
「多分」
「開けてた」
「……」
「でも」
藤原。
真壁。
二人を見る。
「二人いるから」
「……」
「二人まで」
「俺の好奇心で」
「危ないとこ」
「連れてけない」
「……」
真壁が。
ほんの少し。
笑った。
「好奇心なんですね」
「そこ拾う?」
「大事」
「桐谷も心配」
「ナオも心配」
「あと」
「好奇心」
「結構ある」
「知ってます」
藤原も。
少しだけ。
笑った。
「高瀬先生」
「何」
「今」
「本当に」
「帰る?」
「帰る」
「五分後」
「開けたいって」
「言わない?」
「……」
「高瀬先生」
「言わない!」
「今の間」
真壁。
「不安」
「うるさい!」
三人。
少しだけ。
笑った。
それでも。
誰も。
扉を。
開けなかった。
◇
廊下。
三人。
旧視聴覚室から。
離れていく。
一歩。
二歩。
三歩。
高瀬。
何度も。
振り返りそうになる。
でも。
振り返らない。
「高瀬先生」
藤原。
「何」
「今」
「我慢してる?」
「めっちゃ」
「顔」
「見るな」
「分かりやすい」
「最近そればっか!」
真壁。
少しだけ。
口元を緩める。
「でも」
「何」
「今日のは」
一度。
間。
「すごいと思います」
高瀬。
足。
止まりそうになる。
「真壁」
「何」
「今」
「褒めた?」
「言わなきゃよかった」
「待って!」
藤原。
笑う。
「真壁先生」
「はい」
「もう一回」
「嫌です」
「俺が聞きたい!」
「一回で十分」
「ケチ!」
三人。
階段。
下りる。
その時。
高瀬のスマートフォン。
震えた。
「……」
全員。
止まる。
高瀬。
画面。
━━━━━━━━━━━━
【SYSTEM】
未登録領域
接続未実行。
━━━━━━━━━━━━
「……」
次。
━━━━━━━━━━━━
LOOP 1との差分を確認。
━━━━━━━━━━━━
高瀬。
藤原。
真壁。
三人。
同時に。
少し。
表情を変える。
━━━━━━━━━━━━
前回
接続実行
━━━━━━━━━━━━
今回
接続拒否
━━━━━━━━━━━━
「拒否」
高瀬。
「自分で」
藤原。
「選んだ」
真壁。
次。
━━━━━━━━━━━━
LOOP 1再現率
31%
↓
24%
━━━━━━━━━━━━
「下がった」
藤原。
高瀬。
少しだけ。
笑う。
「七%」
「数字」
真壁。
「気にしすぎない」
「分かってる」
「今の顔」
「ちょっと嬉しそう」
「そりゃ」
高瀬。
少しだけ。
胸を張る。
「一年前と」
「違うこと」
「できたから」
「……」
藤原。
少し。
笑う。
「それなら」
「いいです」
◇
職員室。
午後六時十二分。
三人。
ノート。
『旧視聴覚室』
『未登録領域』
『一年前 高瀬・桐谷が接続』
『高瀬のみ帰還』
『現在 接続拒否』
『LOOP 1再現率 24%』
「あと」
藤原。
「紙」
「うん」
高瀬。
『ここには来るな。』
『三人で来たなら、なおさら。』
『次は、三人とも戻れる保証がない。』
「誰が」
真壁。
「出した」
「分からん」
「中に」
「誰か」
「いる?」
「分からん」
「ナオ」
「桐谷」
「第三者」
「SYSTEM」
「候補」
「多いな」
「だから」
真壁。
「今は」
「開けなくて正解」
「正解って」
高瀬。
少しだけ。
眉を上げる。
「SYSTEMみたいに言うなよ」
「……」
真壁。
少し。
止まる。
「確かに」
「でしょ」
「じゃあ」
「今の選択」
「俺は」
一度。
言い直す。
「好きです」
「……」
高瀬。
真壁を見る。
「何ですか」
「いや」
「今の」
「結構」
「恥ずかしい?」
「帰ります」
「待て!」
藤原が。
笑いをこらえる。
「真壁先生」
「何ですか」
「最近」
「言い直せるようになりましたね」
「やめて」
「成長」
「それ禁止」
「俺の専売特許みたいになってない?」
三人。
笑う。
ただ。
ノートの中。
『桐谷 帰還記録なし』
そこだけ。
高瀬は。
何度見ても。
笑えなかった。
◇
翌日。
午前九時十九分。
高瀬。
授業。
「先生」
「何」
「この問題」
「うん」
「AでもBでも」
「点入ります?」
「理由が合ってれば」
「じゃあ」
「どっちでも正解?」
「場合による」
「ずる」
「国語だから」
「先生」
「何」
「正解一個じゃないの?」
「……」
高瀬。
少しだけ。
止まる。
昨日。
扉。
開ける。
開けない。
どっちが。
正解だった?
「先生?」
「いや」
高瀬。
黒板へ。
チョーク。
「正解」
一度。
書く。
その横。
「選択」
書く。
「これ」
「違うんだよな」
「何が」
一人の生徒。
「正解は」
「あとから」
「分かることもある」
「でも」
「選択は」
「その時」
「自分でしないといけない」
「……」
教室。
少しだけ。
静か。
「先生」
後ろ。
いつもの女子生徒。
「最近」
「人生語りすぎ」
「俺も今思った!」
笑い。
高瀬。
頭を掻く。
「はい」
「授業戻る!」
「逃げた」
「戻るだけ!」
「真壁先生みたい」
「何で知ってんの!?」
教室。
笑い。
「でも」
女子生徒。
「先生」
「何」
「昨日」
「何か」
「選んだ?」
高瀬。
一瞬。
止まる。
「……選んだ」
「正解だった?」
「分からん」
「じゃあ」
女子生徒。
少しだけ。
笑う。
「今」
「後悔してます?」
「……」
高瀬。
考える。
扉。
桐谷。
ナオ。
開けなかった。
「してない」
「じゃあ」
「今はそれでよくないですか」
「……」
高瀬。
少し。
笑う。
「お前」
「たまに」
「すげえこと言うな」
「たまに余計」
「真壁みたい!」
「誰なんですか真壁先生」
「同僚!」
「また男」
「そこ気にするな!」
教室。
笑い。
高瀬も。
笑った。
◇
昼休み。
「一個」
真壁。
「気になる」
「何」
高瀬。
「旧視聴覚室」
「鍵」
「……」
「昨日」
「掛かってた」
「はい」
藤原。
「でも」
「紙」
「中から」
「出てきた」
「うん」
「じゃあ」
真壁。
「本当に」
「中に誰かいるなら」
「閉じ込められてる?」
「……」
高瀬。
少し。
表情が変わる。
「それ」
「昨日言えよ」
「言ったら」
「絶対開けたでしょ」
「……」
「図星」
藤原。
「真壁先生」
「それ」
「一人で抱えた?」
「……」
真壁。
止まる。
「いや」
「今」
「共有した」
「一日遅い」
「……」
高瀬。
真壁を見る。
「何で」
「……」
「俺が」
「行くと思ったから」
「……」
「止めたかった?」
「はい」
「……」
高瀬。
少しだけ。
息を吐く。
「そっか」
「怒らない?」
「少し怒ってる」
「……」
「でも」
「昨日の俺なら」
「聞いた瞬間」
「開けてたかもしれん」
「……」
「だから」
「今」
「ちゃんと話してくれたなら」
「次から」
「早く言え」
「……」
「はい」
藤原。
少しだけ。
笑う。
「真壁先生」
「何」
「また」
「一人で判断しましたね」
「……」
「すみません」
「でも」
「言えた」
「はい」
「じゃあ」
一度。
笑う。
「次」
「気を付ける」
「……」
真壁。
少しだけ。
頷く。
「はい」
◇
「で」
高瀬。
「鍵」
「確認する?」
「する」
真壁。
「開けない」
「分かってる」
「本当に?」
「信用!」
「半分」
「お前ら最近それ便利に使いすぎ!」
三人。
旧視聴覚室。
鍵。
職員室。
管理記録。
「昨日」
藤原。
「鍵」
「誰も」
「借りてない」
「一週間」
「貸出なし」
「……」
高瀬。
「じゃあ」
「ずっと」
「閉まってる?」
「はい」
「紙」
「出てきた」
「はい」
「中から音」
「した」
「はい」
「……」
「物理」
高瀬。
「無視しすぎ」
「今更」
真壁。
「それ言います?」
「ごもっとも」
◇
「鍵」
高瀬。
「形」
「何が」
藤原。
「普通?」
「普通の」
「学校の鍵」
「合鍵」
「ある?」
「事務室」
「……」
真壁。
少しだけ。
考える。
「一年前」
「貸出記録」
「残ってる?」
「……」
藤原。
「調べる」
三人。
過去。
十月十三日。
旧視聴覚室。
鍵。
貸出。
「……」
藤原の指。
止まる。
「ある」
「誰」
高瀬。
「17時39分」
「……」
「借用者」
三人。
見る。
『高瀬』
「……俺」
「返却」
真壁。
「……」
『記録なし』
「……」
高瀬。
小さく。
「鍵」
「持ってった?」
「はい」
藤原。
「でも」
「今」
「鍵」
「職員室にある」
「……」
「いつ」
「戻った」
「記録なし」
「……」
「じゃあ」
高瀬。
「十六日」
「俺が」
「戻ってきた時?」
「可能性」
真壁。
「高い」
◇
「鍵」
高瀬。
「見せて」
「開けないんですよね」
藤原。
「見るだけ!」
「……」
「信用ない!」
事務室。
鍵。
古い。
金属。
札。
『旧視聴覚室』
「……」
高瀬。
手。
伸ばす。
「待って」
真壁。
「何」
「写真」
「先」
「はい」
三人。
撮る。
高瀬。
鍵。
触る。
「……」
冷たい。
「何も」
「ない?」
藤原。
「……」
高瀬。
少し。
眉を寄せる。
「いや」
「何」
「これ」
鍵。
持ち手。
裏。
小さい。
傷。
「文字?」
「……」
藤原。
目を細める。
「数字」
真壁。
「何」
高瀬。
三人。
近付く。
刻まれている。
『109』
「……」
高瀬。
止まる。
「109?」
藤原。
「何の番号」
真壁。
小さく。
眉を寄せる。
「鍵番号?」
「でも」
藤原。
「札には」
「視聴覚室」
「……」
高瀬。
その数字を。
指で。
なぞらない。
ただ。
見る。
「109」
なぜか。
胸。
少しだけ。
ざわつく。
理由。
分からない。
「高瀬先生」
「何」
「顔」
「また?」
「何か」
「感じた?」
「……」
高瀬。
少し考える。
「分からん」
「でも」
「嫌じゃない」
「……」
真壁。
「珍しい」
「怖い数字じゃない?」
「うん」
「何か」
一度。
言葉を止める。
「知ってる感じ」
「……」
「記憶?」
「そこまでは」
「……」
「今日は」
藤原。
「ここまで」
「はい」
高瀬。
素直に。
鍵を。
戻す。
「……」
真壁。
高瀬を見る。
「何」
「いや」
「返した」
「返すわ!」
「前なら」
「ポケット入れてたかも」
「窃盗!」
藤原。
笑う。
「さすがに」
「それはないでしょ」
「……」
二人。
高瀬を見る。
「何その間!」
◇
放課後。
高瀬。
一人。
教室。
「109」
ノート。
数字。
書く。
『旧視聴覚室の鍵』
『刻印 109』
「……」
何だ。
109。
Review69。
自己選択率69%。
そして。
109。
「……数字増えた」
少しだけ。
嫌になる。
「でも」
数字のために。
追わない。
そう。
決めた。
ノート。
閉じる。
「先生」
「うわっ!」
いつもの女子生徒。
「今日三回目くらい?」
「もう数えてない!」
「何書いてたんですか」
「秘密」
「怪しい」
「教師にも秘密くらいある」
「恋愛?」
「違う!」
「じゃあ借金?」
「もっと嫌!」
女子生徒。
笑う。
「先生」
「何」
「今日」
「何点?」
「……」
高瀬。
少し考える。
「七十一」
「お」
「高い」
「うん」
「何で」
「昨日」
「やりたいこと」
「やらなかった」
「……?」
「でも」
「それが」
「今は」
「良かったと思ってる」
「……」
女子生徒。
少し。
考える。
「我慢?」
「違う」
「じゃあ」
「選んだ」
「……」
「やらないことを?」
「うん」
「それ」
「選択なんですか」
「……」
高瀬。
少しだけ。
笑う。
「多分」
「やらないって」
「結構」
「ちゃんとした選択なんだな」
「……」
女子生徒。
小さく。
笑う。
「先生」
「何」
「ちょっと大人になりました?」
「俺三十六!」
「遅!」
「うるさい!」
教室。
笑い。
◇
その夜。
真壁。
自宅。
今日の記録。
旧視聴覚室。
鍵。
109。
「……」
写真。
拡大。
数字。
見る。
その時。
スマートフォン。
Review。
「……」
開く。
━━━━━━━━━━━━
【Review】
★★★★★
━━━━━━━━━━━━
「いつも通り」
閉じようとする。
次。
━━━━━━━━━━━━
対象
真壁透
━━━━━━━━━━━━
役割
制止者
━━━━━━━━━━━━
「……」
真壁。
少しだけ。
顔をしかめる。
「違う」
小さく。
言う。
「俺」
「真壁だから」
画面。
一瞬。
揺れる。
そして。
━━━━━━━━━━━━
役割
制止者
↓
未確定
━━━━━━━━━━━━
「……」
真壁の。
目が。
少し。
大きくなる。
次。
━━━━━━━━━━━━
自主選択を確認。
既定役割との
乖離を検出。
━━━━━━━━━━━━
「……俺」
昨日。
高瀬を止めた。
SYSTEMに言われたからじゃない。
役割だからじゃない。
自分が。
危ないと思ったから。
そして。
今日は。
高瀬に。
選ばせた。
「……」
真壁。
少しだけ。
笑う。
「やっと」
その瞬間。
SYSTEM。
━━━━━━━━━━━━
警告。
分類安定度
低下。
━━━━━━━━━━━━
笑顔。
消える。
━━━━━━━━━━━━
No.004
識別率
82%
━━━━━━━━━━━━
「……」
さらに。
━━━━━━━━━━━━
識別率低下が
50%を下回った場合
再分類処理を実行します。
━━━━━━━━━━━━
「再分類……」
真壁。
画面。
見つめる。
次。
━━━━━━━━━━━━
候補分類
UNKNOWN
━━━━━━━━━━━━
「……UNKNOWN」
真壁の。
胸。
少しだけ。
冷たくなる。
30話。
知らない番号。
『分類できない対象は、
削除されます。』
「……」
真壁。
スマートフォン。
握る。
そして。
三人のグループチャット。
開く。
一瞬。
止まる。
でも。
今度は。
迷わない。
『二人とも。
ちょっと見てほしいものがあります。』
送信。
数秒。
高瀬。
『今いける』
藤原。
『大丈夫です』
「……」
真壁。
少しだけ。
息を吐く。
一人で。
抱えない。
その選択自体が。
さらに。
自分を。
No.004ではない何かへ。
変えていくかもしれない。
怖い。
でも。
真壁は。
写真を。
二人へ送った。
◇
同じ頃。
学校。
誰もいない。
三階。
旧視聴覚室。
鍵の掛かった。
扉の向こう。
暗闇。
机も。
椅子も。
何もない。
その中で。
小さな。
光。
一つ。
スマートフォンの。
画面。
━━━━━━━━━━━━
【接続待機】
━━━━━━━━━━━━
その前。
誰かが。
座っていた。
顔は。
見えない。
手だけ。
画面へ。
触れる。
━━━━━━━━━━━━
接続予定者
高瀬
━━━━━━━━━━━━
次。
━━━━━━━━━━━━
同行可能数
2
━━━━━━━━━━━━
その人物は。
長い間。
画面を。
見つめた。
そして。
小さく。
呟いた。
「……三人で来るなって」
声。
男。
「言っただろ」
一度。
息。
「高瀬」
暗闇。
その声だけが。
静かに。
残った。




